★2007年1月2日(火)

 今年も明けました。年末に掃除した時に、部屋の中から部屋中に散らばっていたDVDやCDを一旦部屋の外に出したんですが、その際、“観たDVD”と“観ていないDVD”とに分けて、もう一度部屋に押し込むようにした。観たヤツは取り敢えずダンボール箱に詰め込んだりして。ただ、全部チェックした訳ではなく、目に付いたものだけに絞った為、まだまだ残っている分があるかと思うのだが、まぁ、とにかく、“観ていない”ものからちょっとずつでも観てみようと思う所存であります。

 そんな“観てないDVD”の中から今日は『ハノーバー・ストリート/哀愁の街かど』。数年前(?)中古で買ってまだ観ていなかったヤツ。前回のこの欄でも述べましたが、この手の名作(ワタシにとって)は、観るタイミングが難しいんですよね。軽い気持ちで観るのは忍びないし、出来れば落ち着いた雰囲気の時にジックリ観てみたい。その時期がなかなか無かったりするもので…。

 ピーター・ハイアムズ監督の名作。確かこれ、あの『カプリコン・1』の後に作った映画じゃなかったっけ。ハイアムズといえば、昨年の『サウンド・オブ・サンダー』はダメでしたな。アイデアはイイのに、下手なCGとでまかせの演出で失敗してしまった作品でしたが、それに比べてこの時期のハイアムズ作品はイイですな。風格があるというか気品がある。この映画も、『哀愁』とか『君の名は』みたいな、戦時下の中での恋を描いたラヴ・ストーリーで、話自体は凄くオーソドックス極まりないんですが、そこにスパイ・サスペンスを絡めた辺りが新鮮で、後半いきなりアクション映画に転じてしまうのがユニークで面白いですな。当時、戦争映画ばかりに出演していたハリソン・フォードならではの企画と言うのでしょうか。キャラがピッタリハマった役でした。

 実はこのDVD、ワタシの知る限りででは、未だに廉価版が発売されていないような気が…。ソニー・ピクチャーズなので、廉価版キャンペーンなんか腐る程やっているにも関わらず、まだ一度もラインナップに上がらないのは一体どういう訳か。何か理由でもあるのでしょうか…。なので、業を煮やしたワタシは、中古で安く売られていたのをゲットしたと、そういう次第なのでありました。

 あとこれがビデオ&LD化されていたのは懐かしい思い出ですが、その際のマスターがメチャクチャ酷かった。時代からして、まだワイドではなく、スタンダードのトリミング版でリリースされていたんですが、そのトリミングが酷いものだったんですよ。全編、縦長状態でのトリミング。元々この映画はスコープ・サイズなんですが、通常だと、タイトル部分だけは(タイトル等のスーパーを映す必要がある為)縦長のスクイーズ状態でテレシネされるのが常で、それが終わると左右をトリミングしたスタンダード画面に戻る訳ですが、この映画に限っては、全編スクイーズ状態だった訳です。といっても、今のDVDに収録されている本当の意味でのスクイーズ方式とかではなく、あくまでも単に縦長にしているだけなので、ワイドテレビのフルモードで再生しても、スコープ・サイズにはならない訳ですが(それでも若干、横長サイズで観れますが…)、その時代にはまだワイドテレビが登場していなかったので、見苦しい事この上なかったんですな。

 で、どうしてそうなっていたのかと言いますと、映画の後半でドイツ語で会話が交わされるシーンが出てきて、その際に英語字幕が下に出るんですな。で、その字幕スーパーを全て見させるには、縦長の状態にしておかなければならなかったんですな。本来なら、そのシーンだけテレシネのカメラを移動させて字幕を全て映すか、或いは、そのシーンだけを縦長にするか、どちらにしても、テレシネ時に処理する必要があった訳ですが、それをするのが面倒だからといって、それならばと、最初から最後まで縦長で押し通したという訳なんですな。つまり、手抜きだった訳です。本当言うと、スーパーの入っていないフィルムを原版にして、後でテロップ処理で入れ直すとか、そういう方法をとるのが、ユーザーに対するサービスだとは思うのですが、テレシネの原版に使用したプリント自体が、既にスーパーが入ったものだっただけに、どうする事も出来なかったんでしょうな。っていうか、スーパーなしのプリントは元々無かったかも知れませんな。

 とにかく、そんなヘンな状態でビデオやLDが出ていたのが、時代を感じさせるエピソードではあるんですが、今の時代にこういうのが出たら、すぐにクレームが付いて回収やら交換やらで大変な事になっていたんでしょうな。そういえば、LDのタスキには、“やや縦長になっているのはマスターに起因するもので、このマスターしか存在しないのでご了承下さい…云々”といった但し書きが書かれていたっけ。つまり、メーカー側も最初から分かっていたんですな。

 結局その後、ちゃんとしたマスターによるワイド版でのリリースは無かったので、このDVDがそれ以来のリリースとなり、そういう意味では嬉しいですな。やっぱり、スコープ・サイズの画面で観るのが一番です。あと、今回初めて音声がステレオ収録されているのも嬉しいですな。元々ドルビー・ステレオの映画だったのに、ビデオやLDではモノラル音源だったので不思議に思っていたんですが、クレジットには確かに“ドルビー・ステレオ”と表記がありました。ただ、表記のデザインが、今のとちょっと違っていましたが、当時はまだ、ロゴが統一されていなかったんでしょうな。しかし、ビデオ版で“ドルビー・サラウンド”のマークが入っているのを雑誌か何かで見かけた事があるんですが、アレは幻だったのか…。今回のDVDに収録されているのは、“4.0chサラウンド”という珍しいもの。“ステレオ”でもなく“ドルビー・サラウンド”でもなく、“4.0chサラウンド”というのが珍しいんですが、これって、ようするに、ドルビー・サラウンドと同じ仕様って事ですよね。フロントが左右+センターの3チャンネルで、リアが1チャンネル(リアはモノラルって事)。って事は、ドルサラも同じですな。なのに、何故こういう表記になっているのか解せませんな。

 

 

★1月3日(水)

 梅田に出たついでにDVDショップを覗いていたら、廉価版コーナーが結構充実していたので、ついつい欲しくなってしまった。パラマウントの廉価版DVDが、通常1500円でキャンペーンしていて、今回から作品にも新しいのが加わっているみたいで、ちょっと食指が動きかけた。ヨドバシは定価の1500円だったのにジョーシンでは1250円になっていたので、何枚か買おうと思ったけど、いやいや、ウチにまだ観ていないDVDが沢山あると思うと、なかなか買えず。悩む所ですな。で、もう一つ別の店に行くと、DVDコーナーが以前よりかなり縮小されて、もうやる気がないみたいな感じになっていて、結構ダンピングされているのに気づいた。で、パラマウントのキャンペーン作品で、ジョーシンで見た時に欲しかった『ジャッカス』があり、しかも980円だったんで、よし!と思い買ったんですが、同時に買ったのが『プレデター2』。これ、廉価版ではなく、2枚組のプレミアム・エディションというヤツで、その前にアルティメット・エディションとして出ていたヤツをパッケージだけ替えて再発したもの。当然2枚組である。それが同じく980円で売られていたのに驚き、大して欲しくも無いのに、勢いで買ってしまった…。嗚呼…。

 という事で、買ったDVDは観なきゃならず。『プレデター2』である。観るのは久し振り。多分、何年も前に中古のビデオで観て以来。ウ〜ン、これでそのビデオも要らなくなってしまったなぁ…、と思いながら観ていたんですが、まぁまぁ面白いですな。アイデアとしては、もっと面白くなってもイイようなのに、ナンか寸止めされている感じがしますが、まぁ、これが限界でしょうか。前作のシュワちゃんに対して、今回がダニー・グローヴァーというのがランク落ちしているようですが、これがヴァン・ダムとかだったら、また別の面白さが出たんじゃないかなぁ、ナンて思ったりしてました。

 クライマックスでビルの中を駆け回ったりするのを見て、「今度『ダイ・ハードVSプレデター』なんか作ったら面白いだろうなぁブルース・ウィリス主演で…」と思ったりもしたんですが、よくよく考えれば、この映画自体のコンセプトがプレデター版ダイ・ハードになっていたようですな。

 

 

★1月4日(木)

 昨日の夕方テレビで放映していた『難波金融伝/ミナミの帝王/闇の代理人』をビデオで観る。開巻早々、以前観た事のあるヤツだと分かる。そうですか…。やっぱり、新作放映ってのは、1年に2〜3回しかないんでしょうなぁ。まぁ、作られているペースがそんな感じだから、致し方ないんでしょうけど…。一度、観たヤツと観ていないヤツとが分かるようにリストでも作ろうと思うのですが、なかなか進みませんです。

 まぁ退屈しのぎには持って来いですが、今回は、悪いヤツのスケールが小さ過ぎる(山田雅人だし…)のが少々難。もっとデカいヤツを倒して欲しいですな。

 その後DVDで『ザ・フライ2/二世誕生』を観る。これもまだ未開封だったもの。去年1作目を観た時に続けて観れば良かったんですが、同じような作品を続けて観るのは、最近結構キツくなってきたので、ちょっと敬遠していたもの。まぁほとぼりが冷めたとでも言うのでしょうか。

 評判がイマイチな2作目ですが、ワタシは好きです。前半は、前作のテイストを上手く受け継いでいて、悲劇的な要素が浮き彫りにされている辺りが良く、そのまま終わると1作目の二番煎じになる所を一発逆転、主人公の強引なやり方(賛否両論あるのは分かりますが…)で、無理矢理ハッピーエンドに持っていくのが、個人的には好きです。

 特殊メイカー出身のクリス・ウェイラス初監督作にしては上出来で、後に『ショーシャンクの空に』で監督も手掛けるフランク・ダラボンが絡んだ脚本も上手く出来てますなぁ。それと、エンディングのオチがそのまま『グリーンマイル』に引用されているのには笑いました。ダラボンさん、よっぽど気に入ったようですな。

 

 

★1月6日(土)

 丹波哲郎追悼記念として、DVDで『砂の器』。何度観てもイイ映画ですな。しかし、何と言ってもこの映画の面白さは、丹波先生の演技に尽きますなぁ。この役を丹波先生がやってなかったら、これ程の名作になったかどうか疑問ですが、この時期の丹波先生の“大演説映画3部作”として、この映画以外に『人間革命』『ノストラダムスの大予言』も挙げられますな。どれもアブない程の迫力に満ちた丹波先生の熱演が見られる訳で、この時がピークだったんでしょうなぁ。

 この時期は他にも、『日本沈没』『東京湾炎上』『新幹線大爆破』『野性の証明』…と、大作には絶対に出演していましたなぁ。その勇姿がもう見れないなんて、ナンか悲しいですなぁ。繰り返し繰り返し、繰り返し繰り返し、これらの映画を観る事で、丹波大先生を偲びたいと思います。

 

 

★1月7日(日)

 藤木悠追悼記念として、DVDで『キングコング対ゴジラ』。上司を演じた有島一郎や、自衛隊の攻撃隊長を演じた田崎潤、そして博士を演じた平田昭彦なども含めての追悼という事で。そういえば、藤木の相棒を務めた高島忠男も、もうそろそろヤバい時期に来てるんじゃないかと思うと、この映画の元気な姿を見ていると、ちょっと寂しくなってきますな。あと、昨日の丹波哲郎と今回の藤木悠は、共に「Gメン'75」のコンビでもありますな。懐かしいですな。

 これも何度観ても楽しい映画ですな。一応、大人も楽しめる作品として作られているんですが、子供向け怪獣映画として観ても、色々突込みどころが満載で、「ンなアホな…」と呟いてしまうシーンが多いのにも笑ってしまいますな。まぁ、この手の映画にヤボな突っ込みは不要ですが。

 

 午後にテレビ放映されていた『難波金融伝/ミナミの帝王/極道金融』を観る。本来ならこの時間は「たかじんのそこまで言って委員会」の時間なんですが今日は年初めという事もあり、どうやらお休みのようで、いつもはその後によく放映されている銀ちゃんが繰り上げて放映されておりました。ま、どっちにしろ、観るんですが…。

 今回初めて観るヤツかなと、思って観ていたら、やっぱり一度観ていたヤツでしたな。ただ、今回のは面白かった。やっぱり、銀ちゃんが徹底的にヤラれて、最後の最後に逆転するような展開の方が面白いです。今回のはズバリ、その展開になっていました。どうせ最後にスカっとさせてくれるのは分かっているんだから、そこへ行くまでの道程がスリリングな方が面白いですよね。

 

 夕方、行き付けの古本屋へ行って、中古のDVDとかを漁る。年末に、500円割引になるハガキが着ていたもので、それを利用して何とか安いDVDでもゲットしようかと思ったからである。で、色々漁った結果、『ミッション:インポッシブル』『宇宙戦争』のDVDを買う。最初は中古で探していたんですが、よく見ると、新品で安いのが売っていてビックリ。パラマウントが去年からやってる"ハッピーシネマタイム"というキャンペーンの作品郡がそうなんですが、どれでも1枚1500円の定価で、それがここでは作品によって(何故かトム・クルーズ関連が多い)は980円になっていた。他店で、1250円っていうのは見かけたんですが、それより安いのがあったとは…。2枚で1960円ですが、500円の割引があるんで、結局1460円。1枚当たり730円である。嬉しい…。

 で、まずは『ミッション:インポッシブル』。現在は、特典満載のコレクターズ・エディションも出ていて、ソチラの方はスクイーズ画面になっているんですが、そこまで拘らないワタシとしては、これで十分(廉価版はレターボックス収録)。思えば、同時に買った『宇宙戦争』も特典ナシの1枚ものだったっけ…。ま、どうせ特典なんか観ないからイイです。

 久し振りに観たけど、やっぱり面白いですな。そういえば、昨年から3作目・2作目と遡りながら観ているので、タイミング的にはバッチリですな。でも、この1作目が一番面白いかも知れませんな。デ・パルマ監督が、ちゃんと自分のテイストを入れながら作り上げているので、それが上手くハマっているようで、テレビ版にあったチームプレイで物語を展開させるのもちゃんとあって、なかなかの傑作に仕上がっておりますな。4作目が難航しているトム君ですが、是非とも、完成させて欲しいものですな。

 

        

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