★11月30日(木)

 ビデオで『新・仁義なき戦い/組長最後の日』。新シリーズの最終作。もう何度目ですかねぇ。大分前にビデオで前作を観ていたので、急に思い出したかのように、これ観てしまいました。

 正編シリーズと違い、新シリーズになってからは、リメイクされた1作目を除くと完全に別個の作品になっていて、そのどれもが、個人(菅原文太)対組織という構成になっているのが面白いですな。つまり、正編の時は、組織の中で孤立した文太が、どうあがくか…というのが焦点になっていたのに対し、新編は、組織からハミ出した文太と他の組織との戦いがテーマで、よりヒロイックで明確なストーリーになっているのが特長ですな。なので、アクション描写(ヒーローものとしての)が増えているのは当然で、作り手の、正編に対する対抗意識が如実に表れているのは見ていて面白いと思いました。

 他の作品と比べると、本作を観る回数が少ないのは何故かと考えたら、やはり、ラストで文太が死んじゃうってのがネックになっているような気がしますな。しかも、あまりに唐突だし…。しかし、シリーズでは初めて主人公である文太が死んじゃうってのをラストに持って来た事を考えると、シリーズの最終作に相応しいとも思える訳で、この後予定されていた“新・仁義なき戦い/北陸代理戦争”は、作らなくて良かったとも思えますな。勿論、シリーズとは別に作られた『北陸代理戦争』は傑作でしたが。

 

 

★12月2日(土)

 仕事の後、『硫黄島からの手紙』のチケットを買いに梅田へ出たついでに、久しぶりにDVDショップを覗く。最近は、ネットでばかり買っているので、実際にショップで現物を確認するという事をやっていなかったという事もあり、現状把握という意味も込めてショップ巡り。ナンか、年末商戦かクリスマス商戦か知らないけど、結構ダンピングされて売られているヤツがあるのが目立つ。なので、思わず何枚か買ってしまった…。

 その中の1枚を鑑賞。500円で叩き売られていたDVDで『エイリアン・ネイション』。前から気になっていた作品。劇場で観て面白かった印象があり、その後LDを買って1回観たきりだったかな、でも、スタンダードのトリミング版だったんで迫力半減、スコープ・サイズでもう一度観たいと思っていた訳で…。

 久しぶり、本当に久しぶりに観たけど、意外にこじんまりとまとまった映画だったんですね。刑事とエイリアンとのバディ・ポリス・アクションというと、『ヒドゥン』『エイリアン・コップ』なんかがありましたが、意外にまともに作られた刑事アクションで、エイリアン云々っていうのは、単なる味付けみたいなもので、ストーリー自体、大してブッ飛んだものになっていないのが特長でしょうか。時間も90分以内でサラっと終わっちゃうし、見せ場も、通常のポリス・アクションとあまり変わらないような、どちらかというと現実味を帯びた描写が中心。

 でも、ジェームズ・カーンがハマリ役で、これはこれで面白かった事には違いないですが、まぁ、500円で買えて良かったかな、と…。他にも何枚か、同じFOX作品が500円で売られていたので、今、ちょっと考え中。

 因みに、他の店で『サウンド・オブ・ミュージック』のファミリー・バージョンってのが1000円で売られていたんで、それも購入。新しく、日本語吹き替え(&歌も!)を録音し直したという新版音声が収録されているもので、リリースされていたのは知っていたんですが、以前のBOX版も持っているし、今更という感じがして無視していたんですが、千円となると話は別。まぁ、本編そのものより、その歌まで日本語で入れ直したものというのに、ちょっと興味を惹かれたもので、後学の為にチェックしておいてもイイかなと。観るのは、まだ先になりそうですが…

 

 

★12月3日(日)

 近所のツタヤで100円レンタルをやっていたんで、何作かDVDを借りてきた。その中の1本『サウンド・オブ・サンダー』。今年の春頃劇場公開されていたヤツで、監督がピーター・ハイアムズというので、観たかった映画なんですが、気付いたのが遅かった為見逃していた作品。あ〜、やっと観れる。

 と、喜んでいたのも束の間、こ、こ、こ、これってヒド過ぎやしませんか!? あまりにいい加減に作られ過ぎているのでは? と、観終わった後思いましたです。全然知らなかったんですが、これっとレイ・ブラッドベリの原作だったんですね。聞く所によると短編だとか。確かに、そういう雰囲気があるストーリーだとは思いましたが、描写というか、センスが無さ過ぎ! これが大好きなハイアムズ作品だと思うと、悲しいやら情けないやら…。

 これみよがしのCG特撮があまりにショボく、登場する怪物の造形も、まぁ、色々考えた末だったんでしょうが、ちょっと工夫が無いような。それに一番気になったのは、舞台があまりにミニマム過ぎる事。これだけ地球規模で異変が起こっているんだから、もう少しマキシマムな視点からパニックを描いて欲しかった気がします。製作までに色々トラブルがあったらしいですが、それを割り引いても、いい加減な作りに閉口してしまいました。

 アイデアはイイんですけどね(ブラッドベリ原作だから当然か)。あと、終わり方もハイアムズらしくて好きなんですが、そこに至るまでがねぇ…。やはり、この手のハイ・バジェッドな映画は、ハイアムズには合わないんでしょうね。同系統の『タイム・コップ』なんかは小さくまとまっていて面白かったんですけどね。そう、この人にはもう1本『チャンネル・アドベンチャー』という失敗作があって、これもダメでしたな。恐らく、SFのセンスに欠けている人なんだと思います。『カプリコン・1』にしても『アウトランド』にしても、SFタッチではあったけど、根本は古いタッチのアクション映画でしたからね。アッそういえば『2010年』もあったっけ…。これは、微妙でしたな…。

 因みに、この映画に主演しているエドワード・バーンズ。観ている間じゅう、ずっとベン・アフレックとばかり思っていました。エドワード・バーンズって誰? 元々は監督だった人だとか。ワタシの知らない人ですな。そういえばこの映画、ベン・キングスレー以外、知った人が出ていなかったというのも致命的ですな。もっと役者も揃えた方が良かったみたい。でもまぁ、100円のレンタルで観れたのはラッキーでした。わざわざDVDを買う事も無かったし(買っていたら怒り狂っていたと思います)。そういう意味では、これは100円レンタルで観るべき映画ですな。

 

 

★12月7日(木)

 木曜洋画劇場で『ミリオンダラー・ベイビー』。地上波初放映だそうである。そうだったのか。それでは観なくては、と思い観た。思えば、昨年の春に劇場で観て以来だ。その後DVDも買ったのだが、チェックの為、オープニングだけを観てそのままにしていたのだっけ。

 テレビでイーストウッド作品を観るのは久しぶりである。テレビで放映されていても、ついついビデオやDVDで観てしまったりしていたからで、やっぱりカットされているのが我慢できないんですな。でも、今日は、取り敢えず最後まで我慢しながら観る事にした。いきなりビスタ・サイズの画面である。これってビスタだっけ…?と思い、DVDのジャケットを確認したところ、オリジナルはスコープ・サイズだった。画面からしてカット版ですか…。

 始まって20分ぐらいで、もう泣き始めていた。早いね、マッタク。それにしても、オリジナル版を観ているだけに、カット・シーンが目立つのは気になりますな。今更云ってもしょうがないけど。特にも穴の空いた靴下のシーン等、細かいシーンがカットされているのは残念というか、どのシーンもカットされるのは残念ですな。そもそも、イーストウッドの映画からカットするシーンがあるのが信じられない。完成した映画自体が完璧ですからね。それをカットするのは神に対する冒涜でもありますな。

 とまぁ、今更テレビ放映に文句言ってもしょうがないですが、映画が傑作なので全て御破算ですな。勿論、今回も泣かせて頂きました。テレビで観たせいもあり、思った重くなる事はありませんでしたね。

 

 

★12月8日(金)

 100円レンタルで『SAW』。2年前の映画ですが、色々話題になっていたにも関わらず、まだ観てなかったんですね。最近、たまたま劇場で3作目の予告編を目にして、「面白そう(Saw)」と思ったので、今度レンタルでも観てみるか…と思っていたところ、上手い具合に100円で観れてよかったです。

 なんでも、“ソリッド・シチュエーション・スリラー”というらしいですが、雰囲気は何となく『CUBE』に近いような感じですな。限定された空間内でのタイム・リミット・スリラーで、それに謎解きとスプラッター・シーンがインサートされるという具合。なかなか面白かったです。スプラッター・シーンがどうのと噂されていましたが、さほどでもなく(むしろ2作目の方が凄いとか…)、登場人物の過去が明らかにされている様は、『フォーン・ブース』にも似ていたような。犯人の設定とオチなんかも、まんま『フォーン・ブース』のようで、まぁ自主映画として作られた分には、なかなかの出来でしたね。

 ただ、あのオチは、確かに驚きましたが、アレで果たして騙せるのかどうか。約半日、あの状態でいる事が可能なのかどうか…。ナンとも疑問ですな。それと動機なんですが、やっぱり、キチガイのやる事だから…というのが理由でしょうか。それもどうかと…。

 今度また100円レンタルの時に『2』も観てみます。一緒に借りようかと思ったんですが、1作目がつまらなかったら観る気が起きないんで、取り敢えず今回は1作目のみにしましたが、これは2作目が楽しみになってきましたデス。

 

 

★12月9日(土)

 朝イチで今日から公開の『硫黄島からの手紙』。入りは6〜7分程。前作よりも、割とヤングの顔も見えましたが、それはやはりジャニーズ効果か。でも、全体的には、ご年配の方が多いですな。意外に夫婦揃って観に来られている方々も目立ちました。50歳以上だと、夫婦(カップル)で2千円ですものね。イイなぁ。

 さて、映画ですが、大方は別枠の「感想記」に書いたので割愛しますが、限りなく日本映画になっていたのが意外でした。ハリウッドの監督、それもイーストウッドが撮って、果たしてどういった仕上がりになるのかが注目だったんですが、まるで日本人監督が撮ったかのようなこの皮膚感覚。あまりに日本映画らし過ぎた辺りに、違和感を感じたというのが正直な感想でした。映画自体は傑作なので、それだけが気になってしょうがないんですよねぇ。

 

 DVDで『エイリアンVSプレデター/完全版』。劇場で観て以来の鑑賞。既に劇場版のDVDもリリースされていて、その内ディレクターズ・カットなり完全版なりでまたDVDが出るだろうと予測していたので、先に出たヤツは買わなかったんですが、やっぱり出ましたね。一応“完全版”と銘打たれていますが、実際は“アンレイテッド版”なんですね。つまり、残虐なシーンだけが追加されているというバージョンで、こういうのを観るのがDVD鑑賞の楽しみではありますなぁ。

 ストーリーを完全に忘れていたので、2度目ながらも結構楽しめました。エイリアンとプレデターの関係も、昔から懇意(?)だったという事が理解できて、面白かったんですが、でもこれって、かなりプレデター寄りの映画ですなぁ。ちゃんとコミックで原作があるから、そういう設定にしないといけなかった(原作と同じかは未確認)のは分かりますが、因縁の対決とかではなく、どうせなら、ガチンコでの戦いを観たかったような気が。両者がバッタリ出会って、さぁどう戦う?みたいな。その方が予測が出来ない展開になってもっと盛り上がったと思うのですが…。

 こうして完全版で観れてよかったと喜んだのも束の間、これって1枚ものだったんですね。てっきりもっと特典が収録されているものかと思っていたんですが…。劇場版と2バージョン収録されているのがウリなんでしょうけど、ちょっと物足りないような気が…。って事は、この後またアルティメット・エディションとかで出るんでしょうなぁ。ソッチにすれば良かった…。でもまぁ、特典は観ない派だから、別にイイですけどね。

 

 

12月10日(日)

 昨日の『エイリアンVSブレデター』に続いて“VS映画”。今日は『フレディVSジェイソン』。このDVD、実は買ってからまだ一度も観ていなかったのでありました。何故買ったのか不明。でもまぁ、劇場で観て面白かったからなんでしょうね、きっと。

 その劇場での鑑賞以来久々に観ましたが、“13金シリーズ”の中ではベストに入る面白さですな。やはり、フレディとの戦いに焦点を絞ったのが良かったんでしょうなぁ。どちらも人を殺しながら戦うという辺りが、昨日の『AVP』と同じなのが面白いというか、結局このパターンでしかないんでしょうな。

 主人公の女の子が巨乳なのはイイんですが、他の子は見せてくれているのに、この子だけ全然見せてくれてないのは残念ですな。そんな映画じゃないんですが、ついつい期待してしまうんですな。

 

 

12月14日(木)

 仕事の後、最終回に飛び込んで『007/カジノ・ロワイヤル』。前評判は散々だった6代目・ダニエル・クレイグのボンドですが、最初は 違和感ありまくりだったのが、観ている間中段々と慣れてきて、最後は違和感が払拭されてしまったというのは、これは計算された事だったのだろうか。上手いですな。

 イアン・フレミングの007最初の小説という事で、映画の方もそれを意識したかのような仕上がりで、観る前は、「またエピソード1か…」と、ゲンナリしていたら、そうじゃなかったんですな。確かに、それまでのシリーズをリセットしたかのような作りではあるんですが、時代はあくまでも現代で、00要員が居なくなったので、新たに養成・誕生させようとする話なんですな。そういう意味では新鮮味がありましたな。

 ただ、気になったのは、この原作って、かなり地味なストーリーなのではないかという事。後半ずっと、ポーカーによる心理戦が描かれているので、映画にするにはかなりシンドいと思ったんですが、出来上がった映画はアクション描写を散りばめて、上手く構成されていたようで、まずは一安心。ダニエル=ボンドの生身のアクションが炸裂していたのが、素晴らしいですな。

 しかし、所々荒削りというか、説明不足の部分があったのは残念ですな。緊張感溢れるポーカーのシーンが途切れ途切れになっているのも、盛り上がりに欠ける感じがして、もうちょっと何とかならなかったんでしょうか…。あと、誰がボンドに毒を盛ったのか、この疑問が解けていないのが気に掛かりましたです。

 

 

 

           

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