1974年のオカルト・ブームの年にドサクサに紛れて公開されたスプラッター・ホラーの1本。邦題に“悪魔の”と付いているのも、そのブームの表れですな。後の『悪魔のいけにえ』や『地獄のモーテル』等に引き継がれる“楽しいバカンスの果てに待っていたもの、それは猟奇変態野郎との出会いだった…”というパターンのルーツ的な作品でしょうか。公開当時は、あまり話題にもならなかった訳ですが、場末でこっそりと公開されたので、それも致し方ないですな。後に、オシャレな映画を連発するニューヨーク派アラン・ルドルフ監督の本格的なデビュー作でもありますが、どうやら今では、自身のフィルモグラフィから抹消させたがっているようで…。ま、気持ちは分かりますが(笑)。
その後日本では、バブル期に例のミミ・ビデオからビデオがリリース。と、思ったら、直後に会社が倒産したので、巷に出回った本数は少数だった為、ほとんどの人が現物を見ないまま、噂だけが飛び交っていた作品でもありますね。ナンでも、その日本版ビデオが欲しい為、他のミミ・ビデオ作品と合わせて15万円で購入(聞こえはイイけど、実際は倒産後の在庫整理をさせられた形)したツワモノもいらっしゃったとか。
そこでこの輸入盤です。以前下の方でも紹介しているアメリカ製の海賊盤がありましたが、今回のは正式にリリースされたオランダ盤になります。下記の海賊盤が、劇場公開フィルムから直にテレシネされていたのに対し、コチラはちゃんとリマスターされたマスターを使用。当然、画質は格段に良くなっている訳ですが、使用されたプリントが、原題が“Caged
Women”という別バージョンというのがレアですな。多分、本国で公開された際でも、各地域や州によって、タイトルも変更された色んなバージョンで上映された事が分かりますな。
特典は、オランダ版予告編(相変わらずオランダ語のナレーションが騒々しい)の他、ポスター&宣材&スチル・ギャラリー、そして他のホラー映画(なんじゃこれは…?)の予告編を収録。通常のケースより一回り大き目の特殊仕様のケース(デジパックの変種?)に収納された、結構豪華なものになっております。“核実験の影響で怪物化したオヤジ登場”という辺りがネックで、日本では当分リリースされないだろうこの作品、おひとつ、如何でしょうか。
※日本盤未発売
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