ストーリーの謎

 

ルチオ・フルチ監督の傑作の1本『ビヨンド』には、長年、ファンの間で謎とされていたものがありました。

例えばこれ。大映ビデオからリリースされた際の『墓地裏の家』LDの裏ジャケットに掲載されてある“ストーリー”なのですが、映画を観てからこれを読んだら、ビックリクリクリクリックリ! 全然違う事が書かれてあるのでした。(一度、読んでみて下さい)

前半の8行はイイとして、そこから後の展開は…!?

大体、リザ・メリルって誰だ…!?

火の手が上がり、解剖室を焼き尽くす…?

その後に登場するマクカベスの甥マイケルって誰だよ、オイ!

 

 

それについて、ジャロ映画に詳しい山崎大先生によると…

「因みに大映版のビデオ・LDに見られる本編とは無関係の解説文は、英国向けに配給を担当したイーグル・フィルムという会社が配ったプレスに記載されていた英文を直訳したもの。
但し、当時の権利は英国経由ではなく(恐らくは)本国から直接買っているのではないかと推測される為、このイギリス版プレスがどうして大映の担当者諸氏に渡ったのかは謎。もしかしたら熱心なマニア氏が個人的なコレクションから引っ張り出した物だったのかも。」

との事なのですが、今回、そのイーグル・プレス社の原文を入手したので、興味のある方は翻訳してみて下さい。

しかし、山崎氏も指摘している通り、大映の営業社員が、どうしてこれを入手出来たのかが謎ですね。

もしかして、本当にフルチ・マニアだったのかも…!? しかし、その割には実際に映画を観ていなかった(絶対に観ていないと思う)というのも、これも謎ですな。ビデオ・ソフトがブームになった当時は、いい加減な事が平然と行われていたという、いわばその証みたいなものですね。

 

inserted by FC2 system