いきなりですが、ブルース・リーのページです!
もう既に皆さんご存知(知らない人もいると思いますが)の通り、
念願叶って遂に、あのブルース・リーの幻の最高傑作『死亡遊戯』が、
リニューアルされて登場する事になりました。
73年のブルース・リーの急死によって、製作途中で中止になってしまった幻の『死亡遊戯』、
その後プロデューサーのレイモンド・チョウや、
『燃えよドラゴン』のロバート・クローズ監督らの努力によって、78年に完成されましたが、
観た人はみんなビックリ。本物のブルース・リーが登場するのは、
ラスト約13分だけで、
後は、他のブルース・リー映画からの切り張り(当時はまだ、CGがなかったもので)と
タン・ロンやユン・ピョウらのブルース・リーのソックリさんたちによる熱演で構成された、
ほとんど詐欺まがいの映画になっていましたが、
しかし、それまでスチル写真でしか見た事がなかった黄色いトラック・スーツを着たブルース・リーが、
例の怪鳥音と共に動き始めた時は、それだけでもう狂喜乱舞。
それまでの詐欺行為の事なんか忘れて、たった13分だけでしたが、
『死亡遊戯』ワールドにドップリと浸かる事が出来てから早や22年!
『死亡遊戯』には、まだ未使用のシーンがいっぱい残されている筈だ!
という世界のマニアやファンの熱い声に応え、今世紀末に於いて、
遂に、全く新しい『死亡遊戯』が登場したのでした。
題して、『G.O.D.死亡的遊戯』だ!
そこでこのコーナーでは、来るべき『G.O.D.』に備え、まずは音(サウンド)で、今までのブルース・リー映画を復習しようと、最近になって発売されたブルース・リー映画のサウンドトラック盤を紹介しつつ、その聞き所をキッチリ押さえる事によって、『G.O.D.』を観に行った映画館で、思いっきり高揚感を高めて貰おうと思い、この企画を立てました。 現在、ブルース・リー映画のサントラCDは、一般ルートで入手出来るものとしては、『燃えよドラゴン』のみです。しかし昨年、香港からの輸入盤としてですが、7枚組のCD−BOXがリリースされ、通販によって購入する事が出来るようになりました。 |
香港直輸入版 BRUCE LEE CD−BOX 2000セット限定 価格¥17000(税、送料込み) |
というものですが、現在は、タワーレコード等の輸入盤専門店でも直に購入出来ますし、1枚毎の単品でも手に入れる事が出来ます。また、値段の方も、BOXで14,000円、単品で2,200円ぐらいになっていました。 で、このCDですが、香港の輸入盤といっても侮れない内容になっています。というのも、以前に日本でもリリースされていた東宝レコード版のサントラ(『燃えよドラゴン』は非サントラ)をそのまんまでCD化している、いわば復刻版だからです。しかも、全てボーナス・トラック付きという豪華さ。 東宝レコード版(以下Tam版)というのは、日本で劇場公開されたブルース・リー映画から、英語版のセリフや音楽、そしてリーの怪鳥音などを、LP1枚にまとめた日本独自のサントラで、当時は世界の何処でも入手出来る代物ではありませんでした。 その後、ブルース・リー・ブームが去り、東宝レコードも無くなってしまったのと同様、それらの版権も何処かへ消えてしまい、以来、そのサントラの音楽を合法的に聴くというのは、以前からファンが持っていたアナログ・レコードに頼るしかなかったのですが、ここに来て、遂に今、それらが全部まとめて、CD化されるに至ったのです。 そこでまず、そのBOX−CDから紹介したいと思います。 |
Disc1 グリーン・ホーネット THE GREEN HORNET |
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1.Green
Hornet
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まずは、ブルース・リーがアメリカ時代に出演したテレビ・シリーズのサントラです。アナログ・レコードの時代では、輸入盤でしか手に入らなかったアイテムで、日本ではキングからシングル盤のみ発売されていました。このアルバムでの、10曲目のテーマ曲と、5曲目の「カトーのテーマ」が収録されていましたが、それより前に、劇場版『ブルース・リーのグリーン・ホーネット』が公開された際に、東宝レコードからリリースされたシングル盤は、実はサントラではなかったという事実が、その時に発覚した訳ですが、でもTam版には、他の映画から抜粋した、ブルース・リーの怪鳥音が収録されているので、そういう意味ではちょっと嬉しかったですが。 因みにこのアルバム、全18曲中、半分の9曲がボーナストラックというサービスぶり(『グリーン・ホーネット』のサントラのみでCDを構成するには、ちょっと寂しすぎたからか)で、テレビ・バージョンのテーマ曲(11曲目)や、これまた初めて聞くグリーン・ホーネット・ソング(ちゃんとバックに“グリーン・ホーネット!”というコーラスが入る)や、グリーン・ホーネットとカトー(若き日のブルース・リーです)が飛び入りで出演した人気テレビ・シリーズ「バットマン」のテーマ曲、それにブルース・リーがゲスト出演したテレビ・シリーズ「ロング・ストリート」のテーマ曲(何とブルース・リー自身による、ジー・クン・ドーの哲学を喋るセリフ入り!)まで収録されていて、その充実ぶりにはとにかく脱帽です。 それと14曲目は、劇場版グリーン・ホーネットの第2弾『ブルース・リー電光石火』のテーマ曲(ちゃんと怪鳥音入り!)で、これも本邦初公開という嬉しさに加え、驚くべきはラスト18曲目、延々11分にも渡って収録されているのが、アルピノーニの名曲「Gマイナーのアダージョ」で、何でこんな所にクラシック音楽が入っているのかというと、これが実は、ブルース・リーの葬儀に実際に流されたものであるらしい。そういえば、各種のドキュメンタリーのブルース・リーの葬儀のシーンには必ずバックに流れていたが、いやぁ、この凄い選曲には恐れ入りました。でも何でグリーン・ホーネットに? という疑問は残りますが。 |
Disc2 ドラゴン危機一発 THE BIG BOSS |
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1.Opening
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続いては、香港に凱旋したブルース・リー初の主演作です。日本では大ヒットした『燃えよドラゴン』の次に“第2弾”として公開されたもので、Tamとしても初のブルース・リーのサントラ・リリースでした。『燃えドラ』には例の“アチョー!”という怪鳥音が入っていましたが、Tamではそれに対抗する為にセリフ入りサントラを出したものの、この時はまだブルース・リーは怪鳥音を発していませんでした。 3曲目の“Consolation”は、Tam版にはなかった曲ですが、よく聴いてみると、6曲目の「愛のテーマ」のセリフ部分がちょっと変わっているだけの曲でした。 それとボーナス・トラックですが、各国で公開された際の、メイン・タイトル曲がバージョン違いで収録されていて、実に参考になります。でも、一番カッコいいのは、やっぱり日本版(ハテ、その音源は、一体どこから?)のテーマ曲で、それに英語の歌詞を付けたものが10曲目のラストに流れる“To Be A Man”ですが、それの北京語バージョンが14曲目で聴けるのも、何とも嬉しいですネ。勿論、本邦初公開です。 |
Disc3 ドラゴン怒りの鉄拳 FIST OF FURY |
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1.Fist Of Fury (Main Theme)
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主演第2作で、日本では3本目に公開されたブルース・リー映画です。日本での公開日が、ちょうどブルース・リーの一周忌に当たる7月20日だったというのも、何か運命的なものを感じました。 前作に続いてTamは、セリフ入りサントラを出しましたが、この作品からブルース・リーは、例のアチョーという怪鳥音(グワイニャオインと発音するらしいです)を発していて、このサントラでも大いに聞く事が出きます。それと同様に、日本公開版のタイトル・バックに流れたマイク・レメディオスという謎の人物が唄う主題歌(カッコいいんです!)が聞けるのも、メチャクチャ嬉しいですネ。 8曲目の“Truth”は、LPにはなく、後に発売された2枚組のコンピレーション・アルバム「ブルース・リー専科」の時に収録されていたもので、それがここでもちゃんと入っているのがマニアックなこだわりを感じます。 今回のボーナス・トラックには、主題歌の北京語バージョン(DVDで観られる)も収録されていて、これまた雰囲気は最高です。しかも最後の14曲目には、ナンと『2001年宇宙の旅』のテーマ曲としてもお馴染み、シュトラウスの「ツァラストラはかく語りき」が収録されて、何か不思議な感じがしますが、何の事はない、北京語版の予告編のバックに使われていたらしいです。 |
Disc4 ドラゴンへの道 THE WAY OF THE DRAGON |
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1.The Way Of The Dragon (Titles)
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続いては、主演第3作。日本では4本目に“最後のブルース・リー”とサブ・タイトルが付けられて公開された作品。まぁ、その時点ではまだ『死亡遊戯』が完成していなかったので、最後と云われてもしょうがなかったのですが、今思うと「?」ですネー。 ここでも、レメディオスが唄う主題歌が収録されていますが、勿論これは、日本公開版にのみ流れたもの。それと、東宝レコードが強引に作って、無理矢理映画のバックに流したという“ビッグ・ガイ”(名曲ですが…)も収録。まぁ、Tam版の復刻ですから当然なのですが、他の「愛のテーマ」「闘いのテーマ」なんかは勿論、入っていません。あくまでもサントラですから。 |
Disc5 燃えよドラゴン ENTER THE DRAGON |
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1.Opening - Exhibition
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日本で初めて公開されたブルース・リー映画で、あのテーマ曲はあまりに有名。でもこれは、サントラではありません。やっぱりハリウッド・メジャーのワーナー映画の作品なので、その辺は版権がキッチリとされているからなのでしょう。 じゃあこれは、例のTam版のインチキ楽団、スタンリー・マックスフィールド・オーケストラ(未だに謎とされている)が演奏するカバー・バージョンなのかというと、それでもありません。一応カバーはカバーで、演奏はゴールデン・スタジオ・オーケストラという事になっていますが、とにかくもうその演奏ぶりがハンパじゃない。ほとんどオリジナルと変わらないような、ド迫力パフォーマンス! しかもアレンジが、サントラ盤よりも遙かにオリジナルに近い形、即ち、映画に流れているのと同じアレンジによるバージョンになっていて、これはつまり、後に紹介する「完全サントラ盤」とほぼ同じスタイルによるもの。 例えば、1曲目の映画のオープニング・シーンの音楽は、通常のサントラ盤には未収録の曲だし、その他、6・8・9の各曲も同様で、それらのサントラ未収録曲も、サントラ顔負けの演奏で収録されているという、これはもう、サントラ・スコア盤と呼んでもイイヨような素晴らしさ。 おまけに、例のテーマ曲には、オリジナル同様に、ちゃんとブルース・リーの怪鳥音まで収録されているという完璧さで、イヤー、ハッキリ言ってマイりました。極端なイイ方をすれば、これさえあれば、ワーナー版の本物のサントラなんて要らない、とまで思ってしまうぐらいで、これはもう百聞は一見にしかず、とにかく一度、聴いて貰いたい、驚くべき究極のアルバムだと、断言出来ます。 |
Disc6 ブルース・リー 死亡遊戯 BRUCE LEE GAME OF DEATH |
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1.Main Title-Bruce Lee Theme
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そして本当に最後の作品です。一応香港とアメリカとの合作という形なので、音楽はジョン・バリーが担当していて、全体的に何処となく“007”の雰囲気が漂っています。 勿論Tam版のサントラは廃盤になっていますが、現在は、イギリス版のCDが入手出来て、今回の香港盤が出る前は、それを求めていたファンが多かったようですが、残念ながらそのイギリス版は、『ナイトゲーム』という映画とのカップリング・アルバムになっていて、当然ながら一部の曲が未収録になっていて、ファンにとっては不満でした。 しかし、これでその溜飲を下げて下さい。基本的にはTam版と同じですが(一部曲順が違っているが)、例えば6曲目の怪鳥音入りのテーマ曲は、何と映画版と同様、ゴールデン・ハーヴェストのテーマ曲からオープニングのブルース・リーの怪鳥音から始まるタイトル・バック曲をオリジナルのまま収録されていて、実に何ともマニーアック!このアルバムきっての聴き所です。 ボーナス・トラックは一番充実していて、まず最初の2曲が、『死亡遊戯』広東語版と北京語版の主題歌を収録。実は国際版(日本やアメリカで公開されたもの)以外のバージョンは、音楽はジョン・バリーではなく、ブルース・リー映画の大御所・ジョセフ・クーの担当だったんですネ。だから当然、テーマ曲は全く違うサウンドになっています。どっちがイイかというと……、かなり迷ってしまいますが、まぁ、どっちもイイと言っておきましょう。 その後のボーナストラックは、何とバッタもん映画『死亡の塔』からのサントラで、映画はサイテー(『死亡遊戯』の未使用フィルムが使われていると宣伝で謳われていたが、実は『燃えよドラゴン』のNGカットだった。しかもブルース・リーは途中で死んでしまう展開で、後はニセ・ブルース・リーのタン・ロンが活躍するという怪作!)でしたが、音楽だけはかなりイイです。だからといって、映画をもう一度見直したいとは思いませんが。 |
Disc6 ダンス・ウィズ・ドラゴン DANCE WITH DRAGON |
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1.The Dragon's Legend(Medley1)
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BOXの最後を飾るのがこれです。といっても、ブルース・リーの主演作ではありません。実は、全てのブルース・リー映画から、イイ曲だけをセレクトした、いわばカバー・バージョンなのですが、その選曲が凄い、ちょっとイッてしまう程のシビレるアルバムになっています。 例えば1曲目・2曲目に収録されている「メドレー1&2」は、各種ブルース・リー・サウンドを実に上手く1曲(どちらも約8分ぐらい)にアレンジ&編集した、見事なメドレーになっていて、次から次へ繰り出される名曲(知っている曲)の数々が、それはもう怒濤の如く登場、本当にイッてしまいます。 他にも、北京語版『死亡遊戯』のテーマ曲だとか、各テーマ曲をダンス音楽風にアレンジした後半6曲も楽しいですが、中でも一番の聴きものは、4曲目に収録されてある『ブルース・リーの神話』のエンディング曲。数あるブルース・リーのドキュメンタリー映画の中でも、一番の傑作である同作(何たって『死亡遊戯』の未使用シーンが数多く観られるのがイイ!)ですが、そのオープニングとエンディングに流れる、もの悲しいテーマ曲が、実に何とも哀愁を誘って素晴らしい雰囲気を出していました。それが聴けるこのアルバムは、オマケとはいえ、やっぱり最高だと思います。 それと、ジャケットにも、オリジナリティが感じられてムード満点で、他のバッタもんニセ・サントラなんかとは比べのにならないぐらいのクォリティに仕上がっていると思います。 |
以上が、CD−BOXの紹介&感想ですが、とにかく最高です。各映画について、今後、もうこれ以上のサントラ(『燃えよドラゴン』は除く)が発売される事はまずないでしょう。ファンなら、買って損はしない内容だと思います。単品でも買えます(但し、限定版らしいので、いつまでもあるという訳ではないようですが)ので、まずは1枚、買ってみては如何でしょうか。 |
さてここからは、CD−BOX以外で、現在入手できるブルース・リーのCDをご紹介します。 まずは、先程のCD−BOXと同じメーカーから発売されているミニ・アルバム(一応、日本製みたい)です。 |
マイク・レメディオス 死亡遊戯 |
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1.ブルース・リー死亡遊戯 (唄■マイク・レメディオス)
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収録曲は左記の6曲で、これは広東語版と北京語版の各『死亡遊戯』のテーマ曲を、お馴染みあのマイク・レメディオスさんが、英語で熱唱しているもので、何とブルース・リー映画の歌を唄うのは実に『ドラゴンへの道』以来、25年ぶりだという事。イヤー、謎の多い歌手(一説によると日本人かも? とも言われていたっけ)でしたが、実際に実在したんですネー。 1曲目と2曲目が、その歌なのですが、どちらもメチャクチャかっこ良くて、我々日本人に聞き慣れていた国際版のジョン・バリーのテーマとは違って、これはこれで、胸躍らされる快適なメロディになっています。 それにレメディオスさんの歌が入るんですから、ホント、臨場感イッパイです。こうなったら、ミニ・シングルと言わず、今までのレメディオスさんのブルース・リー関連の歌を集大成した本格的なCDアルバムも、是非リリースして欲しいものです。 因みに、4曲目に収録されている「ブルース・リーの神話」はCD−BOXの「ダンス・ウイズ・ドラゴン」にも収録されていたものと同じバージョンですが、曲が始まる前に、声優の石丸博也氏による、ジー・クン・ドーの奥義が収められていて、雰囲気はサイコーです。それのオリジナル・バージョン(つまり、ブルース・リー自身によるもの)は、1曲目の間奏部分に入っていて、これも抜群ですネ。 |
燃えよドラゴン ENTER THE DRAGON |
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1.燃えよドラゴン
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もう皆さんお馴染みですネ。ブルース・リー初の日本公開作品のサントラです。冒頭に述べた通り、日本盤としてリリースされているブルース・リー映画、唯一の作品です。 アナログ・レコードの時代からずっとベストセラーを独走している、いわゆる名盤で、CDになっても、しっかりとリリースされているという事は、いかにこの音楽が、ポピュラーなものになっているか、という証拠でもあり、何たってブルース・リーの音楽といえば、“ジャーン、ジャジャーン”の後に“ワォー!”という怪鳥音が入る、この映画のテーマ曲が誰にも思い浮かぶくらいで、このサントラに限っては、もう説明の必要はないでしょう。 |
燃えよドラゴン ENTER THE DRAGON |
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1.Prologue-The First
Fight
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またまた『燃えよドラゴン』です。でも、先程のとは、ちょっと違うんです。これは、一般に出回っている普通のサントラではなくて、2年前にリリースされた“25周年記念、ディレクターズカット『燃えよドラゴン』コレクターズボックス”LDに特典として封入されていたサントラなんです。 何とこのサントラ、いわゆる“完全サントラ盤”で、映画に使われた曲を、レコード用に編曲せず、そのままのバージョン、そして使われた通りの順序で収録した、まさに究極のコレクターズ・アイテムなのです。しかもこのアルバム、あくまでもLD−BOXの特典のみにリリースされているもので、それ以外のルートでは絶対に手に入らないアイテムなのです。中でも聞き物は一番最後に収録されている“メイン・タイトル”のオルタネート・バージョンで、これは、基本的には、映画と同じバージョンですが、収録時間が長いロング・バージョンでの収録で、演奏後にラロ・シフリンと思われる男の人の、「シット!」(多分、気に入らなかったんでしょうネー)というセリフまで入ってしまっている、まさにレア・アイテム。 今までのサントラでは聴けなかった曲も5曲もあり、これはとにかく、『燃えよドラゴン』をとことん楽しみたい人にとっては、絶対に聴き逃せないアルバムだと思います。 |
フォーエバー!ブルース・リー FOREVER BRUCE LEE |
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1.フォーエバー!ブルース・リー (唄■風間健)
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さて次は、世紀末の2000年になって、突如登場したCDアルバムです。どんなものかというと、実はレーベルにTamの名前が見られる通り、今でもTamレコードに所有権があるブルース・リー関連の曲を一同に集めた、いわゆるコンピレーション・アルバムで、映画やテレビのマニアックなサントラ・リリースでお馴染みのバップの“ミュージックファイルシリーズ”の一環としてリリースされました。 全部でズラーっと24曲もの音楽が収録されているのですが、何と、サントラは1曲もないという有様で、まぁ実に何とも、ニセ・サントラ(演奏はこれまたお馴染み、スタンリー・マックスフィールド・オーケストラです)だけでCDをリリースしてしまうなんて、Tamさん、いや、バップさんの商魂には恐れ入りました。 しかも、1曲目からいきなり登場するのが、例の風間健氏(自称・ブルース・リーのダチ公)による「フォーエバー!ブルース・リー」という強烈さ。その「フォーエバー!ブルース・リー」という曲なんですが、ドラゴン・ブームにちょっと翳りが見え始めた頃に、ナンとかブームを持続させようと東宝レコードが、怪しい男・風間健を担ぎ出して来て、無理矢理唄わせたという代物。Tamレーベルから出ているという事は、今でも権利を持っているんだ、東宝レコードさん。 因みに、その当時リリースされた「フォーエバー!ブルース・リー」のシングル盤レコードが下のヤツ。ブルース・リー・ブームの頃に勢い余ってリリースされた、便乗レコードの1枚でしたが、とにかく、“ブルース・リー”と名が付けば何でも買っていたあの頃には、これを買ってみんな騙された人が多かったみたいです。歌の上手い下手じゃなく、その商売魂の凄さに圧倒されてしまったもので、子供心に、「商売上手いナ」と思ったのも確かでした。一応ジャケットにはブルース・リーの顔のアップが載っているし、歌のバックには怪鳥音も入っているし、という事で、みんな我慢していたんじゃないかと思いますが、今、新たにCDでそれを聴いていると、ナンか、無性に腹が立ってきますネ。あの頃の悔しさが、今になってやっと理解できるようになったという感じで、僕たちも大人になった証拠なんでしょう。
それはさておきこのアルバム、先程言ったように、サントラは一切ないのですが、バッタもん演奏盤としては、何やら怪しい匂いがプンプン漂っていて、昔行った懐かしい駄菓子屋の香りがします。ブルース・リー映画のカバー・バージョンに交じって、チャン・ウォ・クォという謎の人物による歌が2曲も入っているのにも驚いてしまいますが、これは何でも、『死亡遊戯』の製作が決まった時に慌ててリリースされたシングル盤の曲であるらしく、当時はそれが『死亡遊戯』の主題歌だと宣伝されていました。さすが、Tamレコード! 他にも『グリーン・ホーネット』(サントラじゃないのに、ブルース・リーの怪鳥音だけはちゃんと入っている)や映画とは全く関係ないカール・ダグラスのダンス・ヒット曲『吼えろ!ドラゴン』までも押さえられているのは見事です。まぁ、以前のLPには収録されていた曲ばかりなんですけどネー。 因みに、15曲目の「ビッグ・ガイ」は、実際に劇中にも流れるので、実質的には唯一のサントラという事になりますが、アレは配給会社(東和と争奪戦の末に、配給権を獲得した東映洋画)が後から勝手に付け加えたもの(勿論Tamレコードが絡んでいましたが)で、今ビデオやDVDになっている広東語版や英語版には、当然流れないものです。 ブルース・リーのCDでありながら、ブルース・リーの写真や映画のスチルが、ジャケットその他に全く掲載されていないのがこれまた怪しいですが、そりゃあやっぱり、サウンド自体がバッタもんだから、一応は遠慮したという事なんでしょうネ、きっと。 |
という事で、以上が、現在入手出来るブルース・リー関連のCDですが、来年の幻の新作『G.O.D.』公開時期には、また新たにリリースされるものが出てくるかも知れませんが、とにかく新しい年・新しい世紀を迎えるに当たり、またまたブルース・リー・ブームが再熱しそうな気配は十分にありまして、それに乗り遅れない為にも、これらのCDを聴いて、自分のムードを高めておくようにしたいものですネ。 |