輸入DVDレビュー

 

●日本映画/ホラー編

江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間

(Horrors of Malformed Men)

メーカー アメリカ・Synapse
画面サイズ 2.35:1(SQ)
音声 モノラル(日本語)
字幕 英語
ランタイム 99分09秒
リージョン ALL

ジャケット裏

リバーシブル

 つ、つ、つ、遂にリリースされた禁断のカルト映画。日本版ビデオがリリース直前に発売中止になった後、怪しげな海賊版等が蔓延っていて、正式版が出る出ると云われながらも、結局、あと一歩のところで断念されていた幻の作品が、遂に海の向こうで晴れて正式版としてリリースされたのでありました。尤も、幻の映画や封印作品とか云われてる割には、劇場での上映はアチラコチラで頻繁に行われているようで、「どの辺が封印なのか…?」という議論が起こりかけたりしてましたが、取り敢えず、ソフト化されたのは今回が世界初という事で、まずはメデタシ・メデタシ、ですな。

数々の怪作を撮り続けた石井輝男監督の入魂の1本という感じの力の入った作品で、一応、「パノラマ島奇談」をはじめとする江戸川乱歩の数作の小説を原作にしているものの、映画として構築された世界は、完全に石井ワールド全開。さらに土方巽(堂々、ジャケットにも登場!)の呪われたような怪演も手伝って、異様でフリークスなムード満点になっている、まさに爆発する映画ですな。

巷では、“感動派”と“爆笑派”の2種類の人種が存在して喧々轟々色々言われてますが、ワタシは断然“感動派”。前半は確かに狙ったギャグが散りばめられていますが、後半、特に島に舞台が移ってからは、衝撃と感動の嵐ですな。とりわけラストの爆発シーンは、何度観ても涙なくしては観られませんな。この映画を観て以来、「お母さん…」という言葉を聞くと、涙腺がウルウルくるような体質になってしまいました…。

リマスターされた画質は最高級クラス。海賊版ビデオの色が飛んだくすんだ画像に我慢し切れなかった人には、大満足ですな。公開プリントも、モノトーン・シーンがモノクロに見えるぐらい色が悪かった事を考えると、オリジナルの持つ独特な色合いが堪能できて、恐らく、最上の状態でリリースされた事に、石井監督も草葉の陰で感激している事でしょう。音声もモノラルながら、セリフがハッキリと聞き取れるのがイイですな。

気になる特典は、塚本晋也&河崎実両監督のインタビュー映像を交えた“Malformed Memories”というドキュメンタリー、2003年にイタリアの極東映画祭での石井輝男監督を追ったドキュメント“Ishii In Italia”、オリジナル予告編、石井監督作品のポスター・ギャラリー、さらに映画評論家マーク・シリングによる音声解説と盛り沢山。また、ブックレットには、パトリック・マシアスとウエイン町山、ジャスパー・シャープらによる解説が掲載されていて、下記の『怪談蛇女』同様、日本版ポスターをあしらったリバーシブル・ジャケット仕様という素晴らしいもの。あと、隠しコマンドで『黒線地帯』『セクシー地帯』『徳川いれずみ師/責め地獄』『ポルノ時代劇/忘八武士道』『直撃!地獄拳』『直撃!地獄拳/大逆転』『盲獣』『双生児』の予告編が観られるの楽しいですね。

とにかく、一家に一枚、是非コレクションして頂きたい逸品ですな。

※日本盤未発売

 

 

 

怪談蛇女

(Snake Woman's Curse)

メーカー アメリカ・Synapse
画面サイズ 2.35:1(SQ)
音声 モノラル(日本語)
字幕 英語
ランタイム 84分41秒
リージョン ALL

ジャケット裏

リバーシブル

『東海道四谷怪談』の巨匠・中川信夫監督が東映で撮った怪談映画。お馴染みの蛇女ものですが、蛇はあくまでも脇役で、古来の怨念と情念と復讐の物語になってます。東映という事もあり、山城新伍や室田日出男らの助演陣の熱演も見もので、特に新伍ちゃんは、女好きの若旦那という、ピッタリの役柄を意気揚揚と演じていて、笑わせてくれております。あと、特別出演的に登場する丹波哲郎も見事で、僅かの出番ながらも、画面をさらっていきますな。

日本盤も最近東映ビデオからリリースされたばかりで、なので、マスターは同じと思いますが、画質・音質共に良好ですな。特に、中川信夫監督独特の美術装置がクライマックスを彩っているので、高画質で観る分には最適ですな。

特典は、オリジナル予告編の他、中川監督の新東宝時代の作品も含めたポスター・ギャラリー集に、日本映画評論家のジョナサン・M・ホールによる音声解説も収録。他に、同じく日本映画評論家のアレキサンダー・ジャコビーによるブックレットの解説が的を射たものになっているのと、あと、ジャケットがリバーシブル仕様で、裏返すと日本版オリジナル・ポスターのアートになるという優れもの。仕様といい、値段といい、どう考えても日本盤よりコチラの方が、遥かにコストパフォーマンスが大だと思われます。

 

 

 

怪談昇り竜

(Blind Woman's Curse)

メーカー アメリカ・Discotek
画面サイズ 2.35:1(SQ)
音声 モノラル(日本語)
字幕 英語
ランタイム 84分44秒
リージョン

ジャケット裏

故・石井輝男監督の怪作の1本。まぁ、石井監督の映画には怪作は多いですが、あの『江戸川乱歩全集/恐怖奇形人間』の翌年に撮ったこの映画は、あのテイストがそのまま受け継がれているといっても、過言ではないですな。一見、普通の任侠やくざ映画でありながら、その中に奇形・虐殺・幽霊・見世物小屋・化け猫・変態・異常者…という、石井輝男テイストをぶちまけた、まさにごった煮の映画で、最初から最後まで石井ワールドを体感できる怪作であはあります。

画質はなかなかイイです。おそらく、良質のマスターを取り寄せているか、もしくは、ネガ起こしのマスターを作成したかのどちらかでしょうね。画面の隅々まで鮮明に映っております。

特典は、オリジナル予告編の他、同メーカーから出ている他の映画の予告編(『0課の女/赤い手錠』等)、スチル・ギャラリー、そして日本映画研究家のクリス・Dによる音声解説も収録。

で、画質がイイ証拠に、この映画に措ける長年の謎がようやく解けたんですな。その謎というのは…その昔に宝島社から発刊されていた「このビデオを見ろ!/ファンタジー・SF・ホラー篇」の中で、「映画秘宝」でお馴染の杉作J太郎氏がこの映画を取り上げていて、その中で「この映画のトータルイメージはやはり恐怖映画なのだ。タイトルにも示されているように“怪談”なのだ。何故? 観た人にも釈然としない人は多いはずだ。どのエピソードを取ってもおバカさんなこの映画が、何故、観終えた後、この世のものでもないもののような、言いようのない恐怖感をいだかせるのか? その答えは−オープニングから15分ぐらいだろうか。梶芽衣子が、大辻伺郎や砂塚秀夫のいる大広間から、佐藤允のいる客間に移動する、一見なんでもないシーン。ここにその答えがある! 俺はお人好しではないので、それをここには記さないが、おそるべき出来事がそこには展開されている。」(原文まま)と、書いているんですが、前にビデオで観た時は、何度繰り返して再生してみても、全く分からなかったのが、今回、ピカピカの高画質のこのDVDで観たら、その“答え”が遂に分かったのでありました。いやあ、ビックリ仰天。なるほどというか、凄いというかまさに恐るべし、石井輝男、ですな。なので、この疑問をお持ちの方には、是非ともこの輸入盤DVDをお薦めする次第でございます。恐いデスよ〜。

※日本盤未発売

 

 

 

徳川女刑罰史

(Shogun's Joy of Torture)

メーカー オランダ・Japan Shock
画面サイズ 2.35:1(LB)
音声 モノラル(日本語&ドイツ語)
字幕 英語・オランダ語・ドイツ語
ランタイム 96分03秒
リージョン 2(PAL)

出ました! 我らが世界に誇る石井輝男監督の“異常性愛路線”の決定的代表作。ここからあの異常な性愛路線が始まったと云っても過言ではない作品ですね。とにかく、全編に渡って、串刺し・蛇責め・牛裂き・人肉焼き・鞭打ち・逆さ吊り・首切り…その他の拷問シーンの数々。これ1本あれば、他の拷問映画は要らないって感じがする程の強烈インパクトであります。それでいて、エッチ・シーン(レズ含む)もいっぱいあるという、まさに男を楽しませる事を念頭に置いた映画作りには脱帽してしまいますね。

すぐ下で紹介している『徳川いれずみ師』はドイツ語オンリーでしたが、コチラは『徳川女刑罰絵巻/牛裂きの刑』と同メーカーなので、ちゃんとオリジナルの日本語音声も収録されているのか嬉しいですね。本編も勿論ノーカットで、あのシーンやこのシーンも、全て楽しめます。

特典は予告編とスチル・ギャラリーのみですが、石井輝男監督の“異常性愛路線”全作品の予告編が楽しめるのは、これは貴重じゃないでしょうか。あと、封入特典として、この映画のポストカード4枚セットも付いているのも貴重ですね。

日本では石井輝男監督追悼記念としてやっとこさリリースされましたが、この路線の一部はまだ未発売。まだまだ輸入盤に頼らざるを得ない状況は続いているようです、ハイ。

 

 

 

徳川いれずみ師 責め地獄

Tokugawa U:Das Freudenhaus von Nagasaki

メーカー ドイツ・Shock-Video
画面サイズ 2.35:1(LB)
音声 モノラル(ドイツ語)
字幕 @なし A英語
ランタイム @82分03秒 A94分41秒
リージョン 2(PAL)

ジャケット2

日本の秘宝監督石井輝男の“異常性愛路線”の1本、堂々とDVDリリースである。勿論、日本ではなく、遠く離れたドイツで…。オランダ盤の『徳川女刑罰史/牛裂きの刑』が好評だった為か、それに続く作品としてリリースされたようですね。いずれも日本ではリリースされていない(日本映画なのに…)作品なので、とにかく貴重ですね。(2007年現在、日本盤も発売中)

映画の内容については省きますが、まぁ、石井輝男テイストが全開している作品と言えましょうか。責めて責めて責めまくる残虐映像も健在です。

このドイツ盤、特殊パッケージに収納された2枚組特別版になっていまして、1枚目は、再編集されたドイツ公開版(短縮版)が収録、2枚目に、東映マークから始まるオリジナル完全版が収録されているという内容。

どちらのバージョンもドイツ語音声のみで、日本語音声が収録されていないのが残念ですが、日本公開版の方は、時折日本語音声に切り替わる瞬間があり、何とも楽しいです。

因みに、ジャケ違いでもリリースされていまして(2枚目の画像)このジャケ写真、映画には登場しません(笑)。多分、同系統の、違う映画のスチルだと思うのですが…。

 

 

 

徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑

Shogun's Sadism

メーカー オランダ・Japan Shock
画面サイズ 2.35:1(SQ)
音声 擬似ステレオ(日本語)
字幕 英語・オランダ語・ドイツ語
ランタイム 76分44秒
リージョン 2(PAL)

ジャケットカバー

石井輝男監督の『徳川女刑罰史』に始まる東映の異常性愛路線の1本。監督は牧口雄二にバトンタッチされているものの、残酷描写はエスカレートの一途。もう、どこまでも行ってくれイ!って感じであります。もうとにかく、考え得るありとあらゆる拷問と苛めのオンパレードで、とにかく、少々のゴア・シーン&スプラッター・シーンに慣れた人でも、このリアリスティックなスプラッター描写の数々には、舌を巻くに違いないでしょう。

一応時代劇で、ストーリーもあるにはあるのですが、とにかく、時の将軍がエロ&グロ好きだったという訳で、男や女が次々に嬲り殺しにされていくシーンは圧巻です。話は2部構成で、後半は拓ボンが主演。ここでも、恐ろしいまでに残虐なシーンが展開されて、もう「どうにでもしてくれイ!」って感じてあります。心臓の弱い方はご用心。

さて、本来なら東映ビデオからリリースされなければならない作品な訳ですが、諸々の事情により、なかなか日本ではリリースしてくれません。従って、輸入盤という事になる訳ですね、ハイ。

画質はそこそこですが、音声が何故かステレオ(疑似臭いですが…)になっていて迫力十分。

名場面満載のピクチャー・ギャラリーや、石井輝男監督の詳細なフィルモグラフィー(インナーに付記)等の特典もさる事ながら、『徳川女刑罰史』(石井輝男監督)、『徳川いれずみ師/責め地獄』(石井輝男監督)、『残酷異常虐待物語/元禄女系図』(石井輝男監督)、『大奥浮世風呂』(関本郁夫監督)の“異常性愛路線シリーズ”のオランダ版予告編が収録されているのが何とも嬉しいですな。

あと、コマンドを押す度に首が千切れたり、体が燃えたり、内臓が飛び出すメニュー画面もなかなか楽しいでっせ。アウターケースが付いた豪華パッケージ仕様になっているので、是非ゲットするように!

※日本未発売盤

 

 

 

ジャケット/タイトル メーカー 仕様 コメント

 

 

 

VERSUS

 

 不明(?盤)

 1.85:1(SQ)

 ドルビー・サラウンド(日本語)

 120分00秒

 字幕:英語

 チャプター・インデックス

 リージョンALL

 

 

『あずみ』の北村龍平監督の出世作。ナンでも、ゴジラ映画最終作にも抜擢されたとか。合掌…。

刑務所を脱獄した囚人が、仲間と会って、何故か森で殺し合いをする…という、シチュエーション自体がメチャクチャで、整合性に欠け、オマケに演技がヘタクソ、セリフ回しが幼稚…と来て、面白い訳がないバカ映画。何やらゾンビも出てきて、銃撃戦やチャンバラ戦も展開するけど、全然盛り上がらず、アホな結末でムカつくという、最近でも一番時間の無駄だったサイテー作品。

なので、DVDの仕様もサイテーなのであった。何故かメーカー名が記載されていないDVDで、ナ、ナ、ナンと…、特典も全く無ければ、メニュー画面も無いという、最悪盤。オマケに画質も悪いしね。これ、絶対コピー盤だと思う。

ただ、音質だけは意外にも良かったです。ジャケットには「5.1chサラウンド」って書かれてあるんですが、実際はタダのドルビー・サラウンドなんですが、何故か、サブウーハーからの低音が凄いという、ヘンな代物。もしかして、マスターは5.1だったのかも…。

もうすぐスペシャル仕様の日本盤が出ますが、ハッキリ言います。買わなくてヨロシイ。

 

 

オーディション

 

 De A Planeta

 (スペイン)

 1.85:1(SQ)

 ドルビー・サラウンド(日本語)

 110分48秒

 字幕:スペイン語

 チャプター・インデックス

 リージョン2(PAL)

 

『殺し屋イチ』の三池崇史監督の異色ホラー。よく歌手やタレント等を募集する際に行うオーディションってものがあるけど、それをきっかけに、女をタラし込めようとする輩が色々いるもんですが、この作品は、そんな彼らに対する警鐘のような映画ですね。

つまり、そんな事やってると“痛い目に遭うゾ”というもので、それがまた尋常な痛さではない所がミソ。

今や和製ホラーは世界各地に飛び火してしまっているようで、これはスペイン盤。特典なんか何も収録されていませんが、この本編だけで、十分にこの映画の魅力を伝えていると言っても過言ではないでしょう。

画質・音質ともにまぁまぁですが、5.1chになっていない所がちょっと残念ですか。

特典は予告編のみ。で、その予告編が恐いの何の。ある意味、本編より恐いかも知れませんなぁ〜。

 

 

 

回路

 

 UNIVERSE & LASER

 (香港)

 1.85:1(SQ)

 5.1サラウンド(日本語)

 118分49秒

 字幕:英語・中国語(繁体)

 中国語(簡体)

 チャプター・インデックス

 リージョン3

 

日本が誇るホラー映画の旗手・黒沢清監督のインターネット・ホラー。と思って観てみたら、これが世界の終末感いっぱいのゾンビ系映画だったというオチが着く。

ここではあの世の住人=幽霊が、この世に出てきて、生者をあの世へ連れていく…という展開で、「地獄が死人でいっぱいになったから、こっち側まで溢れ出して来ている…」という『ゾンビ』同様のセリフまで登場して、ラストは完全に『死霊のえじき』状態。(他にも『バイオハザード』状態とか、『28日後』状態とかでも可・笑)

『CURE』『カリスマ』、そしてこの作品を観れば、黒沢監督が何をやりたいのか、よ〜く分かる…いや、全然分からないという困った映画でもある。ウ〜ム…。

このDVDは香港盤。日本では特典が入ったデラックス盤がリリースされているが、コチラには特典は何もなし。ま、安いからイイが。

画質はそこそこだが、音質はなかなか。確か、日本盤は普通のステレオ収録だったような気がする。という事は、一応5.1chになっているコチラの方がイイって事ですね。

 

 

 

 

幽霊屋敷の恐怖

血を吸う人形

Legacy of Dracula

 

 Artsmagic(英国)  

 2.35:1(LB)

 モノラル(日本語)

 71分03秒

 字幕:英語

 チャプター・インデックス

 リージョン2PAL)

“血を吸うシリーズ”の第1弾。何故かこれが一番最後のリリースとなった。ただ、これのみ、岸田森のドラキュラが登場しない作品なので、リリースの順番としては、あまり問題無いのかも知れない。

タイトルに“血を吸う”とあるが、実際に吸血シーンは無い。また、人形も登場しないので、タイトルに偽りがあるのは事実。でも、面白い=恐いから許す。

欧米の(特にハマー・プロ)のゴック・ホラー映画を、日本で再現しようとする努力が実った作品で、雰囲気はバッチリである。

同メーカーからリリースされているシリーズ全作に共通する仕様もそのまま踏襲されているのが嬉しい。

画質は、これも今一歩という感じだが、日本ではなかなか観られない作品であるだけに、多少は我慢。ちゃんと日本語音声というのが、何とも嬉しいですな。

因みに欧米では、“血を吸うトリロジー”として認識されているようで、タイトル全てに“ドラキュラ”がついているところが、意地を感じさせてくれます。日本語のセリフには、「ドラキュラ」とは出てこない筈なのですが…。

因みに主演の小林多岐子は、『怪獣総進撃』のヒロイン。

 

JUNK 死霊狩り

 

 Unearthed Films  

 1.85:1(LB)

 ステレオ(日本語)

 82分56秒

 字幕:英語

 チャプター・インデックス

 リージョンALL

『SCORE』の室賀厚監督による、和製ゾンビ映画。ムードといい、特使メイクといい、やれば出来るじゃん的な面白さと意欲を感じさせる映画になっているけど、オープニング・シーンが『サンゲリア2』ソックリなのにはガックリ…。もう少し、真似るべきゾンビ映画はあるでしょうに。それが何で『サンゲリア2』なのか…。

その後の設定と展開も『サンゲリア2』か『ゾンビ復活/人喰地獄』か『ヘル・オヴ・ザ・リヴィング・デッド』か…って感じで、クソ・ゾンビ映画の集大成のような仕上がりですが、ストーリーがアナザー『SCORE』になっていたのは大笑い。

あと、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』も入ってますね、室賀さん。もう、何でも入れちゃえ的な展開でしたね。

日本盤DVDもリリースされているけど、その半額で手に入る輸入盤は、やっぱりお得です。

スチル・ギャラリーやメニュー画面も凝っていて、手の込んだ作りになっています。勿論音声は日本語なので、問題なく楽しめますな。

ジャケットがリバーシブルになっているのも嬉しいですが、僕は上のゾンビ集団のジャケがイイです。

 

 

九十九本目の生娘

 

 海賊版  1.85:1(LB)

 モノラル(日本語)

 79分01秒

 字幕:なし

 リージョンALL

 DVD−R

 

新東宝の怪奇映画の1本。内容が内容(山に暮らして血の儀式を行う部落民たちを、警察と村人が協力して殺しまくるという…)だけに、一旦ビデオ・リリースされたものの、即回収&発売中止になってしまった曰く付きの映画。

おそらく、その時のビデオが元になっていると思われ、エンディング後には、次回リリース予定の新東宝映画のタイトルも出てきたりします。

元々あまり良くなかったマスターからビデオ化したソフトから、さらにダビングしているせいで、画質はイマイチ。ただ、モノクロ画面にボヤけ気味の画質というのが、この映画のムードに合っているような気も…。

とにかく、映画の内容が面白い(と言って良いのでしょうか…?)だけに、一度観てみたかったという方にはお薦め致します。

※日本未発売盤

 

 

 

 

 

 

呪いの館 血を吸う眼

Lake of Dracula

 

 Artsmagic(英国)  2.35:1(LB)

 モノラル(日本語)

 81分36秒

 字幕:英語

 チャプター・インデックス

 リージョン2(PAL)

いやいや珍しい日本映画、それもホラー映画のリリースである。東宝が70年代初頭に作った“血を吸うシリーズ”の第2弾。

第1作『血を吸う人形』に続くものだが、岸田森が吸血鬼に扮するものとしては、これが1作目となり、次の『血を吸う薔薇』が最終作となる。

ハマー・プロのドラキュラ映画をベースにしているのがよく分かり、日本映画でこれだけの雰囲気を出せるのも奇跡的としか言い様がないぐらい、良く出来ている。

それに何たって、岸田森の吸血鬼(名前はないけど、英語タイトルではドラキュラになっている)が最高で、少ない出番ながらも、その存在感の素晴らしさは特筆ものである。

特典は、ポートレイト・ギャラリーとスチル・ギャラリーだけだが(他には、このメーカーの他の“座頭市シリーズ”のDVD用予告編が入っている)、日本でも出ていないこの作品がDVDで観られるという感慨だけでも良い感じ。

既に続編(シリーズ最終作)『血を吸う薔薇』もリリースされているようで、是非観てみたいと思う。

 

血を吸う薔薇

Evil of Dracula

 

 Artsmagic(英国)  

 2.35:1(LB)

 モノラル(日本語)

 82分46秒

 字幕:英語

 チャプター・インデックス

 リージョン2(PAL)

『血を吸う眼』に続く岸田森の吸血鬼シリーズ第2弾(“血を吸うシリーズとしては第3弾”)で、これが最終作。

前作のサスペンス・タッチから、今回はアクション・タッチになっていて、本家ハマー・プロの『吸血鬼ドラキュラ』により近くなった感じ。岸田森の出番も多く、恐いけどどこか滑稽さが残っている吸血鬼役は、レアな魅力がある。

仕様&特典は、前作と全く同じで、勿論音声は日本語。画面下に出てくる英語字幕が消せないのが難だが、ワイドモードで拡大すると、見えなくなるから支障はナシ。

とにかく、日本ではリリースされていない日本映画が観られるという意義だけでも嬉しいものだ。

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