オムニバス盤

 

 

宇宙空母ギャラクティカ〜大草原の小さな家〜ヘンリー・マンシーニ
映画音楽大全集
エンニオ・モリコーネ・ベスト
オリシナル・サウンドトラック パーフェクション2500 
これがオリジナル・サウンドトラックだ!
ゴールデン洋画劇場
サウンドトラック!
サウンドトラック・スペシャル
サウンドトラック ベスト20
ジェリー・フィールディング作品集〜『わらの犬』『メカニック』『追跡者』『チャトズ・ランド』
スティーヴ・マックィーンVSクリント・イーストウッド
デイヴィッド・シャイア作品集
ディノ・デ・ラウレンティース作品集〜『バラキ』『マンハッタン皆殺し作戦』『シンジケート』
ディミトリ・ティオムキン自作自演集
ヘンリー・マンシーニ ゴールド・デラックス

 

 

 

スティーブ・マックイーンVSクリント・イーストウッド 

LP/日・RCA/76年
全20曲

 

「チャールズ・ブロンソンにやや疲れとマンネリズムが見えてきた現在、アクション映画のトップスターといえば、スティーブ・マックイーンとクリント・イーストウッドをおいて他にはおりません…」という書き出しで始まる解説文が掲載されている、両スターの代表的な映画の主題曲を各10曲ずつ、全20曲が収録された2枚組オムニバス・アルバム。リリースされたのが1976年というのが、冒頭の文章とリンクしている訳ですが、今聞くと時代を感じさせますな。80年代に入ってブロンソンがB級アクション連発で持ち直したのも凄かったですが…。

収録曲は、マックィーン編が『タワーリング・インフェルノ』(愛のテーマ)『パピヨン』『栄光のル・マン』『ブリット』『ゲッタウェイ』『華麗なる賭け』『シンシナティ・キッド』『雨の中の兵隊』『荒野の七人』『大脱走』、イーストウッド編が『アイガー・サンクション』『ダーティハリー』『恐怖のメロディ』『サンダーボルト』『ダーティハリー2』『荒野の用心棒』(「さすらいの口笛」とテーマ曲の2曲収録)『夕陽のガンマン』『続夕陽のガンマン』『奴らを高く吊せ!』という内容。サントラは1曲もなく、全てカバー演奏(リチャード・ハンター楽団やボブ・ミラー楽団等)という、当時のオムニバス盤によく見られた傾向ではあるのですが、この中で、当時サントラがリリースされておらず、なかなか聴けなかった音源が何曲か収録されているのは、ある意味貴重でしたね。『雨の中の兵隊』(ヘンリー・マンシーニ)、『ダーティハリー』『恐怖のメロディ』(エロール・ガーナーの「ミスティ」)『ダーティハリー2』『奴らを高く吊せ!』がそれに当たり、これらの曲をレコードで聴く事ができるという点で、このアルバムは重宝したものです。(マックィーン作品よりイーストウッド作品の方が多いのは、やはり、イーストウッド映画のサントラ化が少なかったからでしょうね)

中でも『ダーティハリー』と『ダーティハリー2』の2作は、イーストウッド・ファンなら感涙もので、この2曲だけは特にもう擦り切れる程聴いたものです。しかも、『ダーティハリー2』は、カバー演奏版としては、他のアルバムやシングル盤でも、色々聴く事が出来たのに比べ、『ダーティハリー』に関しては、もしかすると、当時はこのアルバムでしか聴けなかったのではないかと思えるぐらい貴重で、初めてこれを聴いた時にはビックリしたと同時に嬉しかったものです。まぁ、『2』はメロディラインがハッキリしているからカバーし易かったのに対し、1作目の方は、メロディラインが曖昧なスコアになっている関係上、なかなか手が出しにくかったとも言えるんでしょうけど、この英断=セレクトには拍手を送ったものですね。(後にリリースされたサントラと比較しても、結構オリジナルに忠実にアレンジされていたのが窺えました)

全体的に、カバー版の域を出ない大雑把なアレンジになっているんですが、『華麗なる賭け』(ミシェル・ルグラン作曲の主題歌「風のささやき」のインスト)は、オリジナル以上に手の込んだアレンジが施してあり、これだけで聴いても十分鑑賞に堪え得るような名スコアになっているのは凄いです。また、『パピヨン』と『ダーティハリー2』には、それぞれ冒頭に効果音がミックスされているのも雰囲気が出ていて、『パピヨン』は波の音だけですが、『ダーティハリー2』の方は、バイクの発進音から走行音、並びに、拳銃の発射音とマシンガンの乱射音、そして最後は衝突音と、映画のクライマックスを再現した形になっていて、これも当時はサントラがリリースされていなかっただけに、このムードは最高でした。ただ、マシンガン自体は、映画のクライマックスには登場していなかったと思うのですが…(笑)。この『2』に関しては、当時色んなオムニバス盤にカバー演奏版が収録されていたんですが、どれも、ちょっとずつアレンジが違うので、聴き比べてみると面白かったもので、特にこのアルバムに収録してあるバージョンは、効果音が入っている事も勿論の事、実質4分以上の長いアレンジになっている“力作”になっているので、一番のお薦めではありました。因みに、オリジナルは意外にも、メインフレーズが「♪ア〜ア〜ア〜」というコーラスになっているんですね。(これを再現しているカバー版は皆無でしたが…)

発売元はマカロニ・ウエスタンのアルバムをよくリリースしていたRCAレコードで、ここは当時、『荒野の用心棒』と『夕陽のガンマン』のサントラの権利を持っていたのに、このアルバムに限っては、それらもサントラ収録されていないのが残念といえば残念ですが、多分、全体のバランスを考えてのカバー演奏になったんじゃないかと思われますね。今回、ここにアップする為に、久々に引っ張り出して聴いてみたんですが、今となっては、懐かしいアルバムである事は間違いありませんな。

 

 

 

ゴールデン洋画劇場 

LP/日・フィリップス/75年
全19曲

 

今は亡きフジテレビ系列の洋画番組「ゴールデン洋画劇場」で放映された(或いは放映予定の)映画のテーマ曲ばかりを集めたオムニバス・アルバム。数えてこれが第4集になり、最初はこの「ゴールデン洋画劇場」だけのリリースだったものが、この時に初めて、各放送局のゴールデンタイムの洋画番組も全て同じような形式でLPがリリースされたという、極めて異例な企画だった。

当時の「ゴールデン洋画劇場」は、まだ金曜日だった頃で、この時のリリースによって、日曜から土曜まで、1週間全ての洋画番組が出揃ったという、実に画期的な“事件”でしたな。聞くところによると、一番売れたのが、やはりこの『大脱走』のマックィーンをジャケットに持ってきた「ゴールデン〜」だといい、さすがは元祖の強み。第1集のリリース時から、『大脱走』をモチーフにしていた(なんせ、一番最初に『大脱走』を放映した局ですから)だけに、もう宝物のような扱いだった訳ですな。

このアルバムには、その『大脱走』を始め、18作品の映画のテーマ曲が収録されている訳ですが、当然の事ながら、サントラではありません。アンリ・モリエール・オーケストラの演奏によるカバー・バージョンなんですが、当時はサントラが発売されていない作品も含まれている為、結構重宝したものです。因みに、他の洋画劇場のアルバムも、全て同じオーケストラによるもの。

収録作品は、『大脱走』の他に、『フレンチ・コネクション』『ショーン・コネリー/盗聴作戦』『危険がいっぱい』『ボルサリーノ』『さらば友よ』『M*A*S*H』『猿の惑星』『ローマの休日』『カサブランカ』『雨に唄えば』『いつも二人で』『シャレード』『ソルジャー・ブルー』『真昼の決闘』『戦場にかける橋』『ベン・ハー』『トラ・トラ・トラ!』。いずれも、同番組で放映された、或いは今後放映予定の作品ばかりで、このジャケ裏の解説でも、“今後放映予定の大作”として『戦場にかける橋』が大きくクローズアップされているのが分かります。当然、テレビ初放映だった訳で、局としても力を入れている様子が窺える訳ですが、確か、放映された時の視聴率は、期待した程上がらなかったようでしたな。

それはともかく、カバー演奏とはいえ、今でもレアなタイトルが並んでいる訳ですが、とりわけ『ショーン・コネリー/盗聴作戦』(音楽はクィンシー・ジョーンズ)のジャジーなスコアが素晴らしく、おそらく日本では、今でもこのアルバムでしか聴けないので、何とも貴重ですな。あと、『ローマの休日』は、これ程の名作なのに未だにサントラがリリースされていないのが珍しいですが、意外な程音楽が印象的でないのがその要因かと思われ、その貴重なテーマ曲が聴けるのはやはり嬉しく、おそらく収録されているこのテーマ曲は、劇中でもほんの少ししか流れない曲をアレンジしたものであるようです。

アレンジといえば、『フレンチ・コネクション』(これも当時はサントラが無かったので、かなりレアなタイトルだった)には、これまた大胆なアレンジが施されていて、今聴くと、「こんな曲あったっけぇ〜?」というような変りようにビックリ(笑)。まぁ、時代ですな。それと問題は『猿の惑星』。これは元々TBS系の「月曜ロードショー」で初放映されたものですが、シリーズ全作がフジ系へ引っ越してきた(と、ジャケ裏に解説がありました)らしく、ここに登場している訳なんですが、この収録曲が、ジェリー・ゴールドスミスの例のテーマ曲ではなく、ナンとテレビ・シリーズ版のテーマ曲が収録されているんですな。そういえばテレビ・シリーズはフジ系だったなぁ〜と思ったりしていたものの、これはちょっと詐欺ではないですか(笑)。当時は『猿の惑星』のサントラ自体、あまり聴く機会が無かったので、これを聴いた時は気が付かなかったんですが、後に“本物の”サントラを聴いたときにビックリ仰天。長年、騙されていた事に気が付いたのでした…。

あと、この番組の目玉作品であった『大脱走』と『トラ・トラ・トラ!』には、音楽以外に効果音(『大脱走』オープニングに登場する装甲車の走行音や、『トラ〜』のゼロ戦の飛行音や爆撃音)も収録されていて、なるべくサントラに近い雰囲気を出そうと努力しているのが窺えます。サントラの意味が分からなかった当時の子供たちは、この効果音収録によって、「これがサントラだぁ〜!」と、歓喜の声を上げていたんですねぇ。

それと、1曲目には、番組のオープニング・テーマ曲も収録されていて、これもやはりオリジナルではなく、カバー演奏版なんですが、各局のアルバムにも各々収録されているので、それを聴きたいが為に、全アルバムを制覇した人もかなりいたみたいですな。多分。

 

 

 

 

デイヴィッド・シャイア作品集 David Shire At the Movies

CD/米・Bay Cities/91年
全14曲

 

『サブウェイ・パニック』『大統領の陰謀』等の名手デイヴィッド・シャイアのスコア集。サントラではなく、シャイア自ら演奏に加わったスタジオ・オーケストラ(複数)による演奏で、サントラがリリースされていない作品も結構含まれているのが良いですな。

あと、主題歌パートをモーリン・マクガヴァンやキャロル・ネブレットが唄っているのもポイントが高く、オリジナルとはまた違った雰囲気が出ているのもイイ感じ。

収録曲は、『ノーマ・レイ』『ニール・サイモンのキャッシュ』『さらば愛しき女よ』『昔のボーイフレンド達』『泣かないで』『カンバセーション/盗聴』『ベッドと朝食』(未)『マザーナイト』『約束』(未)『ザ・ドロッパーズ』『ヒンデンブルグ』『ジョーイ』『アドベンチャー・ロード』『オズ』の14作品。中には、シャイア作品ではない映画も含まれていますが、ムードはどれもシャイア調になっています。特に『ジョーイ』は、サントラがリリースされていなかったので、ここでテーマ曲が聴けるの貴重なのと、あと『ヒンデンブルグ』は、あの印象的なテーマ曲をキャロル・ネブレットのソプラノ声で聴けるのが、気分最高でございました。

 

 

 

 

これがオリジナル・サウンドトラックだ! 

LP/日・CBSソニー/78年
全30曲

 

CBSソニー系列のサントラばかりを収録した2枚組のサントラ・オムニバス。基本的には主題歌中心で、主題歌の無い映画は、テーマ曲を収録。サントラ・ブームが始まった頃のリリース作で、全曲サントラというのが、当時としては凄く魅力的だったですな。

収録曲は、『卒業』より「サウンド・オブ・サイレンス」(サイモンとガーファンクル)、『追憶』(バーブラ・ストライザンド)、『ウエスト・サイド物語』より「トゥナイト」(ナタリー・ウッド&リチャード・ベイマー)、『スヌーピーとチャーリー』より「チャーリー・ブラウンという名の少年」(ロッド・マッケン)、『暗黒街のふたり』『ファイブ・イージー・ピーセス』より「スタンド・バイ・ユア・マン」(タミー・ウィネット)、『栄光のル・マン』『イージー・ライダー』より「イージー・ライダーのバラード」(ザ・バーズ)、『エデンの東』『理由なき反抗』『ラスト・ショウ』より「コールド・コールド・ハート」(トニー・ベネット)、『お前と俺』(ジョニー・キャッシュ)、『ローハイド』(フランキー・レイン)、『さらばベルリンの灯』『時計じかけのオレンジ』より「マーチ」(ベートーヴェン交響曲第9番第4楽章)、『スター誕生』より「愛のテーマ」(バーブラ・ストライザンド)、『ベンジーの愛』(アンディ・ウィリアムス)、『マイ・フェア・レディ』より「踊り明かそう」(オードリー・ヘプバーン)、『華麗なる週末』『Z』より「愛のテーマ」、『パリは燃えているか』より「パリのワルツ」、『M★A★S★H』(ザ・マッシュ)、『スタア誕生』より「去って行った彼」(ジュディ・ガーランド)、『アラモ』より「皆殺しの歌〜遥かなるアラモ」、『ナバロンの要塞』(ミッチ・ミラー合唱団)、『OK牧場の決闘』(フランキー・レイン)、『野のユリ』より「エーメン」(シドニー・ポワチエ)、『老人と海』『戦争と平和』より「ナターシャのワルツ」、『戦場にかける橋』より「クワイ河マーチ〜ボギー大佐」(ミッチ・ミラー合唱団)の、以上30曲。

50年代の名作から最新の映画まで、実にバラエティに富んだラインナップになっていて、CBSソニーが権利を持っているサントラを思いっきり集めまくった豪華盤という印象ですな。当時でも珍しかった『お前と俺』や『華麗なる週末』が収録されていたのも貴重で、あと、「スタンド・バイ・ユア・マン」は、後に『ブルース・ブラザース』の酒場のシーンで歌われた曲として有名になりましたが、このレコードでオリジナルを聴いて知っていただけに、酒場の客たちがしんみりするシーンでは大いに笑えました。また、その酒場のシーンで歌われるもう一つの曲が『ローハイド』の主題歌で、それもちゃんとこのアルバムに収録されているのが奇遇ですな(笑)。唯一この曲だけは、映画ではなくテレビ・シリーズの主題歌ですが、『ブルース・ブラザース』繋がりとして捉えた場合、ちゃんと映画音楽として機能しているのが凄いですな。

因みに、インナーの解説には、映画評論家・日野康一氏がサントラの魅力について語ってくれておりまして、当時の日野氏といえば、ブルース・リー評論家と共に、サントラ評論家としても各誌で筆を奮っておりましたな。ちゃんと「サントラとは何か?」という所から話が始まっているのが、サントラ・ファンとしても勉強になりました。

また、このレコード、付録として1978年のスター・カレンダーが付いていて、これがまたタマらない魅力でもありました。1・2月がロバート・レッドフォード、3・4月がジャクリーン・ビセット、5・6月がアラン・ドロン、7・8月がスティーヴ・マックィーン、9・10月がリンゼイ・ワグナー、11・12月がジェームズ・ディーンという顔ぶれになっていたのも、当時の人気を示しておりましたな。

 

 

 

 

オリジナル・サウンドトラック パーフェクション2500 

LP/日・日本コロムビア/76年
全16曲

 

こちらは、abcレコード系列のサントラばかりを集めたオムニバス盤。日本コロムビアからリリースされていた“パーフェクション2500シリーズ”の中の1枚として出たもの。これも全曲サントラというのが嬉しく、やはり、当時でも貴重だった作品が入っているのが重宝しましたな。

収録曲は、『ナッシュビル』より「アイム・イージー」(キース・キャラダイン)、『十戒』より「序曲」、『ローズマリーの赤ちゃん』より「子守唄」、『ペンチャー・ワゴン』『ある愛の詩』『ボルサリーノ』より「序曲」、『華麗なるギャッツビー』より「デイジーのテーマ」、『ゴッドファーザー』より「愛のテーマ」、『ヤング・フランケンシュタイン』『キャバレー』より「ウィルコメン」(ジョエル・グレイ)、『イージー・ライダー』より「イージー・ライダーのバラード」(ザ・バーズ)、『フレンズ』(エルトン・ジョン)、『ダブ』『チャイナタウン』より「愛のテーマ」、『星の王子さま』より「序曲」、『四月の恋』(パット・ブーン)。

この内、『ローズマリーの赤ちゃん』と『ヤング・フランケンシュタイン』は、当時既に廃盤になっていたので、ここで聴けるのは貴重でした。ただ、ここに収録されている『ヤング・フランケンシュタイン』は、本作のサントラではラストに収録されている“ディスコ・アレンジ・バージョン”で、実際には映画の中で使用されなかった曲だったですな。でも、当時のラジオ番組でも、『ヤン・フラ』のサントラが流れると決まってこの曲だったので、一応サントラ扱いされておりましたな。あと、個人的に気に入ったのは、『ダブ』と『チャイナタウン』で、片やジョンバリー、片やジェリー・ゴールドスミスと、どちらも大物が担当していた作品だけに、曲も素晴らしい仕上がりで、長年このレコードで聴いてましたが、もっと聴きたいという事で、後にLPやCDを買い求めておりました。両方のアルバム共、これまたイイんですなぁ。いずれまたご紹介したいと思います。

なお、ここにも収録されている「イージー・ライダーのバラード」ですが、上記で紹介しているCBSソニー盤とは、違うテイクのようで、2種類あったって事ですかね。ソニー盤には、ラスト・シーンのバイクが爆発・炎上する効果音も入ってましたが、コチラは純粋に主題歌のみにいなっていて、その辺りも違うようです。確か、アルバムはabc系から出ていたので、コチラが元になっているかと思うのですが、アルバムを所有していないので、よく分かりませんです。

因みに、こちらのインナーの解説は、映画評論家の河原晶子氏でありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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