アクション映画サントラ |
アウトローブルース | ザ・ビッグマン | 非情の標的(特別盤) |
アラン・ドロンのゾロ | サマータイム・キラー | ビッグ・マグナム77 |
アンタッチャブル | 地獄のヒーロー | 110番街交差点 |
インディ・ジョーンズ魔宮の伝説 | 七人の愚連隊 | F.I.S.T. |
インファナル・アフェア(T〜V) | 死に神の骨をしゃぶれ | フェイス/オフ |
ウォリアーズ | ジャッキー・ブラウン | フォーリング・ダウン |
栄光のル・マン | シャーキーズ・マシーン | ブラック・エマニュエル・クルーヴ |
L.A.大捜査線/狼たちの街 | シュリ | ブラニガン |
追いつめて殺せ | シンジケート | ブリット(各バージョン) |
狼の挽歌 | シンシナティ・キッド | ブルーサンダー |
狼よさらば | 新バニシングIN60"スピードトラップ | ブールバード・ナイト |
オスロ国際空港ダブル・ハイジャック | スカイ・ハイ | ブレイクアウト |
俺たちに明日はない | スカイ・ライダース | プレシディオの男たち |
合衆国最後の日 | スカーフェイス | フレンチ・コネクション1&2 |
カナディアン・エクスプレス | スタントマン | 暴走機関車 |
カプリコン・1(スコア盤) | スーパー・コップス | 北海ハイジャック |
カプリコン・1(完全盤) | セメントの女 | ホット・ロック |
ガルシアの首 | 続シンジケート | ボルサリーノ |
華麗なるヒコーキ野郎 | ダイ・ハード | マックQ |
危険を買う男&相続人&潮騒 | ダイ・ハード2 | マッドマックス |
キャノンボール | ダイヤモンドの犬たち | マッドマックス2 |
キラー・エリート | 大列車強盗 | ミニミニ大作戦(68年版) |
キル・ビルVOL.1 | 探偵マイク・ハマー/俺が掟だ! | 要塞警察 |
キング・オブ・デストロイヤー | デス・ウィッシュX | 汚れた7人 |
禁じ手&トップレディを殺せ | デルタ・フォース | 48時間PART2帰ってきたふたり |
グライド・イン・ブルー | ドラブル | ラスト・ラン |
グラン・プリ | トランザム7000 | ラッキーレディ |
クリフハンガー | トランザム7000VS激突パトカー軍団 | ランボー |
クレオパトラ・ジョーンズ危機突破 | バイオレント・サタデー | リーサル・ウェポン |
グレートスタントマン | ハイ・ロード | リーサル・ウェポン2炎の約束 |
黒いジャガー | 爆走! | レイダース失われたアーク |
黒いジャガーアフリカ作戦 | バックドラフト | ロサンゼルス |
クワイヤボーイズ | ハード・ウェイ | ロマンシング・ストーン秘宝の谷 |
警官ギャング | バトルガンM−16 | ロング・グッドバイ |
ゲイター | バニシング・ポイント | ★オムニバス |
ゴーストハンターズ | パルプ・フィクション | アーノルド・シュワルツェネッガー作品集 |
コナン・ザ・グレート | ハンター | ジェームズ・ホーナー作品集 |
コマンドー | 非情の標的 | スティーヴン・セガール作品集 |
ブリット Bullitt | |||||||||||||||||||||||||||||||
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迫力あるカー・チェイス・シーンでアクション映画に革命を起こしたと同時に、刑事アクションものの元祖的作品でもある『ブリット』のサントラ。まだ、これといって決定打のなかったラロ・シフリンの名前を一気に押し上げた出世作でもありますな。シフリン得意のフュージョン風味を生かしたジャジーなテイストは、当時新鮮でもあり、刑事のリアルな日常と激しいアクション・シーンを描く内容に上手くマッチしてましたな。
さて、サントラ盤は、初公開(日本は69年)時から既にLPでリリースされていて、一応左に主なものを年代順に並べてみましたが、ジャケット・デザインも含めて、内容に若干のバージョン違いがあります。 まず、@が最初のアナログLP盤で、ジャケット・デザイン的には、これが全ての基本となるオリジナル盤になります。 続くAが、日本公開時にリリースされた日本盤。オリジナル盤のシンプルなイラストが、全部スチルの寄せ集めに変わっているのは、当時の日本盤にはよくある事で、まぁ、センスの違いとでも申しましょうか…。完全に日本独特のデザインになってますな。因みに、1980年にワーナーからいくつかの名作のサントラが再発された際にリリースされたものも、同様のジャケになっておりました。但し、この日本盤、違うのはジャケットだけではないんですね。収録曲は全12曲と、オリジナル盤と同じなんですが、9曲目の“Shifting Gear”という、劇中ではカー・チェイスが始まる直前に流れるリズミカルな曲の最後に、日本盤のみフィルム・トラックからカー・チェイスの効果音が追加収録されていて、これがまた何とも迫力満点なんですよね。ビデオなんか無かった当時は、この効果音だけでも臨場感いっぱいで、大いに気に入って何度も繰り返し聴きまくった程でした。他にも最後12曲目の“End Title”の前にも、オリジナル盤にはなかった、ラストの空港での銃撃戦の効果音が追加されていて、これもイイ感じ。なので、これらの効果音収録があるだけで、オリジナル盤よりも気に入って、多少のジャケット・デザインの違いなんかも許せてしまうのでありました。 さて、時代はLPからCDへと移り変わりまして、80年代、初めてCD化されたのがBの日本盤CD。“世界初CD化”というキャッチ・コピーが示すように、これが世界で初めてだったんですな。今は亡きSLC(サウンドトラック・リスナーズ・クラブ)からリリースされてましたが、ジャケ・デザインもオリジナル盤と同じになったのも嬉しく、まさに原点回帰。しかも、内容は以前の日本盤同様、上記の2曲にはちゃんと効果音が入ったバージョンというのも嬉しく、先の日本盤に慣れ親しんだ日本人の耳にすんなり入り込んだのでした。 その後、本家ワーナーからCのCDが再発されましたが、驚いたのは、以前の効果音が収録されていない、つまりオリジナル・バージョンに戻っていた事。“Shifting Gear”の最後にはカー・チェイスの効果音が入っているものであるという認識が覆されたようで、何とも居心地悪いんですよね。まぁ、これが元のオリジナル版ではあるというものの、長年慣れ親しんできた音が違っているというのは、何とも残念でありました。で、この事が以後もずっと尾を引く事になるんですな。 続いて00年にリリースされたのがDのCDで、ジャケットも新しく曲目も増えているニュー・バージョンで、これはシフリン主催のレーベルから出たもの。曲数が多くなっているので、「これが完全版か!」と思い買い求めましたが、これはどちらかというと再演奏スコア盤という趣きのアルバムになってましたね。個々の曲は全て、映画に流れたのと同じアレンジのバージョンになっていて、そういう意味ではまさに“オリジナル版”なんですが、例えばメイン・タイトル曲は、あの有名なテーマ曲でないというのが、ある意味ちょっと寂しかったりもしました。確かに、映画のタイトル部分に流れる曲は、あの「テーマ曲」ではなく、あくまでもこのアルバムのバージョンの方が正解なんですが、やはりあのカッコいいテーマ曲が収録されていないのは残念でしたな。他の曲については、一応、映画版とアルバム版の2バージョンが収録されているのですが、タイトル曲だけは未収録。代わりにメイン・テーマのギター・バージョンが収録されていてお茶を濁しておりました。思えば、例の有名なテーマ曲は、あくまでもレコード用のアレンジだった訳で、こういうのはラロ・シフリンは結構ありますな。例えばあの『燃えよドラゴン』なんかもそうですな。大ヒットして誰もが知っているあの「燃えよドラゴンのテーマ」は、映画版とは違うアレンジになっているんですな。でも『燃えよドラゴン』といいこの『ブリット』といい、やはりレコード用のテイクの方が格段にカッコ良くてイイんですな。 その後、フランスのワーナーからEのCDとFのCDが同時にリリースされまして、EはDと同様の完全版スコア・バージョン。Fはオリジナル版の再発盤で、Fのみ日本盤でもリリースされておりました。両方共、それまでのリリース盤とジャケット・デザインが違うのが魅力的で、それだけでも購買意欲をそそられる訳ですが、しかしながらFは、やはり効果音が入っていないバージョンになっているのは残念ですな。 という事で、幾種類ものサントラを紹介しましたが、取り敢えず、『ブリット』ファンがサントラ盤を最低限持つとしたら、効果音入り、効果音ナシ、完全スコア盤の3種類で十分かと思われますな。でも、このような情報に疎かったワタシは、昔、Aの日本盤LPで聴いて、普通に効果音が入っているものと思っていたので、BのCDを買い逃して、Cを買ったものの効果音が入っておらず、悔し紛れにDやEやFを片っ端から買ってみたものの、結局どれにも入ってなくて地団太を踏んだ経験があり、同じような経験をなされないように、最初からBのCD狙いで中古盤を探すか、或いはAのLPをCDに落とすかされた方がイイと思われますデス。
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オスロ国際空港/ダブル・ハイジャック The Terrorists(Ransom) | ||||||||
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ショーン・コネリー主演のサスペンス・アクションの異色作。テロリストが、イギリス大使を人質に篭城したのと同時に、オスロ空港に向かう旅客機をもハイジャックして、つまり“ダブルでハイジャック”状態で、人質の命と引き換えに、身代金と収監されているテロリストたちの釈放を要求し、コネリー扮するイギリス軍大佐と全面対決するというノルウェーを舞台にした作品。ラストにアッと驚くドンデン返しが用意されているというのがミソで、初めて観た時は呆然としました。
音楽は当時絶好調だったジェリー・ゴールドスミス。メイン・テーマから、ドラマティックで劇的なスコアを連発。映画の内容より、音楽の方が印象に残るという、まるで“スウォーム状態”のようなインパクトを与えてくれました。 公開当時イギリスとフランス盤(左上)のみリリースされていたLPを元にCD化したサントラで、実はこれが2度目のリリース。以前は『ゼロの決死圏』とのカップリング盤(左下)でのリリースでしたが、今回は単独盤でのリリースに変更。その分、前回の7曲から今回が11曲と、曲数も若干増えていて、より濃い内容のゴールドスミス節が楽しめるという按配になっております。 因みに、英語原題は2種類あって、イギリス公開版が“The Terrorists”(日本公開版と同じ)、アメリカ公開版が“Ransom”で、これはメル・ギプソン主演の『身代金』と同じですな。ややこしいと言えばややこしいですが、内容がテロを扱ったものなので、公開国によって色々配慮されているのではないかと思われます。 |
非情の標的 Revolver | |||
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『狼の挽歌』等、イタリアB級アクション映画界の雄・セルジオ・ソリーマ監督によるサスペンス・アクション。脱獄囚と看守、さらに警察と暗黒組織が陰謀と策略の中で互いに縺れ合うクールなアクション映画で、オリヴァー・リードの熱い演技が光る70年代の傑作ですな。
オープニングからかなり時間をかけて描かれる脱獄囚のエピソードが、意外に泣かせる作りになっていて、何故かそのシークエンスのみ印象に残っているという不思議な映画でもありますな。 で、そのバックに流れる音楽(「禁じられた友情」)が、これが実にイイんですな。その音楽を担当したのが、これもイタリア映画音楽界というか、世界の大御所であるエンニオ・モリコーネ。凄く忙しい時期の作品にしては、しっかりと作ってあって、上記の「禁じられた友情」は、後の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』や『アンタッチャブル』に繋がる系統で、モリコーネの数々の傑作の中でもベスト5に入る名曲だと思われます。 他にも、12分にも渡って流れるタイトル曲(主にアクション・シーンに使用)やパブの音楽等、今回もバラエティに富んだ構成になっているんですが、「禁じられた友情」の美しさの前では、色褪せて聴こえてしまうのが難でしょうか。因みに、5曲目には、「禁じられた友情」のボーカル曲(唄・ダニエル・ベレッタ)も収録されていて、これもイイんですなぁ。 |
非情の標的(特別盤) Revolver | |||
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上記のサントラに、10曲追加収録された完全版というか、特別盤のサントラであります。1〜11曲までは上記と同じ構成(一部、曲順が違っていて、ボーカル曲が1曲目に来ている)で、その後が追加収録曲というもの。
全く新しい曲が追加されている訳ではなく、あくまでも、既収録曲のアレンジ・バージョンばかりというのが、ちょっとアレですが、それでも色んなバリエーションが聴けるのがイイですな。勿論、名曲「禁じられた友情」も2種類のアレンジ違いバージョンが収録されてあり、マニアにはタマりまへんなぁ。 あと、ジャケットが前回と変わっているのも良く、これはイタリア版のオリジナル・ポスターのデザインから引用したもの。また、8ページのカラーブックレット付きで、感動的な名場面のスチル(アゴスティーナ・ベリのセクシー・ショットも!)に加えて、各国のポスターやサントラ・ジャケット(日本盤シングル有り)も掲載されているのがグンバツです。 |
探偵マイク・ハマー/俺が掟だ! I, the Jury | |||
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ミッキー・スピレーン原作のマイク・ハマーものの映画化は、昔から沢山作られていますが、珍しく80年代に製作され、マニアの間で語り草になっている傑作の1本がこれ。リチャード・T・ヘフロン監督の歯切れの良い演出にセクシーな女優陣を絡ませたストーリーも魅力的で、何より、ビル・コンティの音楽が最高がでしたな。(アーマンド・アサンテのマイク・ハマーは賛否両論ありましたが…)
拳銃をコラージュしたタイトル・バックに流れるメイン・テーマに心踊ったファンも多く、長らくサントラ化が望まれていましたが、アナログ時代から、今のCDになっても、未だに正式リリースされていない幻の逸品で、なかなか出ない間に、アメリカではこのようにブート盤が出回っております。 15曲収録も、全体的に短い曲ばかりなので(原盤はシネテープか…)、30分強の内容ですが、ナンと言っても、オープニングのベッド・シーンからメイン・タイトルに繋がるテーマ曲が強烈ですね。この1曲のみで、ビル・コンティの男を上げたと云っても過言ではないぐらいのゴキゲンなスコアで、取り敢えず正式リリースを望みます、ハイ。 |
ウォリアーズ Warriors | |||
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一時流行った“ストリート・パンクもの”映画の先駆け的作品。懐かしいですな。ウォルター・ヒル監督だけに、ちゃんとアクション仕立てになっている所がイイですな。それも、A地点からB地点へ行くだけの、単純な構成になっているのが、いかにもストレート派のヒル監督らしい発想で、シビれてしまいましたな。
シビれるといえば、このサントラもシビれます。一見コンピものかと思いきや、バリー・デ・ヴォーゾンのスコアも半数ばかり、ちゃんと収録されていて、サントラ盤である事の存在証明をしてくれています。 ロックを散りばめている辺りは、後年の『ストリート・オブ・ファイヤー』への繋ぎとも読み取れる訳ですが、単にバックに流すのではなく、ちゃんと映画のアクションやテンポとリンクしているという辺りが、いかにもウォルター・ヒルらしいですな。 |
クリフハンガー Cliffhanger | |||
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一時不調だったシルヴェスター・スタローンが復活を遂げた山岳アクション。レニー・ハーリン監督の爆発的演出も手伝って、スタローン映画として久々にヒットした作品。
スケール感溢れる音楽を担当したのはトレヴァー・ジョーンズ。ジワジワとしたサスペンス調からテンポ・アップしたアクション調まで、スリリングな映画を盛り上げるのに一役買っているが、時折“ダダダ〜ン!”と鳴り響く辺りは、何となく“ダイ・ハード調”になってる辺りは、レニー・ハーリンの影響か。 雄大なテーマ曲は、テレビ番組でも頻繁に使用されていて、特に山が映るシーンでは、必ずといって言い程、BGMで流れるのが、今や通例になっている。ま、それだけこの映画のテーマ曲が山の雰囲気を醸し出しているって事なんでしょうね。 |
ダイヤモンドの犬たち Killer Force | |||
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70年代に大活躍したピーター・フォンダ主演のアクションものの一編。アフリカのダイヤモンド貯蔵金庫を狙って、敵味方入り乱れての争奪戦を展開するアクション映画で、フォンダの他にも、テリー・サヴァラス、モード・アダムス、クリストファー・リー、O・J・シンプソン、ヒュー・オブライエン等、豪華スター共演も楽しい。
音楽は、ギリシャ出身のジョルジュ・ガルヴァランツ。ヨーロッパ系の幅広いジャンルの映画を手掛けているが、一番の傑作はこの作品で決まりでしょう。メイン・テーマの燃えるようなサウンドを含め、アクション・サウンド満載の一編で、聴いているだけで、ジープで砂漠を突っ走りたい気分にさせてくれる事受け合いです。愛のテーマの美しさも絶品で、ガルヴァランツ唯一無比の名盤と呼べるでしょう。 因みに、挿入歌“The Old Fashioned Way”を作詞しているのが、アル・カシャとジョエル・ハーシュホーンという『ポセイドン・アドベンチャー』『タワーリング・インフェルノ』のアカデミー賞主題歌コンビ(加えてシャルル・アズナヴールも!)。いかにも70年代を思わせる布陣ですな。 映画の内容よりも、音楽の方が勝っていた…とも言われているこのサントラ、CD化を切望しているファンも後を絶たないようですが、出来れば映画の方も、DVD化して欲しいものです。勿論、ラストでフォンダが○○する完全版で! |
爆走! Fear Is the Key | |||
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アリステア・マクリーン原作の「恐怖の関門」を映画化したミステリィ・タッチのサスペンス・アクション。主演が『バニシング・ポイント』のバリー・ニューマンだから、またしてもカー・アクション映画特有の邦題が付けられていて、何とも安易だなぁ〜と思いきや、実は、映画の前半部は、これが結構迫力有るカー・チェイス・シーンが展開して、なかなかイイ線突いてるって感じなんですな。他にもボートや海底に沈んだセスナ機等も登場するなど、メカニック・アクション映画の要素が散りばめられていて、それにプラスしてマクリーンお得意のミステリィ劇も加わって盛り沢山な内容になってました。
音楽はロイ・バッド。オープニングからドラマチックなスコアで飛ばし、その後もカー・アクション・シーンのバックに流れるのは、リズミカルでダイナミックなアクション・サウンドで、とにかく盛り上がる事受け合い。(カー・チェイス・シーンの効果音が収録されているのも素晴らしい!)邦題同様、爆走しまくっている音楽が強烈な、アクション・ファン必聴の“ゴキゲン”なスコアが連発しています。他にもジャズ調の劇中曲など、ロイ・バッドの真骨頂が伺える名盤ですね。 |
フレンチ・コネクション&フレンチ・コネクション2
The French Connection / French Connection II |
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1971年度のアカデミー賞受賞作。こういった刑事アクション映画がオスカーを獲るのは、非常に珍しいですな。『夜の大捜査線』とかの、社会派的な映画ならいざ知らず、暴力と犯罪に彩られた、しかもハミ出し刑事のアクション映画という意味合いでは、当時は元より、今でも新鮮な感じがしますな。
その新鮮な感覚を大いに出しているのが、ドン・エリスの音楽。劇中は、あまり音楽が流れた印象が少ないので、そのせいでサントラ盤がリリースされなかったのかと、長い間思っていたのですが、トンでもない。ズシーンと腹に響くサウンドから、高揚感溢れるトランペットまで、映画の中の躍動感同様、激しく流れております。 公開当時は、カバー盤で我慢していた訳ですが、オリジナルに忠実にカバーしていたのは、Tam盤収録のオムニバス盤だけだったと記憶しており、他のカバーは、オリジナルを完全に無視した独自のアレンジになっていたのが悲しかったです。 尤も、当時聴けたのはカバー盤だけかと思いきや、これは輸入盤でしたが、ドン・エリスが73年に発表した“The Connection”というジャズ・アルバムに、「フレンチ・コネクションのテーマ」として1作目のタイトル・バック曲に追跡シーンの曲(このCDの10曲目「Subway」)とを繋げた曲が収録されていて、それが当時聴ける唯一のオリジナル音源でした。 そして晴れて正式なサントラ盤としてリリースされたのがこのFSM盤で、さすがはオリジナルの強みですな。劇中と同じアレンジ(当たり前か…)が鳴り響いて来た時の感動といったら…。感涙です! 感動と言えば、続編とのカップリング盤になっているのも素晴らしく、ドン・エリスの1作目とは曲調と異なる(1作目は乾いたタッチ、2作目はメロディアスなタッチ)が、これまた素晴らしいですな。新録やスコア・アレンジ盤でもなく、35oの3〜6トラックの磁気シネ・テープをマスターにした紛れも無いサントラ音源で、そのせいか、音質は多少なりとも良くない部分もありますが、まずは、リリースしてくれた事に感謝したいものですな。因みに、1作目の4曲のみ、モノラル音声になっているのは、マスターに起因する事だと思われます。 |
ブラニガン Brannigan |
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ジョン・ウェインが『マックQ』に続いて刑事役に挑んだポリス・アクション。前作より派手なアクションぶりを発揮して、ダーティハリー役を降板した鬱憤を晴らしてくれています。
音楽はドミニク・フロンティアが担当。あまりサントラ化されていないフロンティア作品であるだけに、このサントラ・リリースは貴重ですね。その昔、劇場公開当時、この映画のカバー演奏盤が出ていたのを覚えている人もあるかと思いますが、当時のラジオの映画音楽番組では、それが流されていて、サントラ代わりに聴いていたのが懐かしい思い出です。それに比べると、コチラは当然サントラ(スコア盤ですが)だけに、オリジナルに近くなっていて、映画のシーンを彷彿とさせるものになっていますね。 映画には未使用の曲も入っていたりして、なかなか聴かせるサウンドになっているのも良く、3千枚のみの限定盤なので、品切れにならない内にゲットしといておくんなし。 |