★12月16日(土)

 今日から年末駆け込み企画として、買ってまだ観ていないビデオやDVDの特集を行う事に。やっぱり、未鑑賞・未開封のまま年を越すのも宜しくないですからね。といっても、とても全部って訳にはいかないので、まぁ、適当に。

 という事で第1弾は『スプラッシュ』。何かを買った時のキャンペーンでタダ貰ったDVD。まだ未開封のままだったヤツ。実は、未鑑賞に終わってるDVDっていうのは、大半が名作(ワタシにとっての)という事になる。その年のベスト1級作品が多く、じゃあ、なぜ未鑑賞に終わっているかというと、これが説明しにくいんですが、ようするに、この手の“名作”は、ちゃんと落ち着いた中で観たいと思うのと、あと、名作過ぎて、そうおいそれと簡単に観ようと思わないのが正直なところ。つまり、出し惜しみならぬ、“観惜しみ”みたいなもんなんですな。だから、その後に買ったホラー映画だとかパニック映画だとかアクション映画だとか、手軽に観られる作品を先に観てしまうという事なんですな。だから結局、名作群ばかりが未鑑賞のまま残ってしまっている…という訳なのです。

 で、この『スプラッシュ』は、ワタシの1985年度のベスト1作品。劇場公開されたのは前年の84年なんですが、その時は見逃していて(その前後にビデオにハマって劇場鑑賞の回数が一番減少していた時期)、翌年になってLDで初めて観て、思いっきり気に入ったという次第。で、その後も1回か2回LDで観たきりで、今回はそれ以来の鑑賞というから、ほぼ10年以上ぶりぐらい。とにかく懐かしい一編でした。

 トム・ハンクスも、若かったですな。この手のライト・コメディにはぴったりのキャラで、脇のジョン・キャンディやユージン・レヴィもイイ味出してましたな。で、それ以上に魅力的なのがダリル・ハンナ。デビュー後は『フューリー』やら『ブレードランナー』等、悲惨な役が多かったですが、これで一躍脚光を浴びましたな。これとか、『愛しのロクサーヌ』とかのラヴ・コメディの頃が一番輝いていたというか、カワいかったですな。それが今や片目の殺人女ですからね。タランティーノもヒドいヤツですな。

 エンド・クレジットに流れるリタ・クーリッジの主題歌も素晴らしく、ロン・ハワード監督の中でも1,2を争う名作ですな(対抗馬は『ラブINニューヨーク』)。そのロンも、今やオスカー監督で『ダ・ヴィンチ・コード』ですからね。時代は流れるというか、凄いですな…。

 

 その後続いてDVDで『ミリィ/少年は空を飛んだ』。これもワタシにとっての名作の1本。あまり知られていない映画ですが、ワタシは大好きです。この映画を語るには、本が1冊書けそうなぐらい、語る事がいっぱいありまして、とてもここではそれを全て書く訳にもいかないんですが、とにかく、これ程プリミティヴな映画はないという事だけは断言しておきますデス。原題は“空を飛んだ少年”なのに、邦題がその少年の名前(エリック)ではなく、その少年と微妙な関係になる隣に引っ越してきた女の子の名前になっている所に、この映画の隠れたる主題がある事が分かりますな。このタイトルを付けたヘラルドの宣伝マンは、エラいと思いました。

 それと、これも言っておきたい事ですが、これ程多重構造の映画はないという事。色んな面から語れる映画になっていて、これこそ、家族で観るべき映画=ファミリー・ピクチャーだと思う所以です。ニック・キャッスルって、『ハロウィン』でブギーマンをやったりしてた人ですが、この映画を観るにつけ、監督としての才能はズバ抜けてますなぁ。その後映画を撮っていないのが残念ですな。

 しかし、これも久し振りに観ましたが、もう最高であります。先ほどの『スプラッシュ』にも泣きましたが、この映画にも泣いた! やっぱり名作ですな。それと、ナンといっても、ヒロインのミリィ(エミリアの愛称なんですな)を演じたルーシー・ディーキンズの奇跡的な美しさ! とても14歳とは思えない程の魅力を醸し出していて、このキャスティングは絶品ですな。この後、1本だけ映画に出て、その後は芸能界を退いたらしいですが、勿体無いというか、存念というか…。もっとも、この手の少女役女優さんってのは、大成しない場合が多いので、潔い決断だったのかも知れませんが…。次作(確か『リトル・ニキータ』)を観た人によると、本作から2〜3年しか経っていないのに、既に美貌が崩れていたとか…。それを思うと、それで良かったのかも…。

 ささやかな特典として、監督とエリック役の男優のイントロダクション映像が収録されているんですが、20年近く経った今観ると、エリック役の少年もハゲかかったイイおっさんになっていました。まぁ、時代の流れには逆らえませんな。

 

 

★12月17日(日)

 DVDで『ウエスト・サイド物語』。これも未鑑賞だったヤツ。しかも、世間一般が認める名作ですな。一度、日本語吹替えで観てみようと、オープニングから数分ぐらい再生した事があったけど、吹替え(テレビ放映版が収録されている)云々というより、せっかくの5.1chサラウンドがモノラルになってしまうのが我慢できず、途中でヤメちゃった事があったので、今回は最初から5.1chの英語音声で鑑賞。元々70o映画(エンド・クレジットに“スーパー・パナヴィジョン70”と表示される)であるだけに、音声もやはり、立体音響(懐かしい響きですな)で観るのが一番ですな。

 劇場でも観た事があり、その後もLDでも観ましたが、やはり何度観ても面白いですな。今観ると、ストーリーはかなり陳腐で、いかにも60年代風なのが目立ちますが、登場する歌と踊りが最高なので、ついつい観てしまいますな。ただ、同じロバート・ワイズ監督のミュージカル映画である『サウンド・オブ・ミュージック』と比較して、コチラの方が観る回数が少ないのは、やはり、基本的なストーリーが悲劇であるからでしょうか。歌い踊っているシーンは、どれも楽しいんですけどね。

 それにしても、ラス・タンブリンもナタリー・ウッドも若いですなぁ。あと、ジョージ・チャキリスが、彼らより格が下だったというのは意外ですな。チャキリスを見ていると、何故か羽賀研二を思い出してしまうんですが…。

 

 

★12月21日(木)

 輸入…というか、怪しいDVD(正確にはDVD-R)で『フランケンシュタインの怪獣/サンダ対ガイラ』。何ヶ月か前に観た『フランケンシュタイン対バラゴン』と同時に買ったもので、ハッキリ言って殺意を覚える程粗悪な品。今回も、単なるコピーもの(素材は日本版ビデオかLD)で、画質は最悪。色は潰れてほとんどモノクロになっちゃってるし、ディテールもボケボケ。観ていて情けなかったです。

 『フラバラ』で懲りてるんだから、だったら観なきゃイイのに…と思ってしまうんですが、せっかく買ったし、今月は“未鑑賞作品月間”だしという事で、泣く泣く観たんですが、やっぱり酷かったです…。映画は面白いんですけどね。

 本編終了後のエンディングに申し訳程度に特典映像が収録されてあって、予告編が数種類(日米両バージョン+『フラバラ』)と、日本公開版(シネスコ)とアメリカ公開版(スタンダード)との比較シーンが数種、そして最後に、ガイラに襲われる歌手が唄う主題歌も収録。主題歌はともかく、あの比較映像は、LDの特典? それとも、DVDからの転用? どっちにしろ、何の説明もないままいきなり始まるんで困ったもの。画質が悪いんで、比較されてもあまり興味が湧きませんでした…。近くのレンタル店に『フラバラ』と本作のDVDが置いてあれば、何もこんな詐欺みたいなのを買う必要も無かったのにと思うと悲しくて涙が出てきますな。ゴジラ・シリーズは全部置いてあるのに、何故他の怪獣ものは置いてないのか。

 因みに、15ドル。2枚で30ドルですな。買って損したと思える最初のDVDでした。だからといって、東宝盤を買おうとは思わない所が歯痒いですな。せめて2千円台だったら、食指が動くんですがねぇ…。

 

 

★12月22日(金)

 DVDで『サウンド・オブ・ミュージック』。ちょっと前に買った“ファミリー・バージョン”っていうヤツ。実際は、公開40周年を記念してリリースされたものを、日本では新たな日本語吹替え音声を収録して出したもので、特典等は、40周年版として新たに収録されてあるので、前回の2枚組BOX版とは特典が違っている。なので、前バージョンを盛っているものからしたら、結局両方キープしておかないといけなくなる訳。また置き場所に難儀しますな。

 取り敢えず今回は売りモノの“ファミリー・バージョン”で鑑賞。好きな映画で、劇場で鑑賞以来テレビ・LD・DVD…と何度も観ている作品なので、敢えて悪口は言いたくないんですが、しかしこの新しい吹替えには文句ありますなぁ。マリアが島田歌穂でトラップ大佐が布施明、それに長女のリーズルが華原朋美という布陣。ハッキリ言って、どれもみんな下手くそこの上ない。それ以外の周りの人たちが上手いもんだから、余計目立ってしまうんですよねぇ。

 厳密に言うと、ヘタクソではなく、イメージに合っていないというのが一番でしょうか。マリアは声が軽過ぎだし若過ぎ。最初のバージョンの武藤礼子のしっとりとした落ち着きが欲しいところ。実際のジュリー・アンドリュースも大人っぽい声だし。それとトラップ大佐の布施明は、どうも厳格さが足りませんな。声が優し過ぎるんですな。まぁ、布施明にそれを求めるのも酷なんでしょうが、だったら何故キャスティングしたのか問いたいもんですな。最初のバージョンの金内吉男の引き締まった声の方がピッタリですな。それとリーズルの華原朋美。悪くはないんですが、やはり線が細すぎる感じ。実年齢からしたら、朋ちゃんの方が上だと思うんですが、声がカワイ過ぎるのが難。もうちょっと野太い声でも良かったかと。

 結局、3人が3人ともミスキャストだった訳ですが、どうしてこんなキャスティングになったのかは不明。フロダクションからの売り込みとか色々あったんでしょうけど、しかしおかしいのは、歌のシーンになると、みんな俄然上手くなるのは大したもの。そう、今回の“ファミリー・バージョン”は、歌曲も全て日本語で唄われるというのがウリで、3人がそれぞれ地声で唄っているんですが、それがみんな上手いと来ている。つまり、この歌の上手さからキャスティングされたって訳なんですなナルホド。

 でもそれなら、セリフの部分は他の声優さんにやらせて、歌の部分だけ彼らにやってもらうという変則法ではダメだったのかしらん。セリフ部分が多いだけに、どうしても違和感が付きまとってしまうんですよね。島田歌穂がこれ程上手いとは思いませんでした。それだけにセリフ部分が惜しいですな。

 因みに、特典の中で「40年目の同窓会」という、7人の子供たちが40年ぶりに集う映像をちょっとだけ見てみましたが、みんなの変わり様に驚きました。ま、当たり前ですけどね。長女役の人が一番老けていたのはショックでしたが、ま、これも当然でしょうけど、もっとビックリしたのは、五女役の女優さん(今も現役だとか)。映画の中では一番オチビさんで、凄くカワイかったんですが、今は、ピチピチのギャル(といっても、単純計算で40歳は超えている訳ですが…)になっていたのが凄い。5人の女性陣の中ではダントツで美しかったです。

 あと、もうひとつ驚いたのは、女性陣全員が仕事を持っていた事。みんな結婚して子供もいる(長女役の人なんて孫もいるとか)のに、家庭に収まる主婦になっていない辺りがアメリカ的というか、凄いですな。やっぱり、今を生きてる女性って感じがしますな。見習いたいものですな。

 

 

★12月23日(土)

 今日届いたDVDで『ランド・オブ・ザ・デッド』。ソニーから出た“ロメロ死霊パック”に収録されているヤツ。もう1本はリメイク版の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀』で、だから実際は“ロメロ監督作2本立”ではないんですが、まぁ一応、製作に関与しているという事で…。取り敢えず今回は『ランド〜』を鑑賞。

 観るのは昨年、劇場で観て以来。こうして廉価版になるまで待っていたというのが正直なところ。仕様等は同じなので、値段は安い方がイイですからね。やっぱりロメロのゾンビ映画っていう雰囲気が全体に漂っている所がイイですな。劇場で観た時にも同様な感想を抱きましたが、昨今の凡百のゾンビ映画に比べると、遥かにコチラの方がゾンビ映画としての風格があります。ゴア・シーンとかスプラッター・シーンとかも勿論ですが、この“品格”がイイんですな。あと、登場するゾンビにも品格があるのがイイですな。“夜”“夜明け”“日”と来て、今回は“陸”になっている訳ですが、回を追う毎にゾンビに知恵が付き始めているのが、笑えるというか、ちゃんと成長しているんだなぁ〜って感じですな。

 今回はメジャー系で作られているせいもあって、金が掛かっている事もあるんでしょうが、人間やゾンビのモブ・シーンがちゃんと描かれているのがスケールを感じさせる訳ですが、出来ればこの予算とスケールで前作の『死霊のえじき』を撮って欲しかったと思いますな。多少ですが、『〜えじき』で描けなかったエッセンスが、この映画に注入されているような気がして、ホロっとさせられてしまうものではあります。

 でも、当初は“Dead Reckoning”というタイトル(登場する装甲車の名前)だったものが、シリーズに合わせるような形で変更されているようですが、別にそれに拘る事なく、当初の原題でも良かったような気がします。結構カッコいいんですよね、あの装甲車。『世界が燃えつきる日』のランダマスター号や『メガフォース』に登場したものに匹敵しますな。

 

★12月24日(日)

 DVDで『荒野の用心棒/完全版』。やっと出た“完全版”である。このバージョンは日本では初お目見えになりますな。今まで日本では何故か“日本公開版”と称する短縮版でしか、ビデオもLDもDVDもリリースされておらず、その理由が分からなかった訳ですが、まぁ恐らく、黒澤プロが権利を有するマスターが、そのバージョンしか無かったんだろうと思いますが、今回のリリースに当たって“『荒野の用心棒』DVD発売委員会”なるモノの努力によって、こうして晴れて完全版でのリリースに至った訳ですが、それも嬉しいのに加えて、海外でリリースされていたアルティメット仕様そのままの移植でのリリースというのも素晴らしく、さらに日本盤独自の特典として、レオーネ監督のドキュメンタリーに、そしてそして、山田康雄版の日本語吹替え音声も収録されているというのが、涙モンですな。

 当然ながら今回は、その日本語吹替え音声で観てみました。いやぁ、山田イーストウッドはやっぱりイイですなぁ。ジャン=マリア・ヴォロンテの内海賢二もハマってるし、テレビ放映版とはいえ、吹替え箇所のカット部分は僅かに1分弱ってんですから、ほぼ完全状態なのも気持ちイイですなぁ。やはり、こうでなくっちゃいけません。弛まぬ努力をしてくれた“DVD発売委員会”及び、ブロンディーりおなさんには感謝しなければいけませんなぁ。どうも、ありがとうございました!

 

★12月27日(水)

 DVDで『プロデューサーズ』。新作のミュージカル版の方ではなくて、元となったメル・ブルックス監督のオリジナル版の方である。今年日本でも公開されて話題になったミュージカル・リメイク版も面白かったですが、やはりワタシはオリジナル版の方が好きですね。基本的にコメディなんだから、歌や踊りではなく、ちゃんとギャグで展開していく方がイイですな。

 日本では二ヶ国語盤LDが初お目見え。その後、同じマスターの吹替え版ビデオがエンバシーから出て、その後字幕版がリリース。結局LDでの字幕版リリースは無かった訳ですがDVD時代に入って、マイナー・メーカーから字幕版で出ていたかと思うと早々に廃盤になり、今回ユニヴァーサルから再リリースされた訳ですが、何故かタスキには“初DVD化”と書かれてあるんですな。どうせなら、二カ国版に使用された日本語吹替え音声を入れて欲しかった所ですが、メーカーが違う関係上、無理だったようですな、残念…。

 その代わりと言っちゃあナンですが、特典映像として収録されてあるメイキングというか、ドキュメンタリーが充実していて、ブルックス監督を始め、ジーン・ワイルダーやケネス・マースが当時を振り返るインタビュー映像が貴重で、現在の姿が見れるのがイイですな。残念ながら、ゼロ・モステルや演出家役の人は、映画撮影後に亡くなったとかで、その姿を拝見できないのが惜しいですが、それでも彼らの事を他の人が偲んでいるのは、涙ものですな。個人的には、秘書兼電話番を演じたグラマー美女の今の姿が見れたのが嬉しかったです。サービスで例のダンスも踊ってくれたし、何たって、今でも美人で巨乳ってのがイイですな。楽しませて頂きましたです。

 それにしても、これだけ充実した特典を収録しながら、“特別版”と謳っていない辺りは奥ゆかしいというか、何故なんでしょうねぇ。他社のワーナーの基準だと、15分以上の特典がある場合は、全て“特別版”扱いだという事らしいですが、メーカーによってその基準は違うんでしょうかねぇ。あと、本編のランタイムが以前のバージョンに比べて3分程短いのは、これはPALマスターによる早回しだからでしょうか。ちょっと気になりますな。それと、ジャケットの頂けませんな。これだと、誰が主演なのか分からないじゃないですか!

 

 

★12月29日(金)

 輸入DVDで『ドラゴンへの道』。何を今更って感じですが、つい先日、アメリカ盤DVD−BOXが届いたばかりだったので。ちよっとチェックだけしようと再生し始めたら、そのまま最後まで観てしまったという事でした。

 実は今、ブルース・リーの各国別DVD比較というのを製作中なのであります。知らない間に、各国のブルース・リー関連のDVDが集まっちゃったので、ちょっとずつバージョンが違うという事もあり、一度大々的に比較したのをまとめなければと思っているんですが、なかなか遅々として進まないんですよねぇ。その一環として、今回、アメリカでリリースされたという5作品収録のDVD−BOXを入手した訳でして、今回はその中の1本を観てしまったという訳。

 これはまた比較の時に詳しくやりますが、今回入手したアメリカ盤BOXというのは、FOXからリリースされたもので、基本的には、2年ぐらい前に香港でリリースされた6作品+特典ディスク付きのBOX版と同マスターのもの。しかし、画質の面で若干向上している(という事は、今まで史上最高?)という噂を耳にしたので、ついつい入手してしまったんですが、現在日本で出ている『危機一発』『への道』『死亡遊戯』も同様のマスターですな。ただ、香港版と日本版は、共に音声が広東語と北京語のみだったのに対し、このアメリカ盤は、英語音声も収録されているという点がポイント高く、しかも、某作品が、アッと驚くサプライズ・バージョンになっているんですな。それに関しては、また詳しくやりますが、本日鑑賞した『への道』も、今までアメリカでリリースされてきたものは、全てアメリカ公開版、つまり、前半のレストランでのシーンがカットされたバージョンだった訳ですが、今回BOXに収録されているバージョンは、オリジナル版、即ち、ノーカット版になっていて、これはアメリカ版では初の快挙という事になるんですな。これもある意味サプライズでした。

 まぁ、『への道』英語版と言えば、リーの怪鳥音がクリス・ケントに差し替えられたものになってる“萎えるバージョン”でもある訳ですが、当然ながら、鑑賞の際は、その部分のみ広東語、若しくは北京語に切り替えて観るようにしております。この怪鳥音の謎については、どうやら、言語のセリフ部分に怪鳥音が入ってしまっているらしく、故に英語版吹替えの際に、新たに怪鳥音も入れ直す必要があったからとか。これは『死亡遊戯/国際版』も同様で、『怒りの鉄拳』の時は、効果音部分に収録されてあったんで、難を逃れたらしいんですな。いやはや…。でも、クリス・ケント、もうちょっと本人に似せた怪鳥音が発せなかったものなのか。「オレならもっと上手く出来る!」というリアル世代のファンが、何人もいる事でしょうなぁ。

 

 

★12月30日(土)

 DVDで『ポセイドン アドベンチャー』。勿論、リメイクやTVムービーではなく、1972年に作られたオリジナル版の方。今年の春に出た特別版である。これも未開風・未鑑賞のDVD。映画の設定と同じく、明日の大晦日に観ようかと思っていたんですが、今日映画館で観る予定の映画が無くなってしまったんで、時間が空いた関係上、1日繰り上げた次第。

 思えば、昨日観た『ドラゴンへの道』も1972年暮れ公開の1973年の正月映画だった訳で(香港では)、この『ポセイドン』も同様ですな。聞く所によると、『ポセイドン』の脚本を書いたスターリング・シリファントに、ブルース・リーが色々アドバイスしたらしいですが、一体どのような箇所だったのか、知りたいものですな。噂では、“各階層毎にピンチがある”というようなものだったらしく、これはそのままリーの次回作『死亡遊戯』にも繋がる訳で、この辺りは興味津々ですなぁ。

 今回も、またまた泣いてしまいました。やはり、シェリー・ウィンターズのシーンには弱いですな。最初に登場したシーンからして、後の悲劇を思い出し、泣いてしまいましたな。これを観ていると、リメイク版の底の浅さが目立ってしまいますな。スリリングなアクション編である事は認めますが、やはり感動がある方が重みがありますからなぁ。あと、ステラ・スティーヴンスの巨乳。どうしても目が行ってしまいますな。見えそで見えない所が、タマりまヘンでしたなぁ。

 前回DVDで観た時は、日本語吹替え音声で観たんですが、今回は英語版で鑑賞。というのも、今回初めて、DVDでステレオ音声になっていたから。元々、70oで劇場公開されていた作品で(おそらくエンラージもの)、音声も当時からステレオ音響だったもので、アメリカで最初にビデオ・ソフトがリリースされた時もステレオ音声になっていたんですな。ところが、日本で初めてソフト化されたのが二ヶ国語版LDの時で、その時は、仕様上仕方なかった訳ですが、後にリリースされたVHDが、字幕&ステレオ音声だった為、まだプレーヤーを持っていなかった時期は、どっちにしようか迷ったものでありました(結局LDにしたけど…)。その後、他の作品が字幕版で再リリースされたにも関わらず、何故か本作だけは字幕版LDで再発されず、ビデオもステレオ音声でリリースされたりして、LDだけが取り残されていたようになっていまして、結局、ワイド版がリリースされた時に、初めてLDで音声もステレオで聴く事が出来たんですな。

 ところが、何故か最初のDVD化の際はモノラル音声だったのがガッカリで、どうやら本国のアメリカ盤も同仕様だったのが関係しているらしく、半ば諦めて廉価版で買ったりしていたんですが、今回ようやく、オリジナルな形になった次第であります。なので、前回より、ちょっと長くなっているという日本語吹替え(テレビ放映版使用)でなく、字幕で観たのはその為だったんですな。今の5.1chとまでは行きませんが、やはり、モノラルとは違って、迫力が出ており、やっぱり音声には拘りたいものですな。あと、今回観ていて、ジョン・ウィリアムスの音楽が印象に残りました。サントラ盤で何度も聴いたからという事もありますが、分かり易いメロディラインではないにも関わらず、これから起きる不安と冒険への期待が渾然一体となった、なかなかシビれるテーマ曲で、後の『タワーリング・インフェルノ』に繋がる助走のような感じですな。

 

 夜にテレビ放映で『THE有頂天ホテル』。三谷幸喜監督の映画を観るのは、今回が初めて。あまり興味がないんですが、まぁ映画館へは行く気しないし、レンタルでも観ないので、こうしてテレビ放映してくれたら、ちょっとだけ観てやろうかという気になりますな。

 グランドホテル形式の群像喜劇とでも申しましょうか、色んなエピソードが絡み合って展開される訳ですが、確かに退屈せずに観られるんですが、傑作とまではいかず、どっちかというと突込みどころ満載の笑えないコメディというのがちょっと辛いですな。やろうとしている事は大いに分かるんですが、もうちょっとコメディとして笑わせてくれないと…。

 登場人物が多い事がよく指摘されてますが、それはそれでイイとして、やはり、中心というか、狂言回しというか、観ている観客が感情移入出来るような人物を据えて欲しかったように思います。でなければ、誰を主眼として観てイイか、分からないんですよねぇ。本来なら、役所広司辺りがその役割を担わなきゃならないところだったんでしょうけど、彼にはコメティ演技が出来ないようだし…。それに、シチュエーション・コメディを狙っている割にはドタバタ的要素も登場して、イマイチ焦点が定まらないのも難で、狙いどころがよく分からないんですよねぇ。

 あと、愛だの恋だの惚れただの別れただのというエピソードが多過ぎ。人生、そんな恋愛物語ばかりじゃないです。そもそも、一つのホテルの一夜で、あんな恋がらみの偶然が一度に起きる訳がない訳で、それが設定として苦しかったような。もっと、色んな形のエピソードが見たかったですな。

 

 

★12月31日(日)

 遂にウチのテレビがダメになってしまい、買い換える事に。まぁ、ここ何ヶ月か、ダマシダマシ使っていたので、まだ使おうと思えば使えたんですが、昨日もDVD観てたら、何度かピンチになったんで、もう見切る事した。観ていると画面が乱れるんですよね。で、暫くしたら画面が真っ黒になって音声だけが聞こえる状態になっちゃうんですよ。で、乱れてる最中に、テレビの上部やサイドを叩くと、ちょっと治るという訳で、暫くするとまた同じ状態になるんで、また叩くという、その繰り返し。普通にテレビ番組を観ていてもなるんですが、DVDを観ている時に起きるのが多いんですね。なので、非常に困るという。叩くのもイイんですが、一発や二発では治らないので、酷い時には10発ぐらい叩く時があり、だから手も結構痛いんですよ。

 そんな状態がここ数ヶ月続いてたんですが、とうとう堪忍袋の緒が切れて、買い換える事にした訳です。色々考えたんですが、結局は今と同じサイズの32型のワイド版。で、今度は液晶に。別に地デジとかハイビジョンとかには興味なかったんですが、ヨドバシへ見に行ったら、それしか置いてないんですな、今は。普通のを探す方が難しいようで。なので、仕方なく、地デジ対応のハイビジョン液晶テレビにした訳です。

 で、今日それが届いたんですが、届けて貰った代わりに、今まで使っていたのを処分して貰わないといけないんですが、それはイイとして、問題は、ワタシの部屋からその32型ワイドテレビ(1994年の三菱製)が出ないという大問題が発生した事。正確に言うと、模様替えの時に入り口に大きな本棚(別の部屋にあったヤツ)を置いてしまった為、襖の3分の1程度、本棚がはみ出してしまった為、そのスキマからは、テレビが出せないんですよ。テレビの奥行きが54pで、スキマが53p! 方向を変えても同じで(回転台が付いている分、高さの方が高い)、どうあがいても部屋から出ない事が判明したんですな。

 で、結局どうしたかというと、本棚があと、数p移動させられるという事が分かったんで、移動させる作戦に出たんですが、本棚いっぱいに本やパンフレットが詰まっているので、微動だにしない。やりたくないけど、結局、中身を全部出して、移動する事にした訳です。この作業が大変で、まぁ、出して後でまた入れるだけなんですが、本棚の上にビデオ・ソフトが並んでる板(で作ったビデオ棚)も乗っかってるんで、それも全部出さなきゃならんし、あと、本棚の向こう側に色々ヤバい本やヘンなものをコレクトしたクリアファイルが押し込んであって、それも一旦出さなきゃならないのが困った。だって、この作業、一人では出来ないんで、同居人に手伝って貰っていたんですが、そういったヤバい品を、どのようにして見られないようにするかが難関で、もうハラハラ・ドキドキ。通常の本やパンフをリレー形式で受け渡してから、瞬時にヤバい本を別の見えない所に移動させたりしなければならず、もうハンドパワーの連続でありました。困ったものです。

 さて、今日の夜か、或いは明日以降か、この新しいテレビで一番先にDVDで観るのは、一体どの映画になるのか…? この正月は、益々、何処へも出掛けなくなりそうですな。

 今年も色々ありがとうございました。良いお年を!

 

      

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