これでイイのか!? DVD!

第5回 『漂流街』

 

 

年間、一体何本映画を撮っているのか判らない、三池崇史監督の、取り敢えず昨年度の映画。秋頃公開されて、僕も劇場で観たのですが、その後すぐに、『DEAD & ALIVE/逃亡者』も公開され、『天国から来た男たち』も撮影中というニュースも聞いていたので、「何と精力的に映画を撮っているんだ!」と、驚いていた訳で、Vシネマじゃなくて、劇場映画でこれ程休みなく、連続して映画を撮り続けているというのは、凄い事だと感心してしまいました。

そんな三池監督のこの映画ですが、いつもの三池節炸裂って感じで、ゲスト扱いだった筈の吉川晃司が大活躍で、人を食ったシーンの連続という、このような映画は僕は大好きで、昨年度のベストテンにも入れた傑作だったので、内容については、ここでは別に問題にする事はありません。あくまでも、発売されたDVDの価値としての評価…という事で、ここで取り上げた次第です。

で、一体何が問題なのか? 取り敢えず、このDVDに収録されている特典に関して、一言だけ言わせて貰いたいと思います。

上の裏ジャケットの左下の方に、その特典の内容が記されている訳ですが、その一番上に書いてある「三池監督コメントチャプター」っていうのが、まず一つ目の問題点。

 

 これの一番上の「三池監督コメントチャプター」って…?

 てっきり、音声解説だと思ってしまったのですが…

 

 

 

これを見た時は、「ハハァ〜ン、三池監督のコメントが、各チャプターに収録されているんだ」と思いました。ようするに、音声解説という形で収録されているものだと思った僕は、そのシーンになると、リモコンの音声切り替えで、解説が収録されているであろう第2音声へ、一生懸命切り替えていたのですが、一向に音声は変わらずじまい。「おかしいナ」と思い、再生中は切り替え出来ないんだと思った(そういうソフトもある)僕は、一端メニュー画面に切り替えて、それから音声を切り替えようとしたのですが、これまたダメ。「リモコンの電池が切れているんじゃないか?」とも思ったりして、何度もチャレンジしたものの、全然ダメ。しばらく考えた後、封入されている下の表を見て、何となく事の次第が判ってきた。

そう。つまり、音声解説ではなく、各チャプターに付けられたサブ・タイトルが、三池監督によって語られた(?)キャプションで構成されているという、ただそれだけの事だったのです。ウ〜ン、これにはマイった。僕はてっきり、監督の音声解説が入っているものだと思っていたのに…。三池監督の解説だったら、さぞかし面白いものが聞けるだろうナ〜って期待していたのに、これはちょっと残念。別に、騙された訳ではないのに、ナンか、そんな気がしてしまいました。まぁ、僕が単に間抜けだったというだけ、でもあるのですが…。

しかし、特典の一つでもある「プロダクションノート(ある助監督の呟き)」というのは、この映画に就いた一人の助監督による、撮影中のエピソード=苦労話が、画面上の文章で語られているものなのですが、これなんかも、テレビ画面の文字を読むのが結構大変で、こんな面白いエピソードがあるんなら、やっぱり、音声解説の方に収録して貰った方が、映画のシーンとリンクして、面白いのにナ〜と思ったりもした訳で、せっかく、DVDとしてリリースされているのに、DVD特有の特典を活かす事のないソフトに仕上がっているのは、やはり不満に思います。

古い映画で、特典などが少ない場合は別として、最近作られた映画は、最初からメイキングなども一緒に撮影されている場合があるようだし、それにそのような映像だけでなく、音声の方(解説とか、音楽とか…)でも、色々楽しませてくれるものになってくれる事に、越した事はないものだと、僕は切に思うのですが、ド〜でしょうか。

まぁ、これ以上のDVDは出ないんだという事なら、別にこれで我慢します(本編の映画は全然問題無い訳だし…)けど、また、“特別版”とか言って、出ないんでしょうネ〜。そん時は、怒りますよ、ホントに。でもまぁ、特典だけの為に、もう一度買い直す、ナンて事は、絶対ないでしょうネ〜。とは言うものの、他のソフトでも、それを考えている作品があるので、それも断言出来ませんけど…。特典が満載になって再リリースされる『タクシードライバー』や『羊たちの沈黙』の例もある事だし…。

 

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