生ける屍の夜たち

 

今でこそジョージ・A・ロメロのデビュー作を『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』と呼んでいますが、日本で紹介され始めた頃は、原題をそのまま直訳して『生きる死の夜』とか、『生きている死体の夜』、または『生ける屍の夜』と呼ばれていました。パイオニアからリリースされた最初のLDも『生ける屍の夜』というタイトルが付いていましたネ。

で、この『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』ですが、現在まで、様々なバージョンでビデオ化されてきました。日本でも、オリジナル版、カラライゼーション版、デジタル・リマスター版、そして最終版と、4種類もリリースされています。基本的に、「最終版」以外は、映像は同じ物ですが、カラーになったり、画質が良くなったり、音声がステレオになったりと、その都度、バージョン・アップされてきているようで、これは日本に限らず、というか、元々本国アメリカでのリリース状況が、そういう形だった為、日本もそれに追随したという訳だったんだと思います。

そこでこのコーナーでは、今までリリースされてきた『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』のビデオ・パッケージをズラリと並べて、「一体、何本出したら気が済むネン!」と、メーカー、並びにロメロに、怒りの声を上げて欲しいと思います。(って、どういう趣旨やねん…?)

 

★日本版ビデオ (ジャケットの解像度が悪くてすみません…)

ジャケット メーカー 仕様 備考

初回版ビデオ

フジビデオ モノクロ/スタンダード

96分

日本で初めてリリースされたビデオ。一応、日本版だが、アメリカで作ったものを、日本でパッケージだけを替えてリリースしていたもので、字幕スーパーも、アメリカで打ち込んでいたようで、字幕の入るタイミングが、ズレまくって、観辛い事夥しかった、曰く付きのビデオ。画質も、かなり悪かった。

同時期に『狼男アメリカン』や『アリス・スィート・アリス』等も出ていたが、どれも同じような代物だった…。

  CIC・ビクター モノクロ/スタンダード

96分

メジャーのCICビクターから出たビデオ。『ザ・クレイジーズ』『マーティン』『ゾンビ』など、ロメロ作品も同時にリリースされ、日本でもやっと、ロメロの名前が認知されるようになった。

リリース・タイトルはナイト・オブ・ザ・リビング・デッド〜ゾンビの誕生』

 

VHD

CIC・ビクター モノクロ/スタンダード

96分

同じく、同時期にビクターから出た、今は亡きVHD。何処へ行ってしまったのか…!?
 

LD

パイオニア モノクロ/スタンダード

96分

VHDに対抗して、LDでもリリース。同時に『ゾンビ』も出ていた。

VHDに対抗してか、こちらのリリース・タイトルは生ける屍の夜』

 

 再リリース・ビデオ

(カラライゼーション版)

にっかつ 着色カラー/スタンダード

96分

コンピュータで色を付けたというカラライゼーション版

観た人によると、色付けにかなり無理があり、不自然な感じがしたとか…。

 

再々リリース版ビデオ

(デジタル修復版)

ビームエンターテインメント モノクロ/スタンダード

96分

デジタル修復版なので、画質が良くなっている。

オリジナル予告編&テレビ・スポットも収録。

LD−BOX

(デジタル修復版)

ジェイ・シー・エー モノクロ/スタンダード

96分

上記のビデオと同マスターのLD版で、3枚組・5面のBOX仕様。

オリジナル脚本、スチール・ファイル、オリジナル予告編&TVスポット、ロメロやキャストのインタビュー、“There’s Always Vanilla”のハイライト・シーン、スクラップ・ブック、ポスターコレクション、パロディー短編映画『ナイト・オブ・ザ・リビング・ブレッド』などを収録。

初回封入特典として、イタリアン・ポストカード付き。

 

初回リリース版DVD

ジェイ・シー・エー モノクロ/スタンダード

96分

こちらはDVDとして初めてリリースされたもの。

上記のビデオ&LDと同じバージョンのデジタル修復版。

オリジナル予告編&テレビ・スポット収録。

 

新装リリース版ビデオ

(30周年記念最終版)

徳間ジャパン モノクロ/スタンダード

ハイファイ・ステレオ

96分

15分の追加シーン(新撮影)が収録された30周年記念の最終版。

新たにデジタル・リマスタリングされている為、画質もかなり向上。

リリース・タイトルはナイト・オブ・ザ・リビングデッド/最終版』

 

新装リリース版DVD

(30周年記念最終版)

カルチュアー・パブリッシャーズ モノクロ/スタンダード

96分

2chサラウンド

日本語吹き替え音声

 

こちらは最終版でリリースされたDVD。

テープ版同様、15分の追加シーンが収録されている上に、映像特典として、“最終版予告編”“ミュージック・ビデオ=「ダンス・オブ・ザ・デッド」”を収録。

 

 

 

★アメリカ版ビデオ

ジャケット メーカー 仕様 備考

 

MEDIA モノクロ/スタンダード

96分

アメリカ初リリース版

(ベータ方式)

 

MEDIA モノクロ/スタンダード

96分

 

アメリカ再リリース版(?)

こちらはVHS方式だが、何故かベータ版とジャケットのデザインが違う…。

    モノクロ/スタンダード

96分

“Dr.Jikyle & Mr.Hide”と“The Corpse Vanishes”との3本立セットのビデオ。
  MADACY ENTERTAINMENT モノクロ/スタンダード

96分

 
一応“コレクターズ・エディション”となっていますが、詳細は不明。
  MADACY ENTERTAINMENT モノクロ/スタンダード

96分

 
“The Human Monster”とのカップリング・ビデオ。

上記と同じメーカーからのリリーなので、コチラの方がお徳用版(?)。

 

 デジタル・リマスター版

  カラー/スタンダード

96分

デジタル・リマスター版という事ですが、メーカー名は不明。

一応、コンピュータ着色によるカラライゼーション版のようです。

  REPUBLIC モノクロ/スタンダード

96分

 
ジャケットのデザインからして、初回のDVD版と同じバージョン…?
    モノクロ/スタンダード

96分

 
 
 

 25周年記念版

  モノクロ/スタンダード

96分

DTSサラウンド

25周年にリリースされたビデオ。本編は同じだと思いますが、音声がステレオになっている模様。
 

 30周年記念版

ANCHOR  BAY ENTERTAINMENT モノクロ/スタンダード

ハイファイ・ステレオ

96分

15分の追加シーンをプラスして再編集した30周年記念版。

 

    

★アメリカ版DVD

ジャケット メーカー 仕様 備考
  UNITED AMERICAN VIDEO モノクロ/スタンダード

デジタル・モノラル

96分

リージョンALL

 

アメリカで一番最初にリリースされたDVD。

(97年8月8日リリース)

 

  Parade
PARADE
モノクロ/スタンダード

デジタル・モノラル

96分

リージョンALL

ボックス仕様の再発売DVD。

何故か日本語字幕付きという珍しいもの。

(98年5月12日リリース)

 

  MADACY ENTERTAINMENT モノクロ/スタンダード

デシタル・モノラル

リージョン1

特別版仕様でリリースされたDVD。

ロビーポスター集や、この映画に対するQ&Aコーナーなども収録。

おそらく、日本の初リリース版DVDと同じバージョンだと思われる。

(98年6月30日リリース)

  MADACY ENTERTAINMENT モノクロ/スタンダード

デジタル・モノラル

96分

リージョンALL

上のバージョンと同じメーカーから半年後にリリースされた、こちらは特典仕様のない廉価版。

(98年12月22日リリース)

 

  ELITE ENTERTAINMENT モノクロ/スタンダード

デジタル・モノラル

96分

THX

リージョンALL

新たにTHX仕様でデジタル・リマスタリングされて新装リリースとなったスペシャル・コレクターズ版DVD。

ジョージ・A・ロメロ、ジョン・A・ルッソ等のスタッフ&出演者の音声解説、及び予告編を収録。

(99年5月18日リリース)

ANCHOR  BAY ENTERTAINMENT モノクロ/スタンダード

デジタル5.1ch

96分

リージョンALL

 

30周年記念としてリリースされた“最終版”DVDの、コチラは通常版。

よって、映像特典ナシの本編のみ収録。

(99年8月24日リリース)

ANCHOR  BAY ENTERTAINMENT モノクロ/スタンダード

デジタル5.1ch

96分

リージョンALL

30周年記念としてリリースされた“最終版”DVDの、こちらはコレクターズ・エディションの限定版。

新撮の15分のシーンが本編に追加されている他、映像特典として、ビハインド・ザ・シーン、『フレッシュイーターズ』の名場面、ミュージック・ビデオ"Dance of the Dead"、そして、オリジナル版と最終版の予告編が収録されている豪華版。

また、ジョン・A・ラッソ、ラッセル・ストライナー等の音声解説に加えて、32ページオールカラーのブックレットが封入されている。

99年8月24日リリース)

GOODTIMES HOME VIDEO モノクロ/スタンダード

デジタル・モノラル

96分

リージョン1

またまた出た再リリース版。だからといって、新しい仕様ではないような…。

(2001年3月1日リリース)

ELITE ENTERTAINMENT モノクロ/スタンダード

デジタル5.1ch

96分

リージョンALL

 

1年経ってまた出てしまった…。今回は、「ミレニアム・エディション」との事。

ロメロの音声解説、パロディ映画"Night of the Living Bread"、スチル写真ギャラリー(レアなカラー写真もあるとか)、ロメロの歴史、"There's Always Vanilla"の名場面、出演者のインタビュー、ポスター・コレクション、決定稿シナリオ、ロメロが演出したTVスポット…など、「ミレニアム版」に相応しい豪華な特典の数々。

 

(2002年3月12日リリース)

 

 

★イギリス版ビデオ
ジャケット メーカー 仕様 備考

4 FRONT VIDEO 1995年1月19日リリース

4 FRONT VIDEO 同じロメロ作品『死霊のえじき』とのカップリング版。

1999年10月18日リリース

 

TARTAN VIDEO   2000年10月30日リリース

THIRD MILLENIUM DIST. LTD. 2001年4月23日リリース

STAX ENTERTAIMENT   2001年9月17日リリース

 

 
ジャケット メーカー 仕様 備考
 

ORACLE HOME ENTERTAINMENT LIMITED 2002年5月13日リリース
 

TARTAN VIDEO 2000年10月30日

 

 

 

★イギリス版DVDStudio: Elite Entertainment,
ジャケット メーカー 仕様 備考
 

ORACLE HOME ENTERTAINMENT LIMITED 2002年5月13日リリース
 

TARTAN VIDEO 2000年10月30日

 

THIRD MILLENIUM DIST. LTD. 2001年4月23日リリース
 

PRISM LEISURE CORPORATION 2001年9月1日リリース

 

 

STAX ENTERTAIMENT 2001年9月17日リリース
 

MOONSTONE PICTURES モノクロ/スタンダード

デジタル・モノラル

96分

リージョンALL(PAL)

 

2001年11月19日リリース
 

ORACLE HOME ENTERTAINMENT LIMITED 2002年5月13日リリース


しかし、これだけ何種類も出して、売れているのかが疑問ですネ〜。ロメロのゾンビ映画は、他にも『ゾンビ』『死霊のえじき』があり、『ゾンビ』は、明らかに本編のバージョン違いが存在しているので、それもかなりの種類がリリースされているのではないかと思われますが、この映画場合は、本編自体にあまり変わりがないのに、ここまで出ているというのが不思議。マニアックなファンがいるというよりも、メーカー・サイドがマニアックというか…。

尤も、元々自主映画に近い形だったので、版権料が安いとか、何かそういう理由があるのかも知れない。それに、ロメロ自身が、ちゃんとした形で劇場公開されなかった(ドライブ・イン・シアターでの上映が主)ので、その鬱憤を晴らす為に、色んなメーカーに重複して権利を売っているのかも…。

 

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