燃えろ!JJソニー

千葉真一10連発!!

 

 

今回は、フェイバリット・スター第2弾、「千葉真一特集」でチャレンジしたいと思います。中心になるのは、70年代の、ハツラツとしていた頃の作品です。タランティーノが惚れるぐらい、千葉ちゃんの魅力溢れる作品群。今日も昼まで、頑張ります

 

 

★某月某日午後6時00分

さぁ、今日も頑張ろう。夕飯を食った後に観た、まず1本目は、千葉ちゃんといえばこの1本『激突!殺人拳』(74)です。

 

 

 

1974年、ちょうど日本がブルース・リー・ブームに明け暮れている真っ最中、日本にだって、ブルース・リーに匹敵するアクション・スターはいるんだゾ! とばかりに登場したのがこの映画。アメリカじゃ、“Street Fighter”と題されて、大ヒット。タランティーノも絶賛し、自身の脚本作『トゥルー・ロマンス』の冒頭で、主人公のクリスチャン・スレイターが、場末の映画館で、この映画を含む“ソニー・チバ3本立て”を観ているシーンがありました。

それにしてもこの映画、一連のブルース・リー映画を観て、あのような種類の作品だと思って観ていると、かなりの違いに驚いてしまいます。なにせこの映画の主人公・千葉ちゃんは、極悪非道な悪役だからです。冒頭でいきなり、刑務所から囚人を脱出させたから、イイ人かと思いきや、その報酬を払えなかったからといって、囚人の弟と妹(千葉ちゃんの実弟・千葉治郎と志穂美悦子)の二人をブッ飛ばすんですから。挙げ句、弟は蹴られて窓から落ちて即死、妹は、ボカボカにヤラレた後、香港に身売りされてしまうという始末で、イヤー、千葉ちゃんって悪い奴なんだと、その瞬間に気が付くという展開です。

全編に渡って、千葉ちゃんの濃いアクション・シーンが展開される訳ですが、その度にいちいち「ハァー!」と気合いを込めてポーズをとる千葉ちゃんの姿は、テレビでよく関根勤がモノマネしていてお馴染みですが、それを思い出すと笑ってしまいます。

ラストでまだドラマは続いているのに、唐突に終わってしまう幕切れは、やっぱり続編の為にとっておく為なんでしょう。

 

 

★午後7時40分

 という事で、続いてはその続編『殺人拳・2』(74)の登場です。

                   

 今回も当然ながら、千葉ちゃんの役は悪役です。しかし、クンフー・アクション映画で悪役が主人公っ

てのも、なかなか珍しいと思いますが、もしかすると、タランティーノが好きになったのも、その辺りかも

知れません。基本的にタランティーノ映画の主人公たちも、どちらかというと、社会からドロップアウトし

た悪役たちですもんネ。

 前作のラストで千葉ちゃんに喉を潰された石橋雅史が、再び登場。この人、東映の、特にこういったカ

ラテ・アクション映画には良く顔を見せる人(勿論、悪役で)なんだけど、結構カラテも上手いのには驚い

た。何でも、本当に空手の有段者らしいけど、あの眼光の鋭さといい、道で出会ったら真っ先に、避けて

通りたい人物ナンバー1的な人だ。

 途中、何故かサウナ風呂に登場する山城新伍チャンが、思いっきり笑えました。“不良番長シリーズ”

でお馴染みの「ハヒー〜!」が、ここでも聞けて、もう爆笑もん。ナンか、その横で千葉チャンもクスクス

笑っていたような気がしたのは、気のせいでしょうか。

 

★午後9時15分

 勢いつけて次に行きましょう。次は当然、シリーズ第3弾『逆襲!殺人拳』(75)です。

                 

 実はこの作品だけ、日本ではまだ、ビデオ未発売です。シリーズ3本中、1本だけが未発売というのは、

ドーしても納得がいきませんが、出ていないものはしょうがない。という事で、わざわざアメリカ盤LDを手

に入れてしまいました。実は、1本目の『激突!殺人拳』も、今回は輸入LDで鑑賞したのですが、それ

には副音声に、オリジナルの日本語音声が収録されていて、当然ながら、日本語の方で観たのですが、

この3作目は、英語音声のみ。よって、セリフが理解できない(大体分かりますけどネ)というハンディを

背負っての、3作目の鑑賞であった事は言っておきます。

今回は前2作に比べて、一匹狼のフリーランサー的な役柄になっていて、そういう意味ではシリーズ中で

一番、ヒーローとしてカッコいい千葉ちゃんが拝める作品になっています。それに、全体的にも、明るい

タッチになっているのは、やはり、シリーズにテコ入れをした為でしょうか。

元日活の爽やか俳優だった、和田浩二が、宿敵のカラテ使いを演じていて、これが何とも強い設定にな

っているのにはビックリ。なにせ、中盤で千葉チャンがヤラレてしまうんですもの。でも、ラストでキッチ

リ、必殺技を用いて、逆襲してくれていました。

※途中退場したい人はコチラから

 

★午後10時45分

 続いて観た4本目は、これもシリーズものの1作目、『直撃!地獄拳』(74)です。

                    

既にこれを観た事ある人は知っていると思いますが、これって、さっきの“殺人拳シリーズ”と同じ、カラ

テ・アクションものだと思っていたら大間違い。何とコメディだったのです。それもかなり、ハチャメチャ

な。

ストーリーは、ある秘宝を取り戻すために、日本政府から雇われた3人の男たちの活躍を描くという、ご

くごく普通なモノですが、集められた3人が、それぞれみんな大ボケを連発して、冷めた笑いを誘うとい

う、何とも不思議な映画になっていまして、千葉ちゃんは、忍者を先祖に持つ、カラテの使い手という、か

なり変わったもの。泥棒名人の郷^治、刑事の佐藤允を加えた3人が、お互い足の引っ張り合いで、

ストーリーは一向に進まないという、完全なるお笑い優先映画で、みんなが連発するギャグが、これでも

かこれでもかと、観ている人を寒くさせるという効果は、これは多分、最初から狙ったモノなのでしょう。

さすがは石井輝男監督。まいりました。

因みに、オープニングの千葉ちゃんの少年時代を、当時まだ中学生だった頃の真田広之クンが演じて

いて、なかなかチャーミングでしたヨ。

 

★午前0時25分

 と、なりますと、次に観るのは当然、シリーズ2作目の『直撃地獄拳/大逆転』(75)ですネ。

                    

 これがまた、前作に輪をかけたような悪乗りぶりでして、昔の日本映画はよかったナーと、思わず感慨

 に耽ってしまう事しきり。前作以上の低レベル、ウーン、小学生低学年レベルといった方がより、正確

 な、つまりはウ○コ・チン○のギャグのレベルで、ストーリーそっちのけで展開されているそのギャグの

 応酬は、今観ると逆に贅沢ささえ感じてしまいました。石井監督、今回も余裕で撮っているナーって感

 じで、それに応えるかの如く、千葉ちゃんを始めとする3人(メンバーは前作と同じ)のお互いが、ただ

 目立てば良いというギャグが炸裂。もうその時点では、タイトルにある“直撃地獄拳”も“大逆転”も、ど

 っかへ飛んで行ってしまってました。

 でも、面白い事には変わりありません。終わり頃には、何故か“女必殺拳シリーズ”でお馴染みの、志

 穂美の悦ちゃん扮する紅竜も登場し、ラストには、アっと驚く超大物ゲスト・スターが顔を出し、観てい

 る者を、遙か遠く、網走の果てまで誘ってくれているのですから、こんな素晴らしい映画はありません

 ネー。

 

★午前2時00分

 ここでちょうど半分の5本を消化。お腹も減ってきたし、という事で、ここらでちょっと休憩&夜食タイム

となりました。

 大体、夜、といえばラーメンが基本ですが、今回は千葉ちゃん特集。そう、それにあやかって、という

か、それに因みまして、カレーライスを頂きました。何故かというと、以前、千葉ちゃんは、カレーのCM

に出演していた事があるから。ただ、それだけの事です。確か、あのCMには、当時の奥様だった、野

際陽子さんも、一緒に出演なさっていましたっけ。懐かしい思い出です。

 3分待っている間、BGMとして、千葉ちゃんが昔出ていたテレビ・シリーズ『キイハンター』のテーマ曲

を流していたのですが、ボリュームを上げすぎていたせいか、同居の家人から、「うるさい! 夜中に何

やってんの!」と、怒号を発せられ、「ゴメン、おっかぁ、お休み!」と言って、思わずボリューム下げたん

ですけど、小さな音で聞く『キイハンター』のテーマは、全然ノレなかったです。

 

 

★午前2時30分

 カレーライス(勿論、インスタントです)も食べて、コーヒーを飲んで、そして煙草を一服した後、後半戦

に突入しました。

 後半戦の1本目、通算6本目は、やはりまたまた千葉ちゃんのカラテ・アクション映画『けんか空手/

極真拳』(75)です。

                   

 これはあの、極真空手の創始者でもある、マス大山こと、大山倍達の伝記映画。っていうと聞こえはイ

イけど、東映得意の実録出世物語カラテ篇って感じで、千葉ちゃんが主演だけに、いつものカラテ・アク

ション映画に仕上がっていました。勿論、主人公の大山倍達に扮するのが千葉ちゃんで、後の奥さんと

なる夫人との出会いが最高。何とレイプなのである。自分がレイプした女を女房にするなんて、さすがは

世界の大山、と思ってしまうのだが、これって、やっぱり実話なんでしょうネー。これをOKした大山さんっ

て、かなり心の広い人とみた。

 ポスターの絵柄にもなっている、暴れ牛との対決シーンもあるのですが、これも今や伝説となっている

実話であるらしい。千葉ちゃんがやってるだけに、かなりデフォルメされているようですが、一生懸命演

じている千葉ちゃんは、『直撃!地獄拳』の千葉ちゃんが信じられないぐらい、大まじめなのには、ちょっ

と笑ってしまいます。

※途中退場したい人はコチラから

 

★午前4時10分

 続いての7本目は、やはり同時期に作られたカラテ・アクション『少林寺拳法』(75)。

                     

 前作が極真拳カラテで、今回は少林寺拳法と、忙しい千葉ちゃんであります。戦時中、日本の侵略に

脅かされた一人の中国人が、家族や友達を殺された復讐とばかりに、少林寺拳法をマスターし、戦後に

なって、悪い日本人をバッタバッタと倒していくという、まるで千葉ちゃん版『ドラゴン怒りの鉄拳』。

 強い千葉ちゃんに憧れて弟子入りする女の子に、志穂美の悦っちゃんが扮していて、ここでも大暴

れ、といきたいところですが、話の設定上、あくまでもまだまだ弱い役っていう所が、志穂美ファンにはち

ょっと残念ですが、その分、千葉ちゃんが、今まで以上に、凄いファイト・シーンを展開してくれています。

 途中、少林寺に対抗する、悪い日本人空手家たちが、実は裏で犯罪組織と繋がっていたという件は、

やっぱり東映テイストって感じで、この東映って、カラテ映画あろうが、『スケバン刑事』のような学園もの

であろうが、基本はみんなヤクザ映画になってしまっているっていうのが、何とも笑ってしまいます。何作

っても、ヤクザ・テイストが抜けない映画会社って、ちょっと珍しいのではないかと、思ってしまいました。

 

★午前5時50分

 ちょっと眠くなってきました。今回は全部日本映画で、だから字幕スーパーを読まなくてイイっていうの

が、疲れなくて済むナーと思っていたのですが、やっぱりここまで来るとちょっと疲れてきたようです。で

も、ここで負けてはいられない。千葉ちゃんが必死に頑張ってくれているのだから、僕だって負けない

ゾ! とばかり、眠気覚ましにシャワーを浴びて、そしてちょっとばかり早い朝食をとって、次なる作品に

備えました。

 

★午前6時30分

 で、次に観たのが、『激殺!邪道拳』(76)で、またもカラテ・アクション。もう一体、この手の映画、何

本出てる事やら。脱帽してしまいます。

                     

 今回は、わざわざ東南アジアにまでロケしたという大作で、出演陣にとにかくビックリ。主演の千葉ちゃ

んを始め、志穂美の悦っちゃん、香港製クンフー映画の悪役と言えばこの人、『燃えよドラゴン』にも出

ていたヤン・スエ、それに千葉ちゃんと同じく、東映の別シリーズ“ザ・カラテ3部作”に主演して一世を風

靡しなかった(笑)山下タダシも出演しているという豪華キャスト。監督が、“不良番長シリーズ”の野田幸

男ってのも、凄いです。

 ここでも千葉ちゃんは、脅威のカラテ・テクニックを披露してくれていますが、話がとにかく陰惨で、途

中で悦っちゃんは殺されてしまうわ、千葉ちゃんも、ズタボロにやられてしまうワと、それまでのこの手の

映画からは信じられないような場面が展開して、一瞬戸惑ってしまいました。

 ナンとか挽回しようとする千葉ちゃんは、あのブルース・リーも使っていたという怪しげな電気ショック・

マシーンを使ってトレーニングし、不死身の体に鍛え上げて、いざクライマックスへ。まさに、“激殺”とい

う言葉がピッタリなラスト・シーンで、眠かった僕をしっかりと叩き起こしてくれました。

 

★午前8時10分

 また、ちょっと眠くなってきた。これじゃあー、いかん! という訳で、再び朝食タイム。っていっても、単

にコーヒーとトーストだけなんですが。キッチリとトイレも澄まし、次なる作品へGO!

 

★午前8時30分

 次の9本目は、今までとガラリと雰囲気を変えて、千葉ちゃんが出た実録ヤクザ映画にズームイン!

初めて凶悪ヤクザ役に挑んだ、ご存知名作シリーズの第2作『仁義なき戦い/広島死闘篇』(73)で

す。

                    

 もう説明は不用でしょう。東映の実録ヤクザ路線の口火を切った大ヒット作『仁義なき戦い』の後を受

けて作れた2作目。今回は、シリーズを通しての主人公・菅原文太は脇に回って、若い北大路欣也中心

のストーリーで、その敵役として登場するのが、我らが千葉ちゃんです。

 なにせこの映画は、まだ、一連のカラテ・アクション映画の前に作られた作品なもんで、当時の千葉ち

ゃんに対する我々のイメージとしては、テレビの『キイハンター』のかっこイイお兄さん、てなもんでした。

それが、この映画に出てきた千葉ちゃんを観た時のショックと来たら、そりゃあもう、まるで、いい人とば

かり思っていた近所の優しいお兄ちゃんの、チンピラ・ヤクザ、それも凶悪なヤクザとして生きるウラの

顔を見た時のような、そんな衝撃でして、この映画を観て初め、どこに千葉ちゃんが出ているのか、それ

が千葉ちゃんであると確認できるまでに、相当な時間と勇気が要ったものでした。

 特に、自分の父親に啖呵を切るシーンの、その吼える事、そのカッコいい事。放送禁止用語を連発す

るあまりに過激なセリフの連続で、実際にテレビ放映された時は、そのシーン、ズタズタに切られてまし

たが、それも当然でしょう。でも、あのシーン、僕は好きで、よくセリフを完全にマスターして、何かの時に

言ってやろうと、思っていたのですが、アレから、ウン十年、まだ、その機会は訪れていません。

 ウーン、そのシーンを観ただけで、もう完全に目が覚めちゃいました。そういえば劇中、僅かだけど、

菅原文太兄イと絡むシーンがあるんだけど、そこでもあの文太が、タジタジだったもんナー。負けます

よ、あの迫力には。

 

★午前10時20分

 そしていよいよオーラスです。最後にもう1本、千葉ちゃんの出た実録ヤクザ映画から、今度も凄い迫

力で迫る『沖縄やくざ戦争』(76)です。

                 

 主演は一応、この手の映画の常連、松方弘樹で、千葉ちゃんは、その松方と兄弟分である、沖縄ヤク

ザを貫禄で演じています。しかし、その松方弘樹も霞んでしまうぐらい、千葉ちゃんの凄いシーンが、こ

の映画には含まれています。

 それは、千葉ちゃんの殺されるシーンです。色々あって、敵からも、そしてかつての味方からも命を狙

われる事になってしまった千葉ちゃんが、あるキャバレーで琉球音頭を踊っている時に、数十人の男た

ちから、鉛の弾を、これでもか、これでもかと受け、いわば一斉射撃の的になってしまうという、凄絶シー

ン。最後に何と、撃たれた反動で、金の鯱のように逆立ちしながら死んでいくというあの仰天シーンは、

何度観ても強烈。あそこまでアクション・バカに徹する事が出来るという千葉ちゃんには、頭が上がりま

せん。さすがです。千葉ちゃんの、あの名演があってこそ、この映画は傑作になった訳で、その後の松

方弘樹のシツコーイ戦いぶりに、拍車が掛かるというもの。最後の最後に、スカっとして終わらせてくれ

ました。

 

★午前11時55分

 今日も、全てのプログラムが終了しました。途中、何度かバテかかりましたが、何とか最後まで頑張り

通せたのは、やっぱり、千葉ちゃんが毎回、画面の向こうから励ましてくれたせいだと思います。

 時計を見ればもう昼前。普通なら、ここらで昼食と行きたいところですが、今日はもう、食い気より、眠

気です。今の所、そんなに眠くない(峠を越したからか?)のですが、横になってたら、急に睡魔が襲って

きましたので、取り敢えず眠りに就きたいと思います。お休みなさい。

 

                                

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