日本映画

 

 

 

東映アクション映画音楽列伝 東映実録映画シリーズ サウンドトラックコレクション

CD/日本・VAP/96年
全42曲
「仁義なき戦い」のサントラコレクションに続いてリリースされた“東映アクション映画音楽列伝”の第2弾は、“仁義なき〜”以外の実録やくざ映画のサントラコレクションである。収録作品は、『仁義の墓場』『県警対組織暴力』『やくざの墓場/くちなしの花』『北陸代理戦争』『暴力金脈』『脱獄・広島殺人囚』『日本暴力列島/京阪神殺しの集団』『沖縄やくざ戦争』の8作。『仁義なき戦い』でこの路線のファンになった人々が続けて歩んだ実録の道を思い出させる数々の傑作群である。

前記5作が『仁義〜』同様、津島利章で、その他は広瀬健次郎八木正生が担当していますが、やはり、津島節が強烈な印象を残し増すな。特に、悲しみと狂気を帯びた『仁義の墓場』がインパクト大ですな。勿論、映画も傑作だった『県警対組織暴力』もサイコーです。

因みに、『やくざの墓場/くちなしの花』のタイトル曲は、下で紹介している『新・仁義なき戦い/組長の首』のタイトル曲とひじょうによく似ていて、ボ〜っとしながら聴いていると、どちらがどちらなのか、分からないぐらい。ま、津島さんも忙しかったようで…。

 

 

東映アクション映画音楽列伝 仁義なき戦い サウンドトラックコレクション

CD/日本・VAP/96年
全43曲
深作欣二監督のライフワークとでも云うべき、東映実録やくざ映画シリーズの最高峰“仁義なき戦いシリーズ”全9作の主要曲を集めたオムニバス・アルバム。正編5作については、劇場公開当時にサントラLPが出ていましたが、音楽に加えてセリフも収録されていた、いわゆるドラマ編サントラだったのに対し、このCDは、音楽のみで構成された実質的な劇伴サントラ。正編5部作に加えて、今回が初収録となる新編3作、さらに番外編1作(これのみ監督は工藤栄一で、音楽は柳ジョージ)もプラスした、まさに集大成盤。音だけを聴いていても、ゾクゾクするような感覚に捉われますな。

津島利章作曲のあの“♪ズンズンズンズン…”というテーマ曲は、1作目のオープニングのナレーション部分で初めて聴ける訳ですが(意外にもタイトル曲は違う曲なんですね)、2作目以降、タイトル・バックに流れるそのテーマが、徐々にアレンジされていく経過を耳にするのは、ある意味面白いですな。また、バラエティ番組等でもよく流れる“♪チャララ〜ン!”というトランペットの旋律も随所に流れて、気分が高揚する事請け合いですな。

新編の2作目以降は、オリジナル曲で勝負していますが、後に紹介する他の実録路線映画とよく似た曲調のスコアがあるのは、ちょっと笑ってしまいますデス。

基本的にはシネテープ起こしの録音ですが、8作目のみ、マスターテープ紛失により、フィルム・サウンドトラックからの収録になっていますが、そのサービス精神は、嬉しいですな。

 

 

新幹線大爆破

CD/日本・VAP/97年
全41曲
パニック映画全盛年の1975年、『タワーリング・インフェルノ』にぶつけるようにして公開し、日本映画の意地を見せた和製パニック映画の傑作。公開当時は2曲入りのシングル盤のみリリースされていましたが、現在は、その2曲をも含む完全版(映画に流れた全ての曲を網羅)にてリリースされております。

音楽は青山八郎。同じ東映の『大脱獄』『神戸国際ギャング』『日本の仁義』の他、松竹の『君よ憤怒の河を渉れ』も手掛けているベテランで、よく考えたら、ほとんど健さん主演作ですな。それだけ当時はウマが合ったという事なんでしょうかねぇ。

映画も素晴らしいけど、音楽がこれまたイイんですな。映画を観ている間は、ストーリー展開が面白過ぎて、イマイチ印象に残らないんですが、それでもあの「♪ウ〜ウ〜…」と始まる女声のスキャットが、回想シーンにピッタリで、何とも言えない悲しい気分になってくるんですな。他に、スリリングな曲調や、ブリッジ風の音楽等、バラエティ豊かで劇中のひかり109号同様、ノンストップで聴かせてくれます。

それにしても、健さん射殺後に流れるあの明るいエンディング・テーマは、何度聴いても違和感ありますな。観ている側は、ほとんどが健さんに感情移入している筈なのに、あの軽快でドラマティックな曲調は、健さんが射殺されて喜んでいるような、まるで丹波哲郎節、みたいな感じですな。ま、その直後に「特別出演・丹波哲郎」と大きくクレジットされるので、本当にそういう意味があるのかも知れませんが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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