ムービーコラムA

徹底検証!

何故かビデオにならない映画たち

 

  多分、映画ファンの方は、みんな多かれ少なかれ、ビデオで映画を観る事も好きだと思います。勿論、映画鑑賞の基本は、映画館や劇場で観るに限りますが、ドーしても観逃してしまった作品や、全くもって知らなかった作品、或いは、今じゃ映画館では観られなくなってしまった古い名作なんてのを観る為には、やっぱりビデオで、という事になりますネ。

 まぁ、一番理想なのは、一度映画館で観て面白かった映画、気に入った映画、忘れられない映画などを、もう一度ビデオで観て、思い出に浸る、というのが、正しいビデオでの映画鑑賞法(つまり、一番最初は、なるべく映画館で観て欲しいという事です)だと思うのですが、その、自分が観たいと思う映画が、ちゃんとビデオになってくれていればナンの問題もないのですが、そうじゃない場合、これはもう歯痒い思いをしなくてはなりません。

 そんなバカな!? 映画なんて、みんなビデオになっているヨ。と思っている方も大勢いらっしゃるでしょうが、さぁお立ち会い、ここからがこのコラムのメインになっていきます。未だにビデオになっていない映画が、まだまだあるのです。他人にとっては、ドーでもイイような映画でも、自分にとっては抱きしめたいぐらい愛しい映画って、みんなあるでしょう。僕にもあります。でも、それが果たしてビデオになっているか、これが重要なポイントで、意外にも、世界に名だたる名作なのに、未だにビデオになっていないという場合が、結構あるもんなんですネー。

 取り敢えずここでは、我が日本国では、まだビデオになっていない、という事を中心に、それはドーいう映画なのか、何故ならないのか、という事をお話したいと思います。

 実は、映画がビデオにならない理由には、次の5つの項目が考えられます。

 

●ビデオにならない映画 理由その1
   《その映画の監督やプロデューサーがOKしない》

 

 結構あるんですヨ、こんな事って。最近じゃ、メッキリ減りましたが、一時のスピルバーグやジョージ・ルーカス監督の映画が、この餌食に遭っていました。スピルバーグ監督でいうと、あの『E.T.』が有名で、今はちゃんとビデオになっていますが、出る前は、「この映画は何年かに1回、劇場でリバイバル公開し、様々な世代の人たちに、映画館で体験してもらいたいので、絶対にビデオにしない!」と言っていましたが、結局、ユニヴァーサル映画の親会社であるMCA(現在はパナソニック)の社長の説得に負け、渋々OKしたという事でしたが、本人はビデオにしたくなかったようです。でもまぁ、その映画のファンからすれば、それに越した事はない訳ですよネ。

劇場公開から6年後にビデオになった『E.T.』
※(但し、現在はDVDになってます)

                     

 他には、あのスタンリー・キューブリック監督も、ビデオ化になかなかOKを出さず、特に最後の砦と言われた『時計じかけのオレンジ』は、あまりに日本でリリースされないものだから、わざわざ輸入版を買っていた人が大勢いたようでした。

マニアが必死で買い求めた輸入版 後にやっと発売になった日本版(LD)
※(これも今やDVDでリリースされとります)

 

 それから日本の故・黒澤明監督の映画も、我が日本ではなかなかビデオになりませんでした。何故かアメリカや他の国では、早々にビデオ化されていたというのに。黒澤監督の場合、『七人の侍』『羅生門』『用心棒』など、数々の名作が世界レベルで評価されていて、だから海外でビデオになるのは分かるのですが、何故か日本でビデオになるのが一番遅かったのでした。理由は、ウーン、今じゃ監督も亡くなってしまったので、ハッキリした事は分からないのですが、多分、ある種、意地になっていた部分もあったのでしょう。というのも、黒澤監督って、結構日本では、あまり評価されておらず、逆に海外での評価の方が高かったぐらいで、だからそれに対する黒澤監督のシッペ返しみたいな所があったんではないでしょうか。

 ビデオの発売元である東宝も、結構それには頭を悩ませていたようで、日本の黒澤ファンなんか、日本でビデオが出ないのに業を煮やして、わざわざアメリカで発売されていた黒澤映画のビデオやLDを、通信販売等で買う人もいて、そういうのがあまりに多い為、交渉の結果、やっと日本でも東宝からビデオが出たという状況だったようです。

『七人の侍』 『隠し砦の三悪人』 『蜘蛛の巣城』 『天国と地獄』 『赤ひげ』
これらの黒澤作品は、全て輸入版(アメリカ版)でしか観る事が出来なかった
※(現在は全て日本でもDVDが出とります)

    

実際現在も、黒澤映画は1本たりとも、日本では未だにDVDリリースされておらず、このような海外で発売されている輸入盤が、今の所日本でも、輸入ショップを通じて出回っているようで、黒澤映画ファンの方は、これからもかなり苦労しなくてはならないようです。

これが台湾製の『七人の侍』DVD 同じく台湾盤の『用心棒』DVD
※上記の文章は、2001年当時のもの。現在は全作品DVDリリースされてます。

 

 

●ビデオにならない映画 理由その2
   《権利関係がクリアされていない》

 

 これも以前はよくありました。権利といっても色々あって、例えば音楽。その映画に既成の曲が使用されていた場合、最初からビデオ化する時の権利まで含めて契約されていればイイのですが、劇場での公開のみの契約になっていたりしたら、当然ながら、もう一度権利を取得しなければなりません。所が、その為にわざわざ高い権利金を払いたくないというビデオ・メーカーがあると、結局その映画は、いつまで経ってもビデオにならないという事になります。

 一時、その餌食になっていたのが、『アメリカン グラフィティ』『ブルース・ブラサーズ』の2本で、アレだけ有名で、ヒットした映画なのに、何故か日本でだけ、長らくビデオになっていませんでした。聞くところによると、多数収録されている曲の、たった1曲だけが権利クリアになつていなかったらしく、おそらく音楽の権利を持っているレコード会社なんかが、結構高い権利金を吹っかけていたんじゃないかと思われますが、それになかなかOKを出さなかったビデオ会社といい、どっちもどっちっていう感じで、我々ユーザ=ファンが、一番いい迷惑しているといった状況だった訳です。

数年前にやっとリリースされた、『ブルース・ブラザース』と『アメリカン グラフィティ』

       

 でも、ビデオ・メーカーの中には、権利をクリア出来ていない曲だけを除外して、ビデオ化に踏み切る所もあるのですが、そういう場合は、その曲の代わりに違う曲を挿入したり、或いは全くカットしてしまったりという不完全な形で、ビデオになっていました。

 特に、これは何故か理由が分かりませんが、CICビクターからリリースされている、ユニヴァーサル映画やパラマウント映画に、そういう例が多いようで、ビデオのパッケージの裏に、“HOME VIDEO VERSION”と書かれてあるものが、どうもそのようみたいです。つまり、劇場版とは違う“ビデオ用バージョン”ですヨ、という事なんでしょうが、全然印象に残らない曲だったら別に問題ありませんが、例えば『ロンゲスト・ヤード』のように、最初の方のシーンで、主人公がシトロエンに乗った途端、カー・ラジオからレーナード・スキナードの「サタデー・ナイト・スペシャル」が流れるというのが劇場版だったのに、ビデオ版では、全く何の曲も流れないという事態になっていて、これはどうも迫力不足というか、拍子抜けしてしまうもので、ハッキリ言って呆れてしまいました。

 他にも『フライングハイ』の初期リリース版なんて、ジュークボックスから流れる筈のビージーズの「ステイン・アライブ」が、全然別のインストゥルメンタル曲に差し替えられていて、せっかくの『サタデー・ナイト・フィーバー』のパロディ・シーンが、散々なものになってしまっていたりして、逆に言うと、そんな状態でならビデオ化して欲しくなかったと、本気で思う事も度々ありました。

 それもこれも、みんな、ビデオ・メーカーが、ちゃんと音楽の使用権利をクリアにしていないのが原因で、最近はそういう事もなくなりましたが、その原因で未だにビデオになっていない映画も、絶対にある筈です。

 因みに、僕が知っている範囲で、劇場公開版とビデオ版とで、劇中に流れる音楽が違うものをリスト・アップしてみました。何も知らない人は、一部、トンでもない代物を見せられていたという事ですネ。

 

   劇場版とビデオ版とで、音楽が違う映画リスト

タイトル ジャケット メーカー カット部分
ロンゲスト・ヤード CICビクター カーラジオから流れるレーナード・スキナードの「サタデー・ナイト・スペシャル」が流れない。エンド・タイトルの音楽「アメリカン・フットボール・マーチ」も違う曲に差し替えられている。
スラップ・ショット CICビクター マキシン・ナイチンゲールの主題歌「愛とは強いもの」が違うインストゥルメンタル曲に差し替えられている。
マラソン マン CICビクター ラジオから流れる歌が違う。
すてきな片想い CICビクター バックに流れる挿入歌が、一部違う。
フライングハイ CICビクター 「ステイン・アライブ」が違う曲に差し替えられている他、テーマ曲に収録されていた「ジョーズのテーマ」も違うものに差し替えられている。(初期リリース版)

ただし、後にリリースされた廉価版は、オリジナル通り、劇場公開版でリリースされている。

 

大逆転 CICビクター バックに流れる挿入歌が、一部違う。
遊星からの物体X CICビクター ラジカセから流れるスティーヴィー・ワンダーの曲が、違う曲に差し替えられている。

ただし、現在リリースされているDVD版は、オリジナル通りになっている。

48時間 CICビクター バックに流れる挿入歌が、一部違う。
ウォリアーズ CICビクター バックに流れる挿入歌が、一部違う。
カリフォルニア・ドリーミング   ベストロン アメリカが唄う主題歌「夢のカリフォルニア」が、違う曲に差し替えられている。

 

 

●ビデオにならない映画 理由その3
   《個人が権利の主張をしている》

 

 これは希な例ですが、それでも確かにあります。例えば、三島由紀夫自身が監督した『憂国』という映画は、三島が自決後、彼の家族や親類に当たる者が、フィルム自体を処分してしまい、だからビデオどころか、今では劇場でさえも観られない状況になっているし、それに関連した例で言うと、アメリカで作られた三島由紀夫の伝記映画、『ミシマ』も、作られて既に20年も経っているのに、未だに日本で劇場公開されていないのは、先程と同様、家族が劇場公開に反対しているからで、アメリカでは遠くの昔にリリースされているビデオも、日本では未発売。理由は同じ、家族の反対です。

 これらは、三島由紀夫関連の権利を有する人たちの意見を尊重するという意味なのですが、それらの映画を観たい一般人からすれば、迷惑千万な事。まぁ、人権侵害になってしまう恐れがあるので、どのメーカーも手を出さないでいる訳なのでしょうが、でもやっぱり観たいという気持ちは大いにあるのも事実です。

 因みに、『ミシマ』は、一時、輸入ビデオが、日本でも輸入ショップ等を通じて入手可能で、一部レンタル店にも、不法レンタルではありますが、流れた事があります。僕もそれで観る事が出来たのですが、なにせアメリカ映画といっても、出演者は全員日本人。永島敏之や沢田研二などが出演していて、烏丸せつ子のヘアー・ヌードが見られるといって、ちょっとした話題になっていたものでありました。今ではアメリカでも絶版になってしまったみたいで、なかなか入手しにくくなっていますが、タマに日本の中古ビデオショップで、法外なプレミア価格が付けられて売られているのを見掛ける事があります。

これが現在プレミアものの『ミシマ』。中古でも1万円以上という、高額で販売されているが……
※現在は輸入DVDが入手可能になっているが、日本では未リリース。

           

 それと『憂国』ですが、フィルム自体存在しないというのに、何故かアメリカの小さなビデオショップには売っている場合があるそうで、勿論それは海賊版なのですが、どうやってそれを作ったのか(多分、何処かにプリントが残っていたのでしょう)、怪しいもんですが、それでも日本映画なのに、日本で観られないものがアメリカで観られるというのは、本当に情けない気がします。

 他にも、故・勝新太郎の名物シリーズ“座頭市シリーズ”の第22作『新座頭市/破れ!唐人剣』も、シリーズ中これだけがビデオになっていません。これは、当時の香港の大スター、ジミー・ウォングが共演している作品で、どうやら、香港のショウ・ブラザースに権利があるようなのですが、後のブルース・リー・ブームの時に、『片腕ドラゴン』等で活躍したジミー扮する片腕剣士と、盲目の座頭市が対決するという面白いストーリー(香港版と日本公開版とでは、ラストの決着は全く違うらしい!)だけに、観たいファンが大勢いるにも関わらず、これも権利の関係でビデオにならないというのは、どうも理不尽な気がします。これもいわば、半分、日本映画なのに……。

『新座頭市/破れ!唐人剣』の香港版ポスター
※現在は日本盤DVDがリリースされている

                        

               

●ビデオにならない映画 理由その4
   《単純に日本のメーカーが、怠慢》

 

 全くもってその通り。つまり、日本ビデオ・メーカーが怠慢なだけという理由。特に、アメリカに本社を持つメジャー系メーカーに、そういう場合が多いのです。

 アメリカでは既にビデオになっている映画も、日本ではなかなかビデオにならないという典型的な例で、もしかすると、この理由が一番多いかも知れません。特に向こうのビデオ・カタログなんかを見ていると、そりゃあもう膨大な数の映画がビデオになっていて、むしろ今じゃ、ビデオになっていない映画の方が少ないぐらい。

 日本も結構追いついてはいるものの、10年前のバブル期などは、大手だけじゃなくて、小さなメーカーも沢山あり、そういうとこが細かいのをいっぱいリリースしていたので、その頃は結構出ていたのですが、今はその手の作品も、メーカーが消滅してしまった(やっぱりバブルでしたから…)のと同様、ビデオ自体も絶版になってしまって、それらが再リリースされる見込みは今の所一切ナシという状況になっていて、しょうがないから今では、中古ショップでそれらのビデオを探し回るマニアがいる程で、一時無数にあったレンタル店も、今は大型店に合併・吸収されたりして、小さい店はかなりの数が激減しているようで、だからその手の古い作品をレンタルで観ようと思っても、それも出来ない状況というのは、本当に困ったもの。

 それだけじゃなく、以前にヒットした映画や、古典的な名作も、単に年度が古いというだけでメーカーがリリースするのを敬遠している場合も多く、アメリカでもビデオになっていないという場合ならともかく、ビデオにする為の素材もちゃんと揃っているというにも関わらず、それでも日本で出ないというのは、これまた困ったもの。ヒット作だけを出して、金儲けに走りたい気持ちは分かりますが、やっぱり、広範囲に渡って色んな映画も観たいもの。その為にビデオという便利なものがあるのですから、もっともっと、埋もれている映画を発掘して欲しいものだと、切に思いますネ。

ブライアン・デ・パルマ監督の未公開作『ワイズ・ガイズ』だが、ビデオ化もまだ。

                           

シリーズ第2作『エアポート’75』と3作目『エアポート’77』、そして『ジェットローラーコースター』
これらの70年代パニック映画も、日本では未発売。何故だー!
※現在“エアポート・シリーズ”は全作DVDリリースされてます。

 

ブルース・リーのバッタもん映画『7人のカンフー』と『スカイ・ハイ』などの70年代クンフー映画もやはりまだビデオになっていない。70年代は呪われているのか?

 

 

●ビデオにならない映画 理由その5
   《差別問題でビデオ化出来ない》

 

 さぁ、これが今回のメイン・テーマになりそうです。今までの4つの理由は、3つ目を除けば、みんなメーカーが努力すれば出来る事ではあったのですが、この5番目の理由は、ある意味3つ目と関連する事かも知れませんが、とにかく、メーカーとしては出したいのは山々なのですが、世間的な体面、問題提起の影響等で、メーカー自体が自粛しているという、そういう困った問題を含んでいるものなのです。

 一口に差別問題といっても色々ありますが、ここで取り上げているのは、身障者に対する差別意識の問題です。まぁ、身障者を悪く扱っているような映画はあまりありませんが、それでも、描いているテーマは別なのに、そこにタマタマそういう問題が発生してしまい、結果的に差別を助長している映画だと決め付けられ、ビデオ化が不可能になってしまった映画というのが、何本かあります。

 例えば最近の一番有名な例で言いますと、『ノストラダムスの大予言』。これは東宝が、73年の末に公開してヒットした『日本沈没』に続く、特撮パニック路線の第2弾として製作した映画で、74年の夏に公開されましたが、その劇場公開の時から、既にある問題が生じており、公開2週間後に、問題箇所をカット、その後、劇場公開終了後は、テレビ放映もなく(実際には80年の11月に、関東方面のみ、スペシャル番組扱いで放映されている)、85年の春に、一度はビデオ&LD化の運びになったものの、直前になって中止、結局今に至るまでビデオになっていないという代物で、今じゃある種、幻の映画になってしまっているものです。

一昨年は1999年という事で、大いに盛り上がったノストラダムスですが……

               

 何が問題あるのかというと、どうやら、核に侵されてしまった人間を怪物扱いしている、という事が最大の問題であるらしく、映画の性格上、それは仕方のない事で、別に作り手が意識して、悪意を持ってそう描いている訳ではないのですが、ある被爆者救済団体にとっては、それは頂けないものと写ったようでした。

 その問題については、最近も色々な雑誌で取り上げられ、どういう部分がダメなまのかといった検証も行われているみたいなので、ここでは省きますが、しかし、やっぱりどうもスッキリしないのが正直な所でしょう。

 確かに差別はいけないと思います。しかし、いわゆる表現の一つの方法として、そういう描き方がされていて、それでも尚かつ差別についての考えを、もう一度見つめ直そうという、そういう姿勢があってもイイ訳で、何でもかんでも、映画にしているのはイケナイという論じ方は、“表現の自由”を奪う方策であるとも思え、もうちょっと柔軟な態度が必要なのではないかと思います。

 でも、アメリカ辺りは、そういう事には結構容認している国のようで、そういう問題でビデオにならないという事は、一切ないようです。実際この映画も、アメリカでは“Last Days of Planet Earth”と題されて公開、そしてビデオ化されていて、一時日本の輸入ビデオショップなどでは、そのビデオやLDが入手可能でした。

これが噂の『ノストラダムの大予言』アメリカ盤LD

現在は入手困難なアイテムになってしまい、某コレクターズ・ショップでは、10万円からスタートして、毎日千円づつ安くなっていくカウントダウン・セールで、スタートから2〜3日で売れてしまったという、凄い人気ぶり。

           

 僕自身も、その輸入LDでやっとこの映画を観れた訳ですが、しかし、オリジナルは当然日本映画なので、セリフも日本語の所を、そのLDは、セリフは英語に吹き替えられていて、おまけにオリジナル版から約30分程カットされているという不完全バージョン(アメリカでテレビ放映されたバージョンだとか)になっていて、不満も亡きにしもあらずなのですが、今の所、正式にこの映画を観られる唯一の手段としては、それしかないので、まぁ諦めながら観たものでした。

 今、正式に、と言いましたが、最近になって、これの海賊版ビデオが巷に流出した事があるようで、おそらく東宝の関係者が、著作者に無断でビデオ化したものが出回っているらしく、実際に中古ショップでそれを買って観た人もいるそうで、違法とはいえ、やっぱり観たいと欲している人がそれだけ多いという事に他ならず、メーカーである東宝も、もう少し考えて欲しいと思いますけどネー。

 他にも、こういう差別問題で、なかなかビデオ化に踏み切れない映画が多くあり、例えばタイトルにそれらしき名称が付けられているだけで、ダメだったり、或いは、の映画の中に、身障者が出てくる内容の映画がダメだったりと、かなり犠牲になっている映画があるようです。

クライマックスに身障者(本物のフリークスがノー・メイクで登場)が大量に出てくるホラー映画『センチネル』も、日本では未発売。故に、今はこのアメリカ製輸入ビデオ(※現在は輸入DVDも有り)でしか観られない。

  

ジミー・ウォング主演の“片腕ドラゴン・シリーズ”も未発売

やっぱり、タイトルにある“片腕”が問題なのか?左から『片腕ドラゴン』、『片腕カンフー対空とぶギロチン』、未公開の『片腕ドラゴン対激突!9人のカンフー』だが、2作目のみ、かなり以前、松竹ビデオから日本語吹き替え版でビデオが出ていたが、今は絶版。中古ショップではかなりのコレクターズ・アイテムと化しているが、アメリカ製や台湾製の輸入版ビデオは、輸入ショップ等で簡単に入手できる。

それと最近になって、あるマイナー・メーカーから、1作目もビデオ・リリースされる事が決定したが、マイナー・メーカーだけに、なかなか人の目に触れる機会がないようなのだが………。

※現在は、1作目・2作目は日本盤DVDがリリースされているが、1作目はリリース早々に廃盤になった。

 

 

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