輸入DVDレビュー

【パニック映画】

 

 

カサンドラ・クロス

The Cassandra Crossing

メーカー フランス・G・C・T・H・V
画面サイズ 1.85:1(SQ)
音声 5.1chサラウンド(フランス語)/ステレオ(フランス語&英語)
字幕 フランス語
ランタイム 120分41秒
リージョン 2(PAL)

ジャケット裏

70年代パニック映画を代表する1本。実質的には、パニック的な要素はクライマックスを除いてあまり無いのだが、公開当時「『ポセイドン・アドベンチャー』と『タワーリング・インフェルノ』を列車に乗せて走らせた映画」と宣伝されただけに、正月公開のパニック映画としては、『大地震』や『エアポート'75』と共に想起させる映画ですな。

ま、今更ながらの作品なので、内容に関しては別にコメントはないんですが、一応これはフランス盤で、日本盤と違い特典ディスクが同梱された2枚組の特別盤となっております。気になる特典は、削除シーン集にポスター・ギャラリー、並びに各出演者のバイオグラフィ、予告編集(フランス版が珍しい)、そしてバート・ランカスターとソフィア・ローレンのドキュメンタリーを収録。アウターケース付きのデジパック仕様というのも、特典と共に豪華な印象を与えますな。

因みに、削除シーン集に収録されているのは2つの場面で、一つは列車内でアン・ターケルが仲間と唄うシーン(2分12秒)、そしてもう一つが、駅の切符売り場でリー・ストラスバーグが時計を売りつけるシーン(0分33秒)。あれ? その二つは、日本公開版にも日本盤DVDにも入っているゾ。という貴方は大正解。そう、このフランス盤の本編が、その2シーンがカットされた短縮バージョンになっているんですな。その2シーンのランタイムを本編のランタイムに加えて、さらに0.96で割ると(早回しなので)、129分というオリジナルのランタイムになる訳ですな。ナァ〜ンだって感じですな。アン・ターケルの歌がカットされているのは、やっぱり、ヘタクソだからでしょうか(笑)。

 

 

 

 

世界崩壊の序曲

When Time Ran Out

メーカー アメリカ・Warner Home Video
画面サイズ 2.35:1(SQ)
音声 モノラル(英語)
字幕 英語・フランス語
ランタイム 109分00秒
リージョン

ジャケット裏

パニック映画の帝王アーウィン・アレンが放った最後のパニック大作。っていうか、この頃にはもう、大作って感じはしませんでしたな。『スウォーム』で躓いて、『ポセイドン・アドベンチャー2』でコケて、この映画で倒れてしまったという、アレン後期の大コケ3部作の最後の作品といった方がピッタリ来る形容でしょうな。

ポール・ニューマン以下、それまでのアレン作品に出た事がある役者を集めて、集大成的な作品を目指したものの、この脚本と特撮では、サッパリですな。元々は『タワーリング・インフェルノ』のあと、「今度は世界が破滅に向うパニックものを作る」と豪語して、製作を始めた映画だった訳ですが、途中、動物パニックものに気を許して『スウォーム』や、安定路線で続編を作ったりしたものの、どちらも自身の演出力の無さが露呈して失敗。結局この映画にしわ寄せが来て、こんな小スケールの映画になってしまったという訳ですな。でも、小規模なら小規模でも、やり方によっては面白く仕上げる事も出来たとは思うのですが、焼けグソ気味で集めたスターたちのギャラに大半の予算を持っていかれて、そういう機運も盛り上がらなかったんでしょうな。

そんな訳で、アレン作品としては一番遅れてのリリースとなり、今、やっと出ました。画質はイイんですが、音声はモノラルのままだし、特典は予告編すらないしという事で、かなりやる気が感じられないものとなっておりまして、まぁ、ワタシのようなアレン・マニア向けですな。

※日本盤未発売

 

 

 

 

巨大生物の島

The Food of the Gods

メーカー アメリカ・20th Fox
画面サイズ 1.85:1(SQ)
音声 ステレオ(英語)/モノラル(英語&スペイン語&フランス語)
字幕 英語・スペイン語
ランタイム 88分15秒
リージョン

ジャケット裏

これも既に日本盤がリリースされている作品で、北米盤としては今回が初お目見えですな。『アリゲーター』同様、コチラにも粗悪な続編が作られていますが、やはり、コチラの方が傑作ですな。まぁ傑作といっても、バート・I・ゴードン監督だけに、限界はありますが…(笑)。

改めて観ると、特撮シーンに色々粗があるのが目立ちますが、それが手作り感として暖かく伝わってくるのがイイですな。これは今のCGには出せない味ですな。取り敢えず、犠牲になったネズミ君たちに合掌…ですな。

画質はそこそこで、音声も一応ステレオ化されているのがイイですが、これは日本盤も同様でしたね。特典が何も無いのが寂しいですが、バカ高い日本盤(もう絶版だとか…)を買う事を思うと、その5分の1の値段で手に入るんだから、それが最高の特典なのかも知れませんなぁ。同メーカーから出ている同じゴードン監督の『巨大蟻の帝国』と共にセットで是非観て頂きたい作品ですな。

 

 

アリゲーター

Alligator

メーカー アメリカ・Lionsgate
画面サイズ 1.78:1(SQ)
音声 5.1chサラウンド(英語)/モノラル(英語)
字幕 英語
ランタイム 86分58秒
リージョン

ジャケット裏

既に日本盤もリリースされている作品ですが、北米盤でやっとリリースされました。日本盤は悪名高き『2』とのカップリングという恐ろしいものでしたが、傑作な1作目オンリーのコチラの方がイイですね。

映画の内容に関しては、何も言う事はないですな。動物パニックものの王道というか、都市伝説を生かしながら、ちょっぴり皮肉も込めたストーリーで、勧善懲悪ものになっている点も好感が持てますな。やはり、ジョン・セイルズの脚本が活きてますな。あと、うだつの上がらない刑事のドラマとして見ても面白く仕上がっているのも素晴らしいですな。

画質は頗る快調。5.1chにリミックスされた音声もイイですな。特典は、ジョン・セイルズのインタビューと、ルイス・テューグ&ロバート・フォースターの音声解説が収録されていますが、3人とも“あの人は今…”状態なので、貴重な声が聞けるのがイイですな。

 

 

コンコルド

Concorde Affair

メーカー アメリカ・Substance
画面サイズ 1.66:1(LB)
音声 モノラル(英語)
字幕 なし
ランタイム 91分26秒
リージョン ALL

ジャケット裏

ユニバーサルの名物パニック・シリーズ“エアポート・シリーズ”製作の間髪を縫って製作されたイタリア製バッタもん航空機パニック・アクション映画。本家の4作目がコンコルドを題材にした作品だと知ったイタリアが、速攻で作ったバッタもんですが、本家が意外にもトンデモ映画になっていたせいで、これはこれで楽しめる作品に仕上がっておりました。

本家同様、これも陰謀もので、ある組織の陰謀工作の為、コンコルドが墜落させられてしまう(この点は本家より凄い!)という話で、パニックよりもサスペンスとアクションが重視になっているのは、まぁ、スケール感の違いでしょうか。それでも、後半はちゃんともう一機のコンコルドがパニックに陥る様子を描いていて、なかなかハラハラさせられる展開になっていて、サービス精神旺盛な内容ですな。

本家から『エアポート'77』に出ていたジョゼフ・コットンが顔を見せているのも、意識しまくりですが、その他の出演者がジェームズ・フランシスカスにミムジー・ファーマーという辺りに、バッタもんの限界を感じてしまう訳ですが、まぁイイでしょう。

監督は今や『食人族』の監督として有名になってしまったルッジェロ・デオダート。年代的には、この後に撮ったのが『食人族』のようで、そのせいか、ちゃんと南国の島が舞台になったり、『食人族』でモンロー教授に扮していたロバート・カーマンが出演していたりと、結構繋がりもあります。手首を切り落としちゃうスプラッター・シーンもありますし(笑)。

画質は、最悪です。テレビ放映された映画を3倍モードで録画したのを標準モードでダビングしたみたいな、そんな感じで、とてもDVDの画質とは思えない程の仕上がりになっていて、ガックリです。あと、画面サイズも、オリジナルはスコープ・サイズのところを、このDVDでは、曲がりなりにも約1.66のビスタ・サイズになっていますが、実際は、ちょっとだけ黒味がある程度の中途半端な仕様で、両サイドがブッタ切られているのが明白ですな。多分、本当にテレビ放映版をそのままマスターにしているんでしょうな、これは(多分、以前出ていた安物のビデオ版と同じマスター)。ジャケットには"デジタル・リマスター"と書かれてあるんですが、多分嘘でしょう。

なので、ガックリ感は否めませんが、日本では今までビデオも出ていなかった作品だけに、ある意味貴重かも。ジャケットのイラストがヘタクソというのにも笑ってしまいますが、裏ジャケのスチルも、テレビ撮りしたかのような画質になっているのにも笑えます。まるで、個人がプライベートで作ったような仕上がり感なんですな。あと、ランタイムがオリジナルよりも4分短いのは、PALマスターによる早回しだからでしょうか。

※日本盤未発売

 

 

 

 

吸血の群れ

Frogs

メーカー アメリカ・MGM/UA
画面サイズ 1.85:1(SQ)
音声 モノラル(英語&スペイン語)
字幕 フランス語・スペイン語
ランタイム 90分00秒
リージョン

ジャケット裏

70年代中期に大量生産された動物パニックものの一編。蛙(原題)を中心とした爬虫類・両生類系の生物が大挙して襲ってくるという作品ですが、邦題に偽り有りで、実際に吸血する生物はヒルぐらいなもので、後は、勝手に死んだ人間たちの傍を、蛙やヘビがウロウロするだけの映画。ま、『スクワーム』とかと同様、見た目の恐さだけで勝負しようとする映画ですが、ヘビやトカゲ系はともかく、果たして蛙や亀で恐がられるかどうかというのもちょっと疑問。実は、一番恐いのは、人間の手首をくわえたカエルのアップのポスター(ジャケットもしかり)だったりして…。

画質はまぁまぁ。特典は予告編のみという寂しい仕上がりですが、妙に懐かしいのと、動物パニック映画コレクションとしては、どうしても避けて通れない作品であるだけに、その辺りの位置付けが微妙な感じですな。だからどうしても買ってしまうという訳なんですな。

※日本盤未発売

 

 

 

 

スラッグス

Slugs

メーカー アメリカ・Anchor Bay
画面サイズ 1.85:1(SQ)
音声 モノラル(英語)
字幕 なし
ランタイム 89分27秒
リージョン ALL
大量発生&巨大化したナメクジが、何故か肉食になって人々を襲いまくるという、徹底的に生理的恐怖のみを追求した動物パニック・ホラーの怪作。まぁ言えばミミズ&ゴカイの『スクワーム』のナメクジ版といったところでしょうか。でも、結局原因が分からず、いつの間にかいなくなっていた『スクワーム』と違い、コチラは発生の原因もちゃんと究明されるし、最後は爆発的なエンディングを迎えるし、という事で、面白さからいけばコチラの方が上のような。やはりショーン・ハトスンの原作の勝利でしょうか。

一応、ビスタ・サイズのスクイーズ画面ですが、画質は普通ぐらい。音声もモノラルですが、意外にも低音が効いていて、鑑賞の際は必ず5.1chプロセッサーを通して下さい。

特典は予告編のみという寂しい作りですが、ナメクジののたくる様子を徹底的に堪能したい方にお勧めの1枚です。

※日本盤未発売

 

 

 

 

アニマル大戦争

Side1:Something Is Out There (劇場公開版)

Side2:Day of the Animal (TV放映版)

メーカー アメリカ・Media Blaster
画面サイズ @2.35:1(SQ)、A1.85:1(SQ)
音声 モノラル(英語&スペイン語)※両バージョン共通
字幕 なし
ランタイム @98分01秒、A97分30秒
リージョン
下で紹介している『グリズリー』に続いてリリースされたウィリアム・ガードラーの動物パニック映画第2弾。出来は、単なるモノマネに終わった『グリズリー』よりも良くなっていますが、それでもまぁ、「面白い!」とまで行かないのがガードラーらしいというか…。でも、動物の種類が増えている分だけは確実に面白くなってますな。あと、グリズリーと素手で戦うレスリー・ニールセンのシーンなんかも、今見るとレアな映像ですな。

以前にもアメリカのマイナー・メーカーからリリースされていましたが(下で紹介済み、思いっきりトリミングされていた上、画質もイマイチという最悪な仕様だっただけに、今回の新装リリースは嬉しい限り。しかも今回は、劇場公開版と、テレビ放映版の2バージョン収録という豪華さ。タマりませんな。

まず劇場公開版は、原題が“Something Is Out There”というタイトルになっていて、通常の“Day of the Animals”しか知らなかっただけに、これは初耳。画面は、オリジナルのスコープ・サイズで、今までのトリミング版では見れなかった部分もちゃんと見られるのがナンとも感激ですな。

もう一方のテレビ放映版は、原題が“Day of the Animals”で、コチラはビスタ・サイズ。アメリカでは、テレビ・サイズではなく、ビスタ・サイズでテレビ放映されていたのかと、アチラのテレビ事情を知った感がありました。でも、テレビ放映の時のマスターをそのままDVD化しているようで、フィルム傷等もそのままになっているのが、レアというか面白いというか。なので、やはりスコープ・サイズになっている劇場公開版の方が観易いですな。

因みに、ランタイムが、両バージョンで微妙に違っているのですが、これはどうやら、オープニングのマーク・タイトルに関係している模様。

特典としては、出演者(ジョン・シダー、ホール・マンティー、スーザン・バックリーニー)のインタビュー集と予告編&フォト・ギャラリー。『ジョーズ』のオープニングを飾った金髪のクリシー(犠牲者第1号)を演じたスーザン・バックリーニーが、かなりのオバサンになって登場しているのは、ちょっと居たたまれない気分でした。時は残酷ですな。

他にリンダ・デイ・ジョージとスコット・スピーゲル(サム・ライミのダチ公)による音声解説も収録。当時の思い出と、現代感覚から見た作品評の両面から、面白い話が聞けます。

※日本盤未発売

 

 

 

 

グリズリー

Grizzly

メーカー アメリカ・Media Blaster
画面サイズ 2.35:1(SQ)
音声 モノラル(英語&スペイン語)
字幕 なし
ランタイム 90分57秒
リージョン
『ジョーズ』公開後、“ポスト・ジョーズ”の第1号として名乗りを挙げて大々的に公開、見事にコケたトホホ大作。ま、ポスト・ジョーズ作品は、ほとんどが同じ運命を辿っているようですが…。なので、内容に関しては、もう必要無いでしょう。全然恐くなく、むしろカワイい熊チャンが遊びがてらに出演した動物パニック大作。

日本盤もヒッソリとリリースされていましたが、今回アメリカで出たのは、“30周年記念特別盤”。ナンと2枚組なのである。大きく出たのはイイけど、内容がアレなので、どんな“特別盤”になっているか、ちょっと心配しちゃいましたが…。

本編はスクイーズ方式によるスコープ・サイズで収録。それまでの北米盤・日本盤共にスタンダードのトリミング版だっただけに、これは嬉しいですな。特にこの映画、TODO-AO35で撮影された作品だけに、横広のワイド画面を活かした画面構成になっているので、これは有り難い仕様ですな。画質も、この年代のB級作品にしては、良い方です。ただ、音声がモノラル収録なのは残念。ロバート・O・ラグランドの音楽は、ステレオ音声で聴きたかった所ですが。

あと、ジャケットにはランタイムが97分と記されていて、もしかしてディレクターズ・カットか…!?  と喜んだのも束の間、実際は劇場公開版同様、90分強でした。つまり、ミス・プリですな。困ったモノです。

で、特典ディスクの方ですが、収録されているのは、公開当時作られた撮影風景ニュースのメイキング映像に、このDVDの為に新撮されたインタビュー集、さらに特別試写会の模様を収めたドキュメンタリー等。他にスチル&ポスター集にラジオ・スポット。オリジナル予告編も収録されていますが、どうやら、“オリジナル”では無いような気がしますが、ま、イイでしょう。

この中では、当時撮影されたメイキングがレアでイイです。今は亡きウィリアム・ガードラー監督の顔も拝見できるし、こんなつまらない映画なのに、大がかりな撮影が行われている風景を見るのもオツなものです。インタビュー集や試写会風景も含めて、本編よりも、コチラの特典映像の方が面白いぐらいで、これは珍しいケースですな。

因みに、出演女優の一人ジョアン・マッコールとプロデューサーのデビッド・シェルドンによる音声解説も収録。そして、このレーベルからリリースされている他のホラー映画の予告編(『序曲・13日の金曜日』『シャドー・オブ・ゾンビ』『吸精鬼(ワン・ダーク・ナイト)』『猟奇!喰人鬼の島』)が収録されているのもグッド。

※日本盤未発売

 

 

 

 

オルカ

Orca

メーカー アメリカ・Paramount
画面サイズ 2.35:1(SQ)
音声 モノラル(英語)
字幕 英語
ランタイム 92分21秒
リージョン

東宝東和命名による“スパック・ロマン”第1弾として公開された動物パニック映画。尤も、未だに第2弾は公開されとりませんが…。

『ジョーズ』のサメに対抗して、殺人鯨=シャチをモチーフにした作品で、人を襲ったり、港町を破壊したりと、確かにパニック的な要素はあるんですが、実質的に、自分の妻と子供を漁師に殺されたシャチの復讐談になっているので、恐怖感とかは一切ないんですな。なので、通常の動物パニックものの感覚で観ると肩透かしを食らう作品ですな。ワタシは好きですが…。

画質は良いです。音声もモノラルですが、低音が響いていて、なかなかの迫力が出ていますが、特典が何も無いのが寂しいですな。せめて予告編ぐらいあって欲しかったですが。

でもまぁ、980円ぐらいで買えるので良しとしましょうか。未だに日本盤も出ていない事だし、オルカ好きの方に是非お勧めしたい一品ではあります。

※日本未発売盤

 

 

 

 

巨大蟻の帝国

Side1:Empire of the Ants

テンタクルズ

Side2:Tentacles

メーカー アメリカ・MGM/UA
画面サイズ @1.85:1(SQ)、A2.35:1(SQ)
音声 @モノラル(英語&フランス語&スペイン語)Aステレオ(英語&スペイン語)
字幕 @フランス語・スペイン語、A英語・フランス語・スペイン語
ランタイム @89分49秒、A101分46秒
リージョン

バート・I・ゴードン監督の『巨大蟻の帝国』とイタリア製バッタもん・ジョーズ映画『テンタクルズ』の2作をカップリング収録したお徳用盤。B級(Z級?)動物パニック映画ファンにはタマらない組み合わせでありますなぁ。

まず『巨大蟻の帝国』は、画質は普通ぐらい。音声もそこそこ。ちゃんとスクイーズ収録っていうのがイイですね。

一方『テンタクルズ』は、以前紹介したイタリア盤と比較すると、画質は、コチラの方がややシャープネスが向上しているような気が…。まぁ、その辺りはPAL原版とNTSC版との差異かも知れませんが。あと、音声は、イタリア盤が5.1ch(イタリア語のみ)だったのに対し、コチラは通常のステレオ音声ですが、意外に音域が広く、サラウンド効果も出ているので、そんなに遜色ない模様。クライマックスのトレンブル・サウンドもどき(?)も、低音を上げると結構イケてます。

どちらの作品も特典は予告編のみですが、2作収録で約千円ぐらいというのが、お得用感バッチリですね。それと、『テンタクルズ』の方は、イタリア盤がPAL方式の早回し仕様だったのに対し、コチラは通常の回転(オリジナルのランタイム)になっているので、これも嬉しいですね。

※『巨大蟻の帝国』のみ日本盤未発売

 

 

 

 

スクワーム

Squirm

メーカー アメリカ・MGM/UA
画面サイズ 1.85:1(SQ)
音声 モノラル(英語)
字幕 英語・フランス語・スペイン語
ランタイム 92分46秒
リージョン
ミミズ一千万匹&ゴカイ九千万匹が登場するゲテモノ・ホラー映画の怪作。生理的恐怖=気持ち悪さだけを追求したC級作品だが、そのパワーは大したもの。日本でもカルト的人気を誇っている70年代を代表する動物パニック映画でもある。

画質はなかなか宜しい。日本でも来年2月にDVDがリリースされるが、英語字幕も付いているこの輸入盤なら、早く欲しいマニアには最適だと思われます。

特典はオリジナル予告編と、あと、ジェフ・リーバーマン監督の音声解説が収録されています。多分、日本盤には収録されないと思いますので、それを聞きたい方は、コチラを是非ゲットするように!

 

 

 

 

アニマル大戦争

Day of the Animal

メーカー アメリカ・Digital Versatile Disc
画面サイズ 1.33:1
音声 擬似ステレオ(英語)
字幕 なし
ランタイム 97分06秒
リージョン ALL
『グリズリー』のウィリアム・ガードラー監督による動物パニック第2弾。前作の熊ちゃんに対し、今回は、犬・鷲・豹・蛇・鼠、そしてまたまた熊と、動物の種類で勝負する一編。種類が多い分だけ、面白さが増しているとも言えるが、この監督の本領は、次の『マニトウ』で発揮されたのであった。その後、ヘリコプター事故で死亡したが、『マニトウ』が面白かっただけに、悔やまれる。

画質はイマイチ。オリジナルのスコープ・サイズからのトリミングだけに、シャープネスが欠けているような。でも、せっかくDVDで出すのに、何故トリミング版なのか、よく分からない。音質もそこそこだが、ジャケットには何も書かれていないが、一応、ステレオになっているようである。ドルビー・ステレオの作品じゃないので、擬似ステレオかも知れないが…。

特典は何もナシの上、チャプターが4つしかないのが難。ほとんどやる気のないDVDとみた。

※日本盤未発売

 

 

 

 

スウォーム

The Swarm

メーカー アメリカ・Warner
画面サイズ 2.35:1(SQ)
音声 ドルビー・サラウンド(英語)
字幕 英語・フランス語・スペイン語・ポルトガル語
ランタイム 154分57秒
リージョン
『ポセイドン・アドベンチャー』『タワーリング・インフェルノ』のヒットで味をしめたプロデューサーのアーウィン・アレンが、単独に監督までして、見事失敗した動物パニック大作。

劇場公開版よりも約40分長いロング・バージョン(ディレクターズ・カット?)でのリリースで、追加シーンのお陰で、以前より多少面白くなっているようだが、全体に漂うトホホ感は、あまり変わっていないような…。

キャストも豪華で、本物の蜂を使って撮影されたという特撮シーンが、CG全盛の今から見ても、なかなか大したものだと思ってしまうのだが、やはり何と言っても、この映画で一番素晴らしいのは、ジェリー・ゴールドスミスの音楽だったりする。

さすがにメジャー作品だけあり、画質・音質は最高。音声が5.1chでないのは惜しまれるが、とにかく画質面ではトップクラスである。

特典は、メイキング・ドキュメンタリーと予告編で、今は亡きヘンリー・フォンダやアレン監督の撮影中の顔が見られるのが貴重である。

※日本盤未発売

 

 

 

 

ヒンデンブルグ

The Hindenburg

メーカー アメリカ・Universal
画面サイズ 2.35:1(LB)
音声 ドルビー・サラウンド(英語)
字幕 英語・スペイン語・フランス語
ランタイム 125分20秒
リージョン
これも70年代パニック映画。実話を元に構成したという意味では、後の『タイタニック』に近い作風か。ま、泣きの感動はあまりありませんが…(ジョージ・C・スコットはちょっと泣かせてくれますが…)。

ノン・スクイーズのお陰でって事もありませんが、画質はイマイチです。ノイズっぽいザラつきが感じられて、多分、ワイド版LD時のマスターをそのまま使っていると思われます。なので、画質を期待するとイマイチですな。

あと、スクイーズじゃないので、ワイド画面にすると、字幕が画面外にハミ出してしまって、字幕が読めないという事態もあり、ちょっといい加減な作りが目立つDVDですな。

特典どころか、予告編も収録されていないのも残念だし、ほとんどやる気の感じられないDVDであります。ま、映画は好きなんですけどね…。

※日本盤未発売

 

 

 

 

パニック・イン・スタジアム

Two Minute Warning

メーカー アメリカ・Universal
画面サイズ 2.35:1(LB)
音声 モノラル(英語&スペイン語&フランス語)
字幕 英語・スペイン語
ランタイム 115分20秒
リージョン
70年代に流行したパニック映画の1本。自然災害や事故ではなく、謎のテロリストによる恐怖を描いたという点で、『激突!』や『ジョーズ』風の作りになっている点がユニーク。

特殊装備攻撃隊=SWATの存在を知らしめた事でも有名で、これ以降、アメリカのアクションものには欠かせない存在となった。もっと有名にしたのは『ゾンビ』ですね。

待望のワイド版でのリリースですが、残念ながらノン・スクイーズ。でも、画質はそこそこイイ方。モノラル音声なのも残念と言えば残念ですが…。

特典は予告編のみという寂しい作りですが、ジャケットに記載してあるランタイムが、2時間6分となっているので、「劇場公開版に追加シーンをプラスしたディレクターズ・カット版か!?」と喜んだのも束の間、単なるミス・プリントでした。オイオイ…。

※日本盤未発売

 

 

 

 

エアポート・ターミナル・パック

Disc1:(Side1) 大空港 Airport

Disc1:(Side2) エアポート'75 Airport 1975

Disc2:(Side1) エアポート'77 バミューダからの脱出 Airport '77

Disc2:(Side2) エアポート'80 Concorde: Airport '79

メーカー アメリカ・Univerdal
画面サイズ @〜B2.35:1(SQ)、C1.85:1(SQ)
音声 @5.1chサラウンド(英語)、A〜Cモノラル(英語)
字幕 英語・スペイン語・フランス語
ランタイム @136分29秒、A106分17秒、B113分17秒、C113分09秒
リージョン
ユニヴァーサル映画が70年代に製作した航空パニック映画シリーズ“エアポート・シリーズ”全4作を一挙に収録したデジパック仕様のお徳用BOX(というか、パック)。

1作目の『大空港』は、アーサー・ヘイリーの原作によるグランド・ホテル形式のドラマ構成で、クライマックスに機内爆破事故によるパニックが起きるという作品。

それ以後は、キャラクターのみ踏襲したもの(といっても、ジョージ・ケネティ扮するジョー・パトローニ役だけだけど…)になっていて、全てオリジナル脚本で進行。2作目はジャンボ機と小型飛行機との空中衝突事故、3作目は、自家用ジャンボ機がハイジャックされ、挙げ句にバミュターダ海域に沈没というパニック、4作目は、乗客の一人を殺す為、空軍の戦闘機や熱誘導ミサイル、そして時限爆弾等、ありとあらゆる方法で飛んでるコンコルドを亡き物にしようと大騒ぎ…というトンでも映画に仕上がっています。

画質はかなり良好です。1作目〜3作目までは、今まで別のメーカーから出ており、基本的には同じマスターを使用しているみたい。今回が初DVD化となる4作目のみ、ビスタ・サイズになっていますが、これはオリジナル通りのサイズ。

音声は、1作目のみ5.1chになっていて、他の作品は、全てモノラル。ちょっと残念ですが、オリジナルがモノラルだったんで、しょうがないでしょう。因みに、1作目は70ミリ作品でしたね。

あと、2作目のみ、何故かスクイーズがキツ過ぎて、フルモードに変換しても、チョッピリ縦長映像になっている。何故…?

特典は、予告編のみという寂しい作りですが、2枚組で、各サイドに1作品ずつという構成が、いかにもお徳用盤って感じで、実際、$16〜17ぐらいで手に入るんだから、1作当たり$4〜5という格安さ。

1作目のみ日本盤が出ていますが、早回し版の上モノラル仕様という不完全版なので、是非コチラをゲットするように。

 

 

 

 

ブラック・サンデー

Black Sunday

メーカー アメリカ・Paramount
画面サイズ 2.35:1(SQ)
音声 5.1chサラウンド(英語)/モノラル(英語&フランス語)
字幕 英語
ランタイム 142分58秒
リージョン
1977年7月23日、日本公開が予定されていながら、テロリストの脅迫によって、公開中止を余儀なくされた幻のアクション超大作。ミュンヘン・オリンピックの選手村を襲撃した事でも有名なアラブのテロリスト・グループ“黒い9月”による、合衆国への爆弾テロを描いた、例の「9.11」を過ぎた今観ると、とてもアブない映画に見える作品。

しかし、政治的メッセージは割と控えめで、あくまでもイイ奴と悪いヤツとの闘いが中心に描かれているのは、さすがフランケンハイマー監督であります。

日本ではビデオとLDがリリースされていたものの、いずれもワイド版では無かったので、90年代初頭にリリースされたワイド版LDは貴重な1枚でしたが、今、ここにDVDのリリースによって、さらなる進化を遂げましたな。

スコープ・サイズのワイド画面は勿論、5.1chサラウンドの音響も迫力バッチリ。画質も申し分ない出来であります。

残念ながら、特典は予告編さえもありませんが(実は、予告編自体が傑作なんですな、これ)、本編の圧倒的迫力によって、そんな事は関係無くなってしまう程凄いので、観ていない人は絶対必見。

 

 

 

 

テンタクルズ

Tentacoli

メーカー イタリアPulf Video
画面サイズ 2.35:1(SQ)
音声 5.1chサラウンド(イタリア語)/モノラル(イタリア語)
字幕 イタリア語
ランタイム 97分29秒
リージョン ALL(PAL)

『ジョーズ』の大ヒットにあやかって作られたイタリア製バッタもん動物パニック映画の珍作であります。

画質がとにかく良いです。なので、劇場でも、そして東映ビデオから出ていたビデオ(これは画質が酷かった…)でもよく見えなかったクライマックスのオルカVSタコの死闘が鮮明でバッチリ確認出来ます。ま、見せ場はそこと、中盤の奥さんがやられるシーンと、あと、赤ちゃんが消えるシーンぐらいしか無いんですけどね…(笑)。

最近日本盤がリリースされましたが、英語のみで、しかもモノラル。その点このイタリア盤は、イタリア語音声が5.1chサラウンドになっているので、クライマックスの海底シーンが、劇場公開時と同様のトレンブル・サウンドで味わえます。これは貴重ですね。

特典は予告編のみですが、とにかく、音にウルサイ人にはお薦めの1枚です。

 

 

 

 

クィーンコング

Queen Kong

メーカー アメリカ・Retromedia
画面サイズ 2.35:1(LB)
音声 モノラル(英語)
字幕 なし
ランタイム 84分06秒
リージョン ALL

これまた巨猿映画です。タイトルだけは、一番メジャーかも知れません。他の同系統の映画と違い、完全に『キング・コング』(戦前版)のパロディ映画になっているのが特長で、豊富なギャグの割に全く笑えない、お寒い映画になっています。

画質は、この種の映画にしては良い方でしょう。音質もまぁまぁ。元々英語版として作られているせいか、セリフも全て英語になっています。

珍しく特典付きで、この映画のフランク・アグラマ監督とフレッド・オーリン・レイという、バカ監督二人によるコメンタリーが、バカ丸出しで必聴です。あと、オリジナル予告編のノリが、本編以上に素晴らしい出来に仕上がっています。

日本盤は、既にリリースされていますが、こんなバカ映画の割には値段が高いので、「そんなに出せるか!」という人には、この輸入盤をお勧め致します。ハッキリ言って、字幕なんて、必要ありません。

 

 

 

 

北京原人の逆襲

The Mighty Peking Man

メーカー アメリカ・Buena Vista
画面サイズ 2.35:1(SQ)
音声 モノラル(英語)
字幕 なし
ランタイム 90分45秒
リージョン 1

昨年に観ておきながら、レビューし忘れていたヤツです…。

お馴染み、キングコングの香港版。ラウレンティース・コングを意識して作られたもので、ストーリーはほぼ同じ。むしろ、こちらの金髪ギャルの方が、目の保養に良い感じで、彼女を見ているだけで、なかなか楽しめます。ただ、無責任に終わる唐突なラストは、閉口するばかりですが、それも香港映画テイストという事で…。

画質はとにかく最高です。なにせ、あのクエンティン・タランティーノが主催するローリング・サンダーによる配給で、全米でリバイバル上映されたというニュー・プリント・バージョンでDVD化されているものだから、ピカピカの画質は有り難いものであります。

特典は予告編だけですが、とにかく本編がブッ飛んだ面白さなので、それで十分ですね。

 

 

 

 

A*P*E

A*P*E

メーカー アメリカ・Image Entertainment
画面サイズ 1.9:1(SQ)
音声 モノラル(英語)
字幕 なし
ランタイム 85分51秒
リージョン 1

ブっ飛んだ面白さというと、コチラも凄いです。ブッ飛び度としては、『北京原人の逆襲』の10倍ぐらいでしょうか…(笑)。リメイク版『キングコング』も、『北京原人の逆襲』も着ぐるみ巨大猿でしたが、コチラも同じく着ぐるみで、こんな所に日本の特撮技術が活かされていたなんて…。

開巻いきなり、巨大猿と人喰い鮫との死闘シーンが展開するという、いわば“コング対ジョーズ”のシーンから始まる。それだけでもうお腹いっぱいって感じでしたね。因みに、映画そのものの詳しいレヴューはこちらをご参照あれ。

こんな映画にも関わらず、スクイーズ方式のスコープ・サイズ(スコープとビスタの中間…?)で、画質も抜群というのが、喜んでイイのか悲しんでイイのか…。

元々は3D映画として作られているので、その3D効果を楽しむのにも最適…なところが全然無いのが悲しいですね…。

※日本盤未発売

 

 

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