2003年度ベスト10
毎年恒例のベスト10。
遅ればせながらささやかに発表致します。
昨年も一昨年同様、、劇場で観た本数が少なかったので、
10本選ぶのに苦労しました。
別にベストテンを選ぶのに映画を観ている訳ではないのですが、
いざ選ぶとなると、ちょっと責任を感じてしまいます。
「こんな作品が…」というのも多少ランクインしていますが、
いつも通り、僕の独断と偏見と、変わった趣味によるベストなので、
戯言だと思ってご覧下さい。
1位 『インファナル・アフェア』
巷で人気の『シティ・オブ・ゴッド』が“ブラジル版『仁義なき戦い』”なら、この映画は“香港版『県警対組織暴力』”でしょうか。止むに止まれぬ事情で、現状をキープしていかなければならない男たちの、性(さが)の重みというものが画面からヒシヒシと伝わってくる傑作でした。いち早くハリウッドが目を付けたのも分かるような気がします。よくありそうな主題なのに、こういう映画が日本で撮れないのは、悲しいですな。
2位 『猟奇的な彼女』
2位もアジア映画。毎度何かの話題を振りまく韓国映画ですが、今回も良かったですな。タイトルから一瞬、ホラー映画的なモノを想像させたのも、意外性があって成功したでしょうか。男も女も、典型的な美男美女ではなく、いかにも何処にでもいそうなタイプっていうのもイイです。(ま、彼女はチャーミングでしたが…)話を何段階にも設定した展開も面白かったし、最後の最後で「グッ」とさせる所も上手いですな。まさに、アイデアの勝利でしょうなぁ〜。こういう映画が日本で撮れないのが悲しいですな。
3位 『ドリームキャッチャー』
昨年、シャマラン監督の『サイン』を3位に入れたので、今年もこれを3位に入れないと、失礼に当りますな。みんなバカ映画って言うけど(当たってますが…)、元々スティーブン・キングの小説&映画なんて、みんなバカ映画なんですよね。これは、それをそのまま映画化しただけなんだから、バカ映画に決まってます。同じジャンルの『エイリアン』が評価されて、これが評価されないのは、納得出来ん。バカ映画でも、面白けりゃ、イイんだよ、と思いますデス。
4位 『ファム・ファタール』
デ・パルマも、まぁ、色々悩んでいたんでしょうなぁ。でも、よかった。これで元のデ・パルマに戻れて。そう、デ・パルマはヘンなジャンルに手を出さず、こういう映画ばかり撮っていたらイイのでは…? そういう意味では、何処から観てもデ・パルマ・テイスト満点の映画でした。あのオチを容認できない人もいるようですが、、デ・パルマ映画のオチって、みんなコレと同じですからね。今更それに文句言っても始まらないと思います。これがデ・パルマ映画の真髄なんですから。
5位 『マイノリティ・リポート』
スピルバーグとトム・クルーズの初コラボレーションに、フィリップ・K・ディック原作の近未来アクション映画と、これだけお膳立てが揃っていて面白くなかったら、今後、映画を観るのを辞めようと思っていた所、そうならなくてよかったです。オチがちょっと弱いですが、前半から中盤にかけて楽しませて貰ったので、それで満足。コリン・ファレルの先物買いも、ポイント高いですな。
6位 『デッドコースター』
前作の『ファイナル・デスティネーション』は、トホホ映画に近いぐらい、つまらなかったですが、その続編は面白かったです。同じ話の蒸し返しなのに、何故…? と、僕もよく分かりませんが、ある程度面白くないのを覚悟していたせいでしょうか…(笑)。オープニングのカー・クラッシュ・シーンが強烈でしたな。あの“ツカミ”が良かったんで、その後も順調に進んだような。前作にあった、A級意識(?)を振り捨てて、思いっきりバカ映画に徹したのも成功の原因だと思います。
7位 『フレディVSジェイソン』
この手の対決映画には、実は“対決しませんでした…”パターンが多い訳ですが、この映画の場合は間違いなく、両者が対決しているので、それにまず拍手。それと、両ヒーローのキャラクターを上手く取り入れたストーリーになっているのも納得で、ハッキリ言ってこれは、シリーズの最高傑作に仕上がりましたね。どちらのシリーズにとっても最高な訳で、細かいストーリーは抜きにして、殺戮と両者の対決に絞った脚本も見事でした。
8位 『アンダーカバー ブラザー』
こういう映画が受けないのは寂しいですな。これもバカ映画ですが、どちらかというと、ノリは『オースティン・パワーズ』に近い感じ。でも、あの映画ほど下品でもお下劣でもない所がポイントですな。ブルース・リーとジェームス・ボンドに憧れる主人公(大して強くない…笑)というのも、ボンクラ映画ファンの魂に火を点けてくれてますね。『キル・ビル』も本来、このような映画にするべきではなかったでしょうか…、タラ様。
9位 『閉ざされた森』
昨年『アザーズ』を10位に入れたので、同種のこの映画もやはりランクインさせないと…という単純な理由で9位です。凄く大仰な導入部や、極限状況の中で描かれる人間ドラマ…みたいな雰囲気のストーリー展開でありながら、実はやりたかったのは全然別の事…というところが、何ともアホというか、ヤラレたというか…。『名探偵登場』や『ゲーム』の好きな人(僕ですな…笑)は大いに楽しめるというか、まぁ、1年に1本ぐらいは、この手の映画があってもイイです。何本もあると困るけど…。
10位 『ザ・コア』
これもバカ映画の1本ですな。(今年はこんなのばっかり…)『ディープインパクト』や『アルマゲドン』の宇宙からやってきた隕石に対抗して、今回は地球内部の核の異変。アイデアは尽きませんなぁ(笑)。前半、地球上でも異変が起こって、鳥が暴れたり旅客機が不時着したりするシーンのパニック描写がなかなかイイです。隕石映画のパニック・シーンに不満だっただけに、こういう描写は嬉しいもんですなぁ。まぁ、後半の展開は、他の映画とソックリなんですが、3本目や4本目ともなると、それなりの覚悟が出来ているので、そんなにトホホ感は無かったですな。